●○● 天声人碁 ●○●


2003年6月

◎2003/06/28 「本因坊戦第5局 張八段、奪取にあと1勝」

 6/25から岐阜県下呂町で行われた本因坊決定戦七番勝負の第5局は
挑戦者の張栩八段が加藤剱正本因坊に白番5目半勝ちを収め、対戦成
績を3勝2敗とリードして初の本因坊獲得へあと1勝に迫った。第6局
は7月10、11日、大分県日田市で行われる。

 加藤の猛攻にもあわてず、終始冷静に対処した張の好局だった。初めて
挑戦した2年前の七番勝負では白番で3戦3敗、今期も2連敗していた張が
初めて白番で勝利をかちとった。

 加藤はカド番に追い込まれたが、これまで何度も修羅場をくぐり抜けてきた
経験があり、追い込まれても力を発揮するはず。逆転も十分可能性がある。

                   ----「毎日新聞」より抜粋----


       ◇  ◇  ◇  ◇

テレビで解説を見ていましたが、加藤本因坊は攻めを急ぎ過ぎたのでしょうか。
「殺し屋加藤」の猛攻も、張の巧みなシノギに息切れたという感じでした。
加藤本因坊、苦しくなりましたが持ち前の重厚な攻めで巻き返してほしいと思い
ます。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は岐阜県西部(長野県側)の下呂温泉。下呂温泉には行ったこと
はありませんが、東海地方では結構有名な温泉地です。でも地名が「ゲロ」という
のはあまり語呂がよくないですね。

若い頃、同郷の友人と北アルプスに何度か行きました。飛騨側に下山した場合、
高山からで名古屋方面に向かう途中、「下呂」を通りますがあまり記憶に残って
いません。

下呂から少し名古屋よりに「中山七里」という渓谷沿いを列車が走りますが、この
景観は醍醐味があります。

新幹線で旅の時間は短縮されましたが、車窓の景色という点では在来線(ローカ
ル線)が勝ります。
海沿い、山沿いを四季の香りをのせて走る列車の旅、ノンビリと行ってみたいもの
です。

そういえばお座敷列車というのがありましたが、「お座敷列車で囲碁の旅」なんて
いうのも一興ですね。



◎2003/06/25 「県代表戦の思い出」

先日、アマ本因坊戦の県大会がありました。現在、一般の囲碁県代表戦と
しては3つの大会があります。

出場者の多い順に次のようになります。
・「アマ十傑戦/朝日新聞主催」
・「アマ本因坊戦/毎日新聞主催」
・「世界アマ選手権戦/日本棋院主催」

私も30代の頃、一度出場したことがあります。初戦の相手はベストテンに
入る強豪で、格の違いを思い知りました。
この次はもう少し勉強してから挑戦しようと思っていましたが、それ以来
(20年近く)参加していません。

今思うことは、負けた次の年からも引き続き参加すべきではなかったかと
いうことです。参加していれば自分のレベルもわかるし、向上心も違った
ように思います。
格が違うからとあきらめないで、継続的な向上心をもってのぞめばそれなり
に棋力はついてくるでしょう。

何事も「臆せず、継続的に挑戦」する気持ちが大切ですね。


◎2003/06/21 「本因坊戦第4局 張八段、勝ちでタイに」

 6/16から滋賀県大津市で行われた本因坊決定戦七番勝負の第4局は
挑戦者の張栩八段が加藤剱正本因坊に先番中押し勝ちし、対戦成績を
2勝2敗と、再びタイにした。第5局は今月25、26の両日、岐阜県下呂町
で行われる。

 これまでの3局はいずれも先番が制しており、白番・加藤の戦いが注目
された。右下の黒模様の荒らしや、上辺での戦いで強手が出たが、冷静
に対応した張がわずかな優位を守り、加藤を振り切った。

              ----「毎日新聞」より抜粋----


       ◇  ◇  ◇  ◇

加藤本因坊にもチャンスがあったようですが、残念ですね。
勝てば断然優位となる第5局、個人的には「中年の星」加藤本因坊の熱闘
を期待します。


今回の対局地は滋賀県大津市。県庁所在地ですが知名度はイマイチですね。
昔、友人の結婚式で「彦根市」に行ったことがあります。
「彦根城」にも行きましたが、歴史の重みを感じさせるよい城でした。

琵琶湖西側、比良山系の「琵琶湖バレー」というところへキャンプに行った
こともあります。百名規模のキャンプで実行委員として企画・運営をやって
いました。雨のキャンプで苦労しましたが、青春のよい思い出です。

滋賀県といえば「琵琶湖」ですね。

       ◇  ◇  ◇  ◇

♪「琵琶湖周航の唄」

1 われは湖の子 さすらいの
  旅にしあれば しみじみと
  のぼる狭霧や さざなみの
  志賀の都よ いざさらば

2 松は緑に 砂白き
  雄松が里の 乙女子は
  赤い椿の 森蔭に
  はかない恋に 泣くとかや

3 浪のまにまに 漂えば
  赤い泊火 なつかしみ
  行方定めぬ 浪枕
  今日は今津か 長浜か

4 瑠璃の花園 珊瑚の宮
  古い伝えの 竹生島
  仏の御手に いだかれて
  ねむれ乙女子 やすらけく

5 矢の根は 深く埋もれて
  夏草しげき 堀のあと
  古城にひとり 佇めば
  比良も伊吹も 夢のごと

6 西国十番 長命寺
  汚れ(けがれ)の現世(うつしよ)遠く去りて
  黄金の波に いざ漕がん
  語れ我が友 熱き心


◎2003/06/17 「少年少女囲碁大会」

「少年少女囲碁大会」の実行委員としてお手伝いしてきました。
今回の出場者は137名と大盛況でした。また、出場者のレベルも年々高く
なっています。「ヒカルの碁」の影響が大きいですね。

●過去の出場者数
2000年:26名
2001年:40名
2002年:68名
2003年:137名

私は「級位認定状」の作成と配布をしていたのですが、結構これが人気が
あるんですね。「日本棋院」発行というのも価値があるようです。

一般の囲碁ファンの間では「日本棋院」や「関西棋院」はあまり期待されて
いないようですが、少年達にとっては存在感があるようです。
(これも「ヒカ碁」の影響・・・)

最近、囲碁の免状の意義が薄れつつありますが、目標を定めて精進する
気持ちは大切にしたいものです。


◎2003/06/12 「アマ十傑戦県大会」

5月中旬、アマ十傑戦県大会を見てきました。70名近くの人が参加して
いましたが、上位に入賞する人は毎年同じような顔ぶれです。

「県代表クラス」になる人は若い時から、膨大な時間を囲碁の棋力向上
に費やした人でしょうね。
勉学・仕事・家庭、等々かなりの犠牲があったと推察されますが、このよう
な舞台に立てるの幸せだと思います。

でも、囲碁の楽しみ方はいろいろあります。私にとっての「囲碁」は大事な
コミュニケーション・ツール
だと思っています。


◎2003/06/09 「本因坊戦第3局 加藤勝ち、2勝1敗」

 6/2から北海道千歳市で行われた本因坊決定戦七番勝負の第3局は
加藤剱正(けんせい)本因坊が挑戦者の張栩(ちょうう)八段に先番中
押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗とした。第4局は16、17日、大津市で
行われる。

 1勝1敗の五分の星で迎えた第3局は力戦調の出だしから最後はヨセ
勝負に持ち込まれたが、加藤が押し切り、貴重な2勝目を挙げた。

               ----「毎日新聞」より抜粋----


       ◇  ◇  ◇  ◇

序盤の戦いで加藤本因坊が優勢になったようです。張栩八段のヨミは
定評がありますが本因坊は、ヨミ較べでも負けていないですね。

一般的には年齢を重ねるにしたがいヨミは下降線をたどるようです。ベテ
ラン棋士はそのマイナス要素を「大局観・形成判断」など、経験がモノを
いう部分でカバーし、戦っていると思っていました。

でも加藤本因坊(56)はヨミでも力強さを発揮しました。若い時からの鍛え
方が違うんでしょうね。

       ◇  ◇  ◇  ◇

毎日新聞HPで実況中継を掲載していますが、昼食のメニューは、両者とも
「そば」か「うどん」が定番のようです。

面白いのは張八段で第2局1日目「てんぷらうどんセット」のてんぷらとおに
ぎり抜き、第3局2日目「海老天ざるそば」のてんぷら抜き、つまり「素うどん」
と「ざるそば」ですね。

       ◇  ◇  ◇  ◇

第三局の対局地は北海道千歳市、空港で有名です。


◎2003/06/02 「本因坊戦第2局 張、中押し勝ちでタイに」

5/26から北九州市小倉北区で行われた第58期本因坊決定戦七番勝負
の第2局は挑戦者の張栩八段が加藤剱正(けんせい)本因坊に先番中押
し勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイにした。第3局は6月2、3日、北海道
千歳市で行われる

張が終始局面をリードし、快勝といえる内容でタイに追いついた。午後3時
台の早い終局だった。                (「毎日新聞」より抜粋)


       ◇  ◇  ◇  ◇

勝敗のポイントは張八段の厳しい攻めに、加藤本因坊が真っ向勝負に
受け、形勢を損ねたようです。

ベテラン本因坊ですから、まともに受けないで相手の直球勝負を適当に
いなして、長期戦に持ち込む作戦も考えられたのでしょうが・・・
そこは「殺し屋、加藤」、逃げでは面目が立たないというところでしょうか。

私なども相手が少し生意気な手を打ってきた時などムキになって打ち、
自滅することがしばしばです。(プロの碁とは次元が違いますが(笑)・・・)

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地北九州市は1963(昭和38)年、五市(門司・小倉・若松・
八幡・戸畑)が合併して誕生したのですね。

北九州市で思い浮かぶのは「小学校で習った日本の四大工業地帯(京浜・
中京・阪神・北九州)」、「八幡製鉄所」、「若戸大橋」、「無法松の一生」、
「松本清張」くらいでしょうか。

もう20年くらい前、友人の結婚式で八幡のとなりの「黒崎」という駅で降りた
ことがあります。結構、にぎやかな町だったと記憶しています。


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