●○● 天声人碁 ●○●
2005年2月
◎2005/02/23 「棋聖戦第4局/結城九段が中押し勝ちで2勝2敗」
第29期棋聖戦七番勝負、羽根直樹棋聖と挑戦者・結城聡九段の第4局は2月16、17日の
両日、長崎県諫早市で行われ、白番の結城が中押し勝ちし、通算成績を2勝2敗とした。
第5局は2月24、25日、三重県志摩市で行われる。
上辺の戦いで黒が主導権を握った後、下辺で乱戦となった。中盤より黒の死活が焦点となり
羽根は大きく生きようとし、強手を繰り出して粘ったが、結城は正確に応じて仕留めた。
解説の片岡聡九段は「結城九段はよく辛抱し、読みの入った勝負手が光った。羽根棋聖は
下辺の折衝で誤算があったようだ」と話している。
<結城九段の話>
序盤から苦しく、下辺の折衝で勝負になったと思ったが、死活は読めていなかった。
<羽根棋聖の話>
白60と切られるのが見えてなかった。黒83では一間に飛ばなければいけなかった。
(読売新聞より抜粋)
◇ ◇ ◇ ◇
1、2局に続きこの第4局も攻めとシノギの力戦でした。最後は結城九段が羽根棋聖の黒石に
トドメを刺し、124手と短手数で勝ちました。
これで2勝2敗のタイ。残り3局でどちらが2勝するか、興味津々というところでしょうか。
ここまでの4局、いずれも白番が勝っています。
私などアマ中級者ですと、圧倒的に黒番の勝率がいいのですがどうしてでしょうか?
一番の要因は「焦り」だと思います。もっと余裕をもって打てばいいんですよね・・・
◇ ◇ ◇ ◇
今回の対局地は長崎県諫早市。長崎県は地形が複雑ですが鉄道で行くと長崎市の手前にな
るのでしょうか。
諫早市はこの3月1日から1市5町の合併で9.6万人の人口が14.6万人に増えるそうです。
合併の問題として伝統的な地名が無くなるのことは寂しいですね。
諫早湾の干拓事業で賛成・反対と大きな論争となっていましたが、どうなっているのでしょう。
防災か環境かむつかしい選択ですが、利害関係が絡むとややこしくなるんですね。
◎2005/02/21 「2005群馬県女流アマ囲碁大会」
先日、県女流アマ囲碁大会が行われました。全国大会の予選を兼ねての大会ですが今年は参加
者が24名とイマイチでした。
優勝は小学3年生の少女でかつてない快挙といえます。今まで少年少女囲碁大会などにも出場し
て、注目されていましたがこの大会で優勝とは凄いですね。
全国大会では歴戦の強豪が出てきますので、苦戦すると思われますが一つでも多く勝ってもらい
たいと思います。
◇ ◇ ◇ ◇
少年少女囲碁大会でもそうですが、小学生のほとんどは親が同伴できています。
今大会の優勝者も両親が付き添いできていましたが、大会だけでなく囲碁教室の送迎など親の協力
なくしては一流になれませんね。
また、最近の傾向として同伴の親はほとんど囲碁を知らないのが実状のようです。
祖父らしき人が付き添うケースも見かけますが、こちらは囲碁をやっている人が多いようです。
つまり、30〜40代の囲碁人口が少ないということでしょうか。
◎2005/02/15 「NECカップ準決勝/張三冠が決勝進出」
第二十四期NECカップ囲碁トーナメント戦の準決勝第一局が一月二十九日、熊本市であり、白番の
張栩名人・本因坊・王座(25)が小林光一同カップとNHK杯の選手権者に四目半勝ちし、決勝進出を
果たした。
張三冠の妻泉美さん(女流名人)は小林同カップ・NHK杯選手権者の長女。”親子対決”となった熊本
大会には約八百七十人の囲碁ファンが詰め掛け、小林覚九段と梅沢由香里五段の解説を聞きながら熱
戦の行方を見守った。
決勝戦は三月五日に東京で開かれる。張三冠は、準決勝第二局の趙善津九段と柳時熏九段の勝者
と対戦する。
序盤で張が優位にたったものの、非勢を感じた小林が気迫の勝負手を放ち、形勢が大きく揺れ動く
激戦に、ファンは息を飲む展開となった。最後は小林の誤算に助けられ、張が冷静に逃げ切った。
(週刊碁より抜粋)
◇ ◇ ◇ ◇
今や、飛ぶ鳥を落とす張栩・三冠に対する岳父・小林光一九段との対決。親子となって初対局で、これま
での対戦成績は張三冠の5勝2敗。今回の結果は張三冠が接戦を制し、岳父をくだしたようです。
張三冠の妻、泉美女流名人はどちらの応援でしょうか。やっぱり夫の張さんかな。
◇ ◇ ◇ ◇
私の岳父は八十半ばになりますが、地区の囲碁クラブで元気に世話人をしています。対局したのはもう
20年も前でしょうか、負けた記憶があります。
なんとなくやりづらいんですよね。乱戦にもっていくのは品がないと思われるし、ついカッコつけペースが
狂い、敗勢となってしまいました。
やはりアマ中級者の碁はキッタハッタの乱戦に醍醐味があるようです。
◎2005/02/08 「棋聖戦第3局/羽根が制し2勝1敗に」
第29期棋聖戦七番勝負、羽根直樹棋聖と挑戦者・結城聡九段の第3局は2月2、3日の両日、
北海道函館市湯の川温泉で行われ、白番の羽根棋聖が1目半勝ちし、対戦成績を2勝1敗とした。
第4局は2月16、17日、長崎県諫早市で行われる。
上辺で難解な攻め合いとなったが、結城は好手でコウ争いに持ち込み、主導権を握った。羽根
がコウを解消する間に、結城は下辺を連打して捨て石をつくり、白を攻撃。黒が右辺に広大な地を
まとめ、優勢になった。
しかし、終盤に結城の疑問手が出て、羽根が右辺を荒らして逆転。秒読みの中、羽根棋聖の堅実
な寄せで逃げ切った。
解説の小松英樹九段は「両者の読みの深さが印象的な好局。羽根棋聖は辛抱強くチャンスを待ち、
勝利を引き寄せた」と話している。
<羽根棋聖の話>
途中でつぶれかけたが、黒のコウ材に不確実な手があり、仕切り直しになったと思った。
<結城九段の話>
中盤で勝ちかなと思ったが、計算が緩み、左辺で余計な心配をしてしまった。
(読売新聞より抜粋)
◇ ◇ ◇ ◇
1、2局と短手数でしたが3局目は238手の終局で羽根棋聖の1目半勝ち、キメ手を与えない粘りが
勝因でしょうか。
7番勝負もこれから中盤戦、ここまでの3局はいずれも白番が勝っていますが第4局はどうでしょう。
結城九段、中盤までは優勢とのことでしたが、安全策が裏目に出てしまったようです。
私達アマ中級者の場合、逆の場合がよくあります。優勢なのにさらに強攻し自滅するケース、安全策で
いけば勝っていたのに・・・
◇ ◇ ◇ ◇
今回の対局地は北海道函館市の湯の川温泉。
1年ほど前の3月中旬、旅行で函館を訪れました。自然、歴史、海産物などに恵まれた特長ある豊かな
町でした。
函館関連の人物で一番興味のあるのは「土方歳三」ですね。新選組が崩壊したあと会津から函館に渡り、
旧幕府軍最後の戦いで散っていきました。
動乱の幕末期に戦闘集団を組織し、幾たびもの敗戦の中で滅ぶものの意地を貫いた男の美学のような
ものを感じます。
◎2005/02/04 「加藤正夫九段追悼番組」
1/30(日)のNHK杯は「張栩(名人・本因坊)対
加藤正夫九段」戦の予定でしたが、加藤九段ご逝去の
ため張栩名人・本因坊の不戦勝となり、放送は「攻めの加藤・ヨセの加藤〜加藤正夫名誉王座の棋歴〜」
という追悼番組となりました。
出席者は木谷一門の大竹英雄(名誉碁聖)、石田芳夫九段、趙治勲(二十五世本因坊)、小林光一(NH
K杯)、武宮正樹九段 の5名でした。
番組の構成はこの五人と加藤九段との対局の解説および思い出話でした。
◆対戦成績
加藤正夫 40勝−49敗 大竹英雄
加藤正夫 31勝−14敗 石田芳夫
加藤正夫 42勝−71敗 趙治勲
加藤正夫 61勝−54敗 小林光一
加藤正夫 44勝−31敗 武宮正樹
対局の解説では趙さんの解説が大変おもしろかったですね。やや脱線気味のところもありますが、加藤九段
の特長を引き立てながらもホロリとさせる場面もあり秀逸でした。
また、木谷道場という棋士育成の集団生活がはぐくむ仲間意識や絆の強さを羨ましく思います。
昨今は個人が重要視される風潮にありますが、木谷一門を見ていると団体生活の喜怒哀楽が人を育てるように
も思われます。
そして、殺し屋といわれた気迫の棋風の背景にある愚直さ、誰からも慕われた人間性には誰もが憧れと共感を
感じたと思います。
5人の思い出話ではそれぞれの個性が出て心温まるものがあり、加藤九段への愛惜の念には思わず目頭が
熱くなりました。
番組の最後は木谷道場があった湘南(平塚)の青い空、紺碧の海と白い波を背景に長年の棋歴が流れて終わり
ました。
◎2005/02/01 「棋聖戦第2局/結城、一勝一敗のタイに!」
羽根直樹棋聖が乱戦を制して開幕した第29期棋聖戦挑戦手合七番勝負(読売新聞主催)は、続く第2
局が1月26、27日の両日に鳥取県湯梨浜町はわい温泉「望湖楼」で行われた。
挑戦者結城聡九段が実利で先行、手厚く打ち進める羽根が、厚みを背景に戦いを仕掛ける展開となっ
た。戦いは結城も歓迎するところ、中盤では優勢を築いたと思われたが、もたついているうちに流れが変
わってしまう。
ところが、羽根直樹はチャンスに決めに行って失敗、一気に敗勢に追い込まれた。これで一勝一敗のタイ、
七番勝負は長丁場になりそうな気配である。
第3局は2月2、3日に北海道函館市「ホテル平成館」で行われる。
<結城九段の話>
1勝できてほっとした。最後は運がよかった。次も普段通り伸び伸びと打ちたい。
<羽根棋聖の話>
序盤が甘く、白の大石を取る気で攻めたが、自分の石への危機感が足りなかった。
(週刊碁、読売より抜粋)
◇ ◇ ◇ ◇
第1局は132手、今回の第2局は128手と短手数(中押し)でいずれも白番が勝ちました。
難解なねじり合いのガチンコ勝負で見ている方は面白いようです。
こういった碁は棋理とか経験より、「読み」の対決のように思います。
アマの中級クラスから抜け出せない私などが、もっとも苦手とする「読み」。
「読み」の訓練には詰碁が必須といわれますが、長続きしないですね。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の対局地は鳥取県湯梨浜町はわい温泉。湯梨浜町は昨年10月に市町村合併で新しく誕生した
町だそうです。
「はわい温泉」、山陰では結構有名のようですが関東ではあまり馴染みが無いようです。日本も交通・
情報などの発展で狭くなったといわれますが、まだまだ知らない良いところがあるようです。
「二十世紀梨」で有名だそうですが一昔前、梨といえば「二十世紀」が全盛でした。
梨は「二十世紀」など青梨と「幸水・豊水」などの赤梨があるそうですが、現在は赤梨の方が生産量は
多いようです。
◇ ◇ ◇ ◇
◆まちの概要 (湯梨浜町HPより)◆
鳥取県中部、東郷湖の周囲に位置する羽合町・泊村・東郷町の3町村は平成16年10月1日に合併。
新しいまち、湯梨浜町が誕生しました。
■町名の由来
湯梨浜という名前は、「東郷湖から湧き出る温泉、大地がはぐくむ二十世紀梨、そして日本海に広がる
白い砂浜」という新しい町の特色をイメージして名づけたものです。
■湯梨浜町の位置
面積77.94km2の湯梨浜町は、鳥取県のほぼ中央に位置し、北は日本海に面し、西は北条町と倉吉市、
南は三朝町、東は青谷町に接しています。