1996(平成8年)12月25日
第15号


巻頭言


●「碁友」  小倉 節生 (汎本)

 最近、碁に夢中です。はまってしまったの感がピツタリ。

 朝であろうと、夜であろうとTV放映されているとまず見る、見れないときはビデオがある。
プロの解説を聞いていると「なるほど、フンフン」、急にうまくなった気分になる。

 ところが、実際打ってみるとそんなにうまくいくわけがない。なんとヘポなことかと落ち込む、
そんなことの繰り返しである。

 そんな中で嬉しいことが、忘れもしない平成8年7月28日、「初段」に挑戦である。日本棋
院での最初の碁は自分に「平常心!、平常心!」といい聞かせないと、いけないくらいアガッ
てしまった。ところが平素の行いがよかったせいか(?)、相手の方(御老人)が大幅に時間
オーバー、すなわち時間切れで勝ち。(ラッキー!)、二戦目は相手が「自分でハルマゲ丼」、
これまたラッキー!、これで弾みがつき四連勝で合格。イヤー嬉しかった。

 もっと嬉しかったのは囲碁部の皆さんから「オメデトウ」の祝メールをたくさん頂けたことです。

 これに調子に乗って碁盤を買ってしまった。四本の足のついたやつである。実は安い碁石と
碁笥を買おうと思って展示会に行ったのがツイツイ、営業さんの巧みな言葉にのせられてしまっ
たのである。

 後から考えてみるに決して無理に勧められたわけでなく、自分からはまりにいったようなもの
である。これは正に囲碁の極意ではないかと感心した。今、半導体を売る立揚になつて、顧客
がなんとなく日立に発注する手法をあみ出すのが、自分の仕事ではないかとかと考えている次
第です。

 また、わが家にほ愛すべき猫がいる、このミーチゃンのおかげで家中の璧はポロポロ。爪研ぎ
である。常々言い聞かしているのだが一向に効き目がない。もし碁盤に、と考え今は段ポールの
フタをしている。

 最近、勝った負けたも重要であるが、良い音を出す事に執着している。とは言つても、道具だけ
でなく実力向上を目指し、新幹線の帰路は勉強中。

 皆さんのご指導よろしくお願いします。


『平成8年度年間優秀成績者』

 平成8年の月例大会、合宿の成績をまとめた結果、上位成績者は次の通りでした。

◎勝ち星ベスト3
  1位 小倉(汎本) 34勝18敗
  2位 門川(マイコン) 30勝19敗
  3位 羽鳥(PKG)30勝28敗

◎勝率ベスト3(25局以上)
  1位 鈴木(諸品証)22勝8敗 (73%)
  2位 小倉(汎本) 34勝18敗(65%)
  3位 堀田(2ウ製)19勝12敗 (61%)

◎対局数ベスト3
  1位 羽鳥 (PKG)58局
  2位 小倉 (汎本) 52局
  3位 門川 (マイコン) 49局

 最多勝利は小倉氏、初段獲得に燃えた執念と勉強量の結果でしよう。次の目標は二段獲得。

 門川氏は昨年に続いての活躍、後半はハンディが上がってやや苦戦、ここが次のステツプ
ヘの正念揚。

 勝率1位は鈴木氏、碁会所川で鍛えた勝負強さと粘りで快進撃。

 最多対局は常連の羽鳥氏、誰からも対戦しやすい(勝てそうな?)タイプでしょうか。囲碁部
には責重な存在です。


『囲碁未来・移動置碁教室』開催

 10月12日(土)、赤城クラブで『囲碁末釆・移動置碁教室』が開催され、20名が参加
した。

 これは日本棋院発行の月刊誌『囲碁未釆』の企画で、女流プロが各地の囲碁クラブを
訪問しそのクラブの活動状況と指導碁の内容を雑誌に掲載するものです。

 今回、日立会囲碁部を訪れたのは中山薫プロ二段、そして編集部の方が2名である。
最初に日立高崎及び日立会囲碁部の紹介を行い、午後から指導碁を行った。

 指導碁は6名が対局、終局後に大磐で解説会を行い、棋理・着想等大変勉強になった。
又、懇親会では編集者を交え、囲碁界の色々な情報が得られ意義深い一日であつた。

 なお、来年の 『囲碁未来』2月号に今回の内容が掲載される予定である。

 ◆指導碁対局者
  ・堀田修三(2ウ製) (3子局)●
  ・加藤正二(マイコン) (5子局)●
  ・武田正久(DECO) (6子局)○
  ・小関正晴(総務) (7子局)△(ジゴ)
  ・福田康夫(生管) (7子局)○
  ・新井 茂(生技) (7子局)●


『日立・高崎市役所、親善囲碁大会』

 9月1日(日)、三山荘にて高崎市役所11名、日立会囲碁部15名が参加して親善試合を
おこなつた。

 今回の対戦は植原議員の紹介によるもので、双方囲碁部及びメンバー紹介後、熱戦を繰
り広げた。

 今まで対外試合では良い結果を出せなかったが、今回は初対戦で市役所さんがアメをくれ
たのか、なんとか勝ち越すことがでさた。

 今後も積極的に対外試合をおこない、地域との交流をはかっていきたい。

 ◆対戦成績
  ・1回戦 3勝8敗
  ・2回戦 7勝4敗
  ・3回戦 8勝2敗

 ◆全勝者
  ・掘田修三(2ウ製)
  ・福田康夫(生管)
  ・堤 氏 (市役所収入役)


『日立・沖電気、親善囲碁大会』

 1月27日(土)、三山荘にて沖電気9名、日立会囲碁部13名が参加し、親善対局を行った。

  昨年8月以来の対戦で前回は4勝12敗と大きく負け越し、今回はその雪辱戦ということで臨
んだ。しかし、成槙は10勝17敗と前回より勝率は上回ったものの、返り討ちという結果になつて
しまった。

 まだ沖電気の方に一日の長があるが、実力は接近しており、次回の対戦までに棋力を上げ勝利
の美酒に酔いたいものである。

 ◆対戦成槙
  ・1回戦 3勝6敗
  ・2回戦 3勝6敗
  ・3回戦 4勝5敗

  ☆合計 10勝17敗


『平成八年、日本棋院・段級位認定大会』

 今年度、日本棋院の段位認定大会には15名が挑戦し、4名が昇段及び入段を果たした。
これで囲碁部の有段者は14名と、昨年より2名増加し、全体のレベルも向上した。

 今後、有段者の使命は段位に恥じない実力と品位を備えることが必要である。

★免状取得者
 ◆二段戦 ・門川(マイコン) 3勝1敗
        ・武田(DECO) 3勝1敗
 ◆初段戦 ・小倉(汎本) 4勝0敗
        ・鈴木(諸品証)3勝1敗


随筆


「大衆ゲームに想う」 手塚 廣士(標設)


 大衆に愛されている室内ゲームは大きく二つに分けられる。一つはカードやサイコロや麻雀
などのような「多人数で楽しむゲーム」。もう一つは囲碁、将棋に代表されるような、二人で勝
敗を競う「勝負ゲーム」である。

 前者のゲームには大なり小なり運というものが入るが、後者には運の入る余地は極めて少
ない。勝負ゲームでは、技量が違えば大体強いほうが勝ってしまう。しかし、これでは誰でも
楽しめる大衆ゲームには成り得ない。

 勝負ゲームの楽しさや面白さとは何だろうか?、まず勝負である以上、誰でも「勝つ」ことに
意義を見い出す。しかし、それだけでなく、対戦者双方共に勝負の行方がどうなるかわからな
い緊張感に、「ゲームの面白さ」を感じるものである。

 囲碁と将棋は共に五百万人を超える愛好者がいると言われ、室内ゲームの双璧となっている
が、それは「置さ碁」や「駒落ち」といったハンディ戦があるからだと思う。ハンディ戦によって、技
量に差がある者同士でも伯仲したゲーム展開ができて「ゲームの面白さ」を感じることがでさるの
である。

 しかも、多段階のハンディが容易に設定できるため、勝負そのものの緊張感や面白さが損なわ
れるということはない。

 広く大衆に愛されるゲームというものは、懐が深いものである。一局の勝負には一つの処世訓
に通じるものがある。

 人が人の間で生さていくためには、勝ちすぎも負けすぎも面白くない。もちろん、勝つ喜びを得る
ためには相当の努力が必要なことは言うまでもない。

 有り余るものは分け与え、不足は努力で補い、多少の個性を発揮しながらも周囲との協調もして
いける。そんな余裕をもちながら囲碁を楽しみたいと思える今日この頃である。


『囲碁書籍紹介』
                     マイコン/加藤正二

 林 道義 著 (三一書房 発行)
  ・「囲碁の深層心理学」
  ・「囲碁の心理学的上達法」
  ・「囲碁の心理的タイプ」

 最近、どうも勝率がよくない。それなりに勉強し、技術的には上がっているハズなのに・・・。

そんな時この本のタイトルが目に入った。「そうだ!、自分の弱点は心理的な問題ではないか?」、
早速、購入し読んだところ、ナルホドと思う事が沢山あつた。その中の一つ。

 大切な事は対局中に自分がどういう心理的な状況にあるか、冷静かつ客観的に見つめる事である。
「焦り」、「嫉妬心」、「弱気」、「慢心」、「後悔」等々、自分の心理的状況を分析し、そこから対処法を
考えれば必ず勝率はよくなる・・・。ウ〜ン、説得力がある。

 もう一つ。「囲碁の心理学的上達法」から、「囲碁心理十訣」

 (1)「揺れ動く心は大敵、態度をきめよ」
 (2)「打ちたい所へ、ノビノビと」
 (3)「乱暴に ひるむな勇気 我れにあり」
 (4)「縮まず、力まず、柔らかく」
 (5)「ナメてはいけない相手は強い」
 (6)「悔しい気持ちはすっぱり捨てよ」
 (7)「アセリを自覚し、自信を持て」
 (8)「トドメは必死に、ヨミ切つて」
 (9)「金持ち稼がず、けんかせず」
(10)「勝ったと思うな、終わるまで」

 さて、効能であるが未だ実績には表れていない??。


発行者:藤野勝洋 編集者:加藤正二

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