●○● 天声人碁 ●○●


2003年1月


◎2003/01/27 「昇段争う大手合、来年度から廃止」

【2003年1月21日 朝日新聞】より抜粋
日本棋院は1月20日、初段から八段までの棋士が参加して昇段を争う大手合
(おおてあい)を、2003年度から廃止すると発表した。大手合は75年の歴史に
幕を下ろす。
棋士の昇段は4月以降、主に名人戦や本因坊戦のタイトル獲得などの成績と、
名人戦など12の一般棋戦での勝ち星が一定の数に達することで決められる。


 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

今までの昇段制度に比べ、実力本位になったということでしょうか。
競技の世界では必然の流れですね。

サラリーマンにも実力主義(成果主義)が浸透しつつあります。
企業の場合光の当たる部署と、縁の下の力持ちのような部署があって成り
立ちます。

光の当たる部署にウェイトがいくのはやむおえないですが、影で支えている人達
の存在も重要ですね。

同じように囲碁棋士もトーナメントで活躍する一流棋士と普及活動等を支えるレッ
スンプロ、両方がうまくかみ合って囲碁界が発展すると思います。


◎2003/01/22 「2003/新春囲碁合宿」

1月18日〜19日と囲碁部の合宿を開催しました。
場所は吉井町の「牛伏ドリームセンター」で新春合宿は3年連続となり
ます。
建物もまだ新しいし、値段もリーズナブル、料理は豪華ではないけれど
庶民的で合宿には最適だと思います。

参加者の半分以上はOBで、最近の暮らしぶりなど世間話に花が咲いて
いました。

昨年と同様、桑本プロに参加していただき指導にあたってもらいました。
指導碁で言われていた内容では次のの2点が頭に残っています。

・「生きている石から動くのは価値が低い」
・「要石と廃石を見極め、捨てる覚悟も必要」


指導を受け半目は強くなったと思うのですが、いざ実戦対局となると教え
られたことはすっかり忘れ、自分の都合のいいように考え自滅してしまい
ます。

年2回の囲碁合宿も、十年以上になるかと思います。
今後も囲碁仲間の楽しみとコミュニケーションの場として、継続できればと
思っています。


◎2003/01/20 「ハンス・ピーチ四段、強盗に撃たれ死亡」

中米グアテマラ市郊外で、ハンス・ピーチ四段が強盗に襲われ金品を奪われた後、
拳銃で撃たれ病院に搬送され死亡が確認されました。
(同行の長原芳明六段、現地囲碁協会会長は無事でした。)

ハンス・ピーチ四段は長原芳明六段とともに、日本棋院の囲碁普及事業のため
中米三ヶ国(キューバ・グアテマラ・メキシコ)に訪問中でした。
(1月17日、日本棋院広報 より抜粋)

◆ハンスピーチ四段のプロフィール
昭和43年9月27日生。ドイツ・ブレーメン出身。小林千寿五段門下


 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

なんとも悲しいニュースですね。
平和のための囲碁普及活動がこんな事件に見舞われるとは・・・
富のかたよりが人の心をむしばんでいくのでしょうか。

現地囲碁協会の要請もあったのでしょうが、危険をおかしてまで
行くことはないでしょうに。
貴重な人材の損失は計りしれないほど、大きいと思います。

志しなかばで倒れたピーチ四段の無念さを思うと、心が痛みます。


◎2003/01/19 「棋聖戦 第1局、山下七段先勝」

◆ 挑戦者、山下七段が六目半勝ち
第二十七期棋聖戦七番勝負、王立誠棋聖(44)と挑戦者、山下敬吾七段
(24)の第一局は白番山下が六目半勝ちした。
実利で先行する黒。厚みを築く白。両対局者の棋風がはっきりと出た一局
だった。(1/18、読売新聞より抜粋)


山下七段の堂々とした勝ちっぷりでした。
地合いで先行する王棋聖に対し、あわてず厚みで対抗する山下七段。
中盤以降、厚みの利得で優勢を築き押し切りました。

TVの解説を見ていましたが、山下七段の厚みの構想。
私などはとても真似できないですね。どうしても相手の実利が気になり、
早く挽回しようと無理をして形勢を損ねてしまいます。

囲碁はマラソンレースのようなもの、自を信じてマイペースを崩さないこと
が肝要ですね。


◎2003/01/14 「一年の長さ」

先日、近くの山にハイキングに行ってきました。

20代の頃は北アルプスや八ヶ岳等へ行ったものでしたが、所帯を持って
からは遠ざかってしまいました。

ここ数年は年に2〜3回程度、日帰りのハイキングに出掛けるようになりま
した。
行けば爽快な気持になるし、健康にもよいのですが出掛けるまでが億劫で、
なかなか決心できないんですよね。

年齢を重ねると一年が速く過ぎていくといいます。


作家の五木寛之さんが新聞に書いていました。
   (以下、朝日新聞1/13「みみずくの夜メール」より抜粋)

−前略−

大人になり、やがて歳を重ねるにつれ、初体験ということが少なくなっ
てゆく。

同じ仕事、同じ仲間、同じ生活。

くり返しの日々は、あっというまに過ぎていく。

一年が短く感じられるというのは、要するに、くり返しの一年だったから
ではあるまいか。

長生きとは、何歳まで生きたか、ということではない。
その一年がどれほどめずらしく、驚きや感ずることの多い年であったか、
ということだろう。
そういう一年は、たぶんじつに長い一年にちがいない。

−後略−

囲碁の世界も仲間内の対局だけでなく、他流試合・各種イベント・
普及活動等、色々な関わり方があります。

初体験にチャレンジしていきましょう。


◎2003/01/09 「2003年日本棋院・プロ入段者」

日本棋院の2003年4月のプロ入段者7人が決定したそうです。
平均年齢は23.4歳で、昨年の16.6歳から大幅アップとなりました。
日本の棋士採用年齢は30歳未満。韓国、中国は十代だったと思います。

現実問題として、30歳近くの入段ではトーナメントプロとしては難しいように
思います。
また、日本が国際戦で優位を狙うなら、韓国、中国のように十代にした方が
得策でしょう。
ただ、プロ棋士になる夢を年齢制限で断念させるのもどうでしょうか。

近日公開される映画「オールド・ルーキー」実在モデルのジム・モリス(38)
さんの記事が新聞に載っていました。
   (以下、朝日新聞、1/9「ひと」より抜粋)

肩の手術を繰り返し、メジャー昇格を果たせなかった元プロ野球投手。
大学で学位を取り直し、故郷・テキサスの片田舎で高校の理科教師と
して再出発した。

引退から10年。35歳。現役時代は、135キロほどしか出なかった。
なのに、3人の子を連れて臨んだデビルレイズの入団テストで、160
キロ近い豪速球を投げ、合格。仕事を捨て、単身で再びマイナーから
始め、3カ月後の99年9月18日、高齢ルーキーとして大リーグに。

全米で100億円超の興行収入を記録した映画が、1月18日から公開
される。「きっと、だれにも2度目のチャンスが訪れる。その時は、希望
を持って夢を追いませんか。それが伝われば、幸せです」

「棋士の強化」と「個人の夢」どちらも価値がありますね。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

◆2003年4月の日本棋院入段者決定

・安斎伸彰(あんざいのぶあき) 17歳。(東京枠1位)
・大場惇也(おおばじゅんや) 19歳。(東京枠2位)
・古家正大(ふるやまさお) 30歳。(東京枠3位)
・武田祥典(たけだよしのり) 28歳。(名古屋枠)
・阪本寧生(さかもとやすお) 25歳。(大阪枠)
・種村小百合さん(たねむらさゆり) 21歳。(女流関西枠)
・中島美絵子(なかじまみえこ) 24歳。(女流枠)


◎2003/01/03 「新年を迎えて」

昨日(1/2)、O氏宅に5人が集まり「新年打初め碁会」が行われました。
なじみのメンバーでですが、実力の方はほとんど変わっていないようです。
勉強する根気が薄れてきたのでしょうか。でも、実力はともかく対局は楽し
いものです。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

私自身の2003年の抱負としては

■棋力向上のため、実戦中心から研究・勉強の時間を増やし昇段を果たし
 たいと思っています。
■会社のクラブ、県の囲碁団体の活性化に、今まで以上に尽力したいと思
 います。
■本ホームページを充実させ、多くの人が楽しんで見られる内容にしたいと
 思います。

以上のことを胸にがんばっていきたいですね。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

1/2、TVで「十代棋士・9路盤トーナメント」が放映されました。
優勝は井山裕太二段でした。個人的には地元出身の三谷哲也二段を応援し
ていたのですが、初戦で敗退してしまいました。

出場者の自己紹介で「国際戦で韓国・中国に負けないようがんばりたい」という
棋士が多いようでした。
ここ数年、日本は国際戦で不調ですが若手棋士は世界を照準にしているようで
心強く思いました。
  


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