●○● 天声人碁 ●○●
2002年10月
◎2002/10/25 「九段の呼び方」
先日、TV「囲碁・将棋ジャーナル」の解説で石井邦生九段(関西総本部)
が九段を「きゅうだん」と言っていました。
たしか中部の羽根泰正九段もそう言っていましたね。
聞き慣れない呼び方なのでオヤッ?と思いました。
関東では九段(くだん)ですよね。東京には靖国神社の近くに「九段坂」と
いうのがあります。これは「くだんざか」で「きゅうだんざか」と呼ぶ人は
いません。
なぜ関東と関西では呼び方が違うのでしょうか?、面白いですね。
◎2002/10/21 「名人戦第四局、依田名人の半目勝ち」
依田名人の粘りが功を奏し、半目勝ちでしたね。
これで名人位防衛まであと一勝となりました。
(黒番でしたのでコミ6目半になると半目負けになりますが・・・)
解説では趙王座の方が厚いとの予想でしたが、なかなか土俵を割らず、
しぶとく喰らいついて、決め手を与えない。
この辛抱強さが依田名人の持ち味なんですね。
私自身の対局でいうと、このタイプは苦手ですね。
少し自分の方が優勢と思っていても、差は広がらない。
こんな時、一気に勝負をかけて「自滅」というパターンがよくあります。
今週末、大会に参加しますが「依田名人の辛抱強さ」を心掛けて、
戦ってみようと思っています。
◎2002/10/19 「海外出身の棋士」
趙治勲王座のタイトル数が65となり、これまでの坂田栄男23世本因坊の
記録(64)を抜いて史上最多となったそうです。
「坂田時代」よりタイトル数が大幅に増えており、比較は難しいですが
大変な記録ですね。
現在、日本の囲碁棋戦では趙治勲王座はじめ「韓国、台湾、中国」の
出身棋士が上位でしのぎを削っています。
純日本棋士にもがんばってほしいと思いますが、日本で修行した事実が
大切だと思います。
相撲界でも海外の力士が増えていますね。
親方は「外国人の方が覚悟ができている」と言っているそうです。
囲碁だけでなく、各方面で海外からの留学生が日本で学んでいますが、
広い心で応援してあげたいと思います。
◎2002/10/13 「コミ5目半から6目半へ」
日本のプロ棋戦もいよいよコミが6目半になるそうです。過去のデータ
から5目半では先番が有利ということなのでしょう。
背景には韓国をはじめ序盤の作戦がかなり研究され、黒番有利の状況
になったのではないでしょうか。
また国際棋戦での持ち時間短縮の影響も考えられます。
私も大いに賛成ですね。ヘボ碁ながら黒番の方が勝率は良く、白番が
当たると少し不安になります。
これからは白番の勝率も少しは良くなるかもしれませんね。
でも逆に黒番での勝星が減って、トータルでは同じになるような気がします。
結局、勝率を上げるためには勉強以外に道はないんですよね。
◎2002/10/07 「佐々成政」
NHK大河ドラマ「利家とまつ」、ここ数回では前田利家の少年期からの盟友
「佐々成政」が物語の中心になっています。
今まで「佐々成政」は歴史上、それほど大きく登場してなかったのですが、この
ドラマではかなり重要なポジションとなっています。
先週の放送では「成政」が肥後での失政の責任をとって切腹するところですが、
その背景には「秀吉」との確執があります。
成上がりで現実派の「秀吉」と信長側近で潔癖派の「成政」はソリが合わなかった
ようです。この事が「利家」の盟友を失うという悲劇になったのですね。
囲碁仲間でもソリの合わない人っていますよね。ちょっとした価値観のズレが溝と
なるのでしょうが・・・
「人類みんな仲良く・・・」子供の頃そんな教えを聞いたことがありますが現実は難し
いですね。
でも、その難しさが「人間模様」を面白くしているのでしょうが・・・
◎2002/10/04 「名人戦第三局、趙治勲王座一勝を返す」
名人戦は第一局、第二局と依田名人が連勝しました。
解説などを聞いての感じたたことですが、一つは依田名人が自分のペースで
打ち回ししているのに対し、趙王座の方は着手の流れが不自然で、違和感を
感じていたように思います。
もう一つは趙王座の終盤(秒読み時)での乱れですね、過去秒読みになって
からの着手はまさに鬼神のごとしで、他を寄せつけない強さがありました。
しかし、本手合いを見ていると一瞬集中力が途切れたかな、という場面あり
ました。(年齢の影響もあるのでしょうか・・・)
でも第三局は趙王座らしい打ち回しで、なんとか一勝を返しました。
第四局以降が楽しみですね。
私たちアマチュアでも、「流れがシックリこない、違和感を感じる」というケース
がありますよね。
こんな時は無理をしないで、冷静に自分のペースに戻すことが肝心だと思います。
(それができれば苦労はしないのですが・・・)
◎2002/10/01 「将棋棋士と囲碁棋士の仲」
先週、NHK衛星第二TVの「囲碁・将棋ジャーナル(土曜12:10〜13:30)」を
見ていました。
将棋のゲストは中川大輔七段が出ていました。そこでわかったのですが中川
七段の奥様は囲碁棋士の宮崎志摩子三段ということでした。
同じようなケースで将棋の先崎学八段と囲碁棋士の穂坂繭二段夫妻のことは
知っていましたが。
他にもあるのかなと、調べたところ以下の記事がありました。
◇ ◇ ◇ ◇
---- サンケイ囲碁Web/2000.06.09より ----
■【編集余話】駒音を聞きながら(8)
将棋界の棋士は妻を囲碁界から迎えるケースが目立つ。先崎学八段は穂坂繭二段を、
中川大輔六段は宮崎志摩子三段を、脇謙二七段は荒木真子三段を、藤井猛竜王は
囲碁のインストラクター土屋佳七子さんを妻に迎えている。
ある日、控室で中川さんと藤井さんが碁を打っていた。二人とも奥さんは囲碁界の人、
指導してもらっているのかと聞くと、中川さんは「一度対局したが、それは厳しい。
二度とやりたくない」とのこと。
あるパーティーで、中川夫人の志摩子さんにその話を伝えると「同じプロなので負
けたくない」との答えだった。勝負師として理解しあえるのかと思ったが、プロの意地
は意外なところで顔を出すようだ。(奥田裕)