●○● 天声人碁 ●○●


2004年4月

◎2004/04/25 「十段戦第四局、王十段が4連覇」

 「第42期十段位決定五番勝負」第四局は、王2勝1敗の後を受けて4/15愛媛県松山市
で行われ、黒番の王が中押し勝ちし、通算成績を3勝1敗として十段戦四連覇を果たした。

 現在の囲碁界は若手の台頭が著しい。中堅・ベテラン世代を代表する王と、本因坊・
王座獲得で勢いに乗る張の対決となった今期五番勝負は、その世代間の戦いとして注
目を集めていた。盤上の熱い戦いは、経験に勝る王がシリーズを通して意欲的に推し
進め、第四局で五番勝負に決着をつけた。これで王は来期防衛なら、名誉十段(連続
五期獲得または通算十期獲得)の資格を得る。

“若手キラー”貫禄の王

 王立誠が貫禄の打ち回しで昨年の高尾紳路八段(27)に続いて張栩の挑戦を退け、
一躍“若手キラー”に躍り出た。

 今の囲碁界は、羽根直樹棋聖・天元(27)をはじめ、棋聖は失ったものの復調気味の
山下敬吾九段(25)ら若手の活躍が著しく、昨年は小林光一九段(51)が碁聖を失い、
王はタイトルホルダーのなかでは一番年上。

 一方、張は「力不足でした。大変勉強になりました」と言葉少な。来月から、本因坊の
初防衛を目指す。

                           (産経囲碁Webより抜粋)

         ◇  ◇  ◇  ◇

王立誠十段が張栩本因坊・王座を破り、十段防衛。生きのいい若手を相手によくがんば
りましたね。

もう20年ほど前でしょうか、王立誠、小林覚、片岡聡、山城宏を若手四天王と呼んで
いる時期がありました。
それぞれタイトルは取っていますが、4人の中では王十段が一番活躍しているようです。

今回、第5局は群馬県伊香保で予定されていたのですが、第4局で決着してしまいま
した。第5局を予定していた主催地としては残念でしたね。

         ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は愛媛県松山市の道後温泉。昨年の第4局も同じ場所でした。

松山出身の秋山好古・真之兄弟や正岡子規を主人公にした司馬遼太郎の「坂の上の雲」
という小説があります。
明治を生きた青春群像を描いた小説のようですが、今度の連休にでも読んでみようかと
思っています。


◎2004/04/13 「十段戦第三局、王、4連覇へ王手」

 「第42期十段位決定五番勝負」第三局は、1勝1敗の後を受けて4/8長野県大町市で
行われ、白番の王が中押し勝ちし、対戦成績を2勝1敗として4連覇に王手をかけた。
第四局は15日、愛媛県松山市の道後温泉で行われる。

 今年市制50周年を迎えた大町市。囲碁による町興しを掲げ、春の風物詩となった十段戦
開催は11年目を数えた。

 アルペンルートの部分開通を2日後に控えたこの日早朝、高原に位置するホテル周辺で
はちらほらと白いものが舞った。

 午後、何度かの勝負どころを迎え、いつの間にか「白が順調」と控室。大盤解説会場の片
岡聡九段も白122のケイマに「すごい手だね。突然、立誠さん、鬼になっちゃった」。

 両者秒読みとなった午後6時前、白140は「白勝ちましたという手」(控室)から、白148の
「えらいポカ」(同)で黒が一時逆転模様に盛り返したものの、最後は王が逃げ切った。

                           (産経囲碁Webより抜粋)


         ◇  ◇  ◇  ◇

王立誠十段が張栩本因坊・王座を相手にがんばっていますね。

王十段の棋風は序盤地模様で進みますが、中盤からわけの分からない戦いに突入するケー
スが多いようです。この中盤からの接近戦を変幻自在で戦い抜くパワーが王十段の持ち味の
ように思います。

そして、このパワーは幼少のときから切磋琢磨して、築き上げた芸といえるでしょう。

         ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は長野県大町市。東京からだと中央本線、大糸線でいくルートと長野新幹線で
長野市から車でいくルートが考えられます。

時間的には長野新幹線ルートの速いと思いますが、旅の趣きでは中央線・大糸線の方が優る
でしょう。

1970年頃、大町市から北アルプスの裏銀座コースなどの登山に出かけたことがあります。
その頃高瀬川流域にはダムもなく、ひなびた葛温泉やさらに上流の登山者向けの湯俣温泉
などがありましたが、今はどうなっているでしょうか。

今の体力では3千メートル級の登山は苦しいですが、温泉など訪れて時代の推移を実感して
みたいものです。


◎2004/04/09 「小・中学生 囲碁団体戦 県大会」

 「文部科学大臣杯第1回小・中学生囲碁団体戦」(日本棋院、産経新聞社、NHK共催)の
群馬県大会が4月4日、前橋市文京町の県生涯学習センターで開かれ、選抜戦に出場した
16人の中から熱戦の末、5人の全国大会代表メンバーが決まった。

 103人が参加した段級位認定大会でも、日頃の努力の成果を競い合った。8月2、3の両日
の全国大会は5人の総合力で全国の強豪にぶつかる。

               ----- 「2004/4/5 産経新聞」より抜粋 -----


         ◇  ◇  ◇  ◇

毎年6月に行われている「少年少女囲碁大会」に加え、今回から始まった「小・中学生囲碁
団体戦」、100人を超える盛況でした。

私も実行委員として「級位認定状」の作成と配布をお手伝いしてきました。私の担当はそれ
ほどではなかったのですが、各リーグの進行役などは準備、進行で大忙しのようでした。

ただ、受付から開始まで1時間近くかかり大会運営方法も問題点がありました。今後改善の
必要があると感じています。

代表メンバーに決まった選手の親から「消極的な子だったのに、今ではクラス委員になる
など積極的になった」とのコメントがありました。

囲碁がささやかながら子供たちにとってプラスになれば、実行委員としても苦労のしがいが
あるというものですね。


◎2004/04/04 「小林光一九段、NHK杯、NEC杯優勝」

 囲碁の第51回NHK杯決勝戦は21日放送され、小林光一九段が25世本因坊趙治勲に
黒番3目半勝ちし、18年ぶり2回目の優勝。2人の対戦成績はこれで63勝63敗。
(2004/03/23 asahi.comより抜粋)

 公開早碁の第23期NEC杯トーナメント決勝戦は東京のホールで打たれ、小林光一九段
が三村智保九段に黒番2目半勝ちした。

(2004/03/16 asahi.comより抜粋)


         ◇  ◇  ◇  ◇

小林光一九段が早碁で好調です。NHK杯、NEC杯、竜星戦の三冠となります。
TV棋戦(NHK杯、竜星戦)と公開早碁(NEC杯)ということで、場慣れしてないと実力は出な
いでしょうね。その意味ではベテランの方が有利かもしれません。

実力はあるんだけど勝てない、どんな分野でもこのようなことがあります。環境・メンタル・運等
あるのでしょうが、結局「強い」ということはこれらのことすべてを含め、抜きん出ているというこ
とでしょうね。

         ◇  ◇  ◇  ◇

小林光一九段と25世本因坊趙治勲、2人の対戦成績はこれで63勝63敗。
昭和の末期から平成にかけての囲碁界を席巻した両者、まさに「好敵手」ですね。


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