●○● 天声人碁 ●○●



2006年10月

2006-10-31 女流本因坊戦3局/矢代女流本因坊が2勝1敗

 矢代久美子女流本因坊に祷(いのり)陽子五段が挑戦している第25期女流本因坊戦
5番勝負第3局は、10月25日に日本棋院で打たれた。
1勝1敗で迎えた天王山の一戦、この碁にかける両者の気迫がぶつかり合い、ぎしぎし
と石が音をたてるようなねじり合いが続く大熱戦となったが、中央の攻防でカナメ石を
制した矢代がそのままリードを保ち、タイトル防衛にむけて大きく前進した。
第4局は11月1日に、日本棋院で打たれる。

          (週間碁より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

力戦派の矢代女流本因坊が乱戦を制し、タイトル防衛まであと1勝に迫りました。
一方、カド番に追い込まれた祷五段、師匠/小林光一九段ゆずりの粘りで、逆襲に
転じてほしいものです。

矢代さんはどちらかといえば感覚派、一方の祷さんは堅実派でしょうか。
タイプが違う場合、いかに自分の得意パターンに持ち込むかがポイントになると思
います。

       ◇  ◇  ◇  ◇

祷五段は10月から始まったNHK囲碁講座「山田規三生の超攻撃法」で司会を担当
しています。いつもニコニコしており、山田九段とフレシュなコンビで講座を進めてい
ます。
今回の講座は積極的に攻めるのが基本路線のようで、アマにとっては楽しみな内容
です。

前回の講座は「石田芳夫のやさしく考える碁」、どちらかといえばバランス重視のテー
マでした。

「冷静なバランス感覚」と「積極的な攻撃感覚」、うまくかみ合えば成績も上がるので
すがザル碁党にとっては難問です。



2006-10-29 詰碁選手権/風鈴会

昨日(10/28)は定例の「風鈴会」の日、今回は「詰碁選手権」。
8問の詰碁問題を解答し、その点数により賞品が贈られるイベント
でした。
私は80点満点の60点で6位入賞、賞品の扇子を頂きました。

   ◇   ◇

囲碁上達方法というと必ず「詰碁」という答えが返ってきます。
詰碁はスポーツの基礎体力といわれますが、面白いと思ったことはほとんどあり
ません。
上達はしたいけど詰碁はやる気がしない。矛盾の思いで今日もネット碁の実戦に
一喜一憂です。



2006-10-27 野球日本シリーズ/日本ハム、日本一


プロ野球の日本シリーズは昨日(10/26)、サッポロドームで
第5戦があり、北海道日本ハムが中日ドラゴンズを下し、通算
4勝1敗で日本一に輝きました。

札幌の熱烈なファンに後押しされての勝利だったと思います。日ハムにとって第3戦から
の3連戦がホームの札幌だったことが幸運だったようです。野球やサッカーにとってホーム
とアウェイでは天地ほどの差があるんですね。
一方の中日ドラゴンズ、応援していましたが残念でした。イマイチ歯車がかみ合わない展
開のようでしたでした。

    ◇   ◇   ◇

それにしても新庄選手の存在感はすごいですね。いままでの野球スターは成績の裏づけ
がないと認められなかったのですが、新庄選手が新しいヒーローの境地を開いたようです。

囲碁の世界ではどうでしょうか?、梅沢由香里さんなど女流プロを除けば、「強さ=人気」
の構図は変わらないようです。
囲碁界にも新庄のような新しいヒーローが出てほしいものです。



2006-10-25 名人戦第5局/張名人が勝ち2勝3敗に

 囲碁名人戦七番勝負の第5局は10月18日から静岡県伊東市で打たれ、白番の張栩
名人が挑戦者の高尾紳路本因坊(29)に中押し勝ちし、通算2勝3敗とした。
第6局は11月2、3の両日、名古屋市で。

 防衛には一局も負けられない重圧の中、名人が鋭い踏み込みと巧手で勝利をつかんだ。
 解説の趙善津九段は「非常に難解な戦い。2日目、白112からの名人の打ち回しが見
事でした」と話した。

<張名人の話>
 2日目、上辺で逆に黒を攻めるような展開になって、少し得をしたと思います。

<高尾挑戦者の話>
 上辺の攻め方が問題だったかもしれない。途中から薄くなってしまった。

            (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

張名人が緻密な読みでカド番をしのぎ2勝3敗。シリーズも終盤戦となり、いよいよ目が
離せなくなってきました。第6局はどんな展開になりますか、楽しみです。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は静岡県伊東市の「わかつき別邸」。ここでは3年連続で囲碁名人戦の
七番勝負が打たれています。

以下、朝日囲碁Webより抜粋
 対局会場のわかつき別邸は、静岡県伊東市の閑静な住宅街にある温泉旅館。
元は大正・昭和初期に2度首相をつとめた若槻礼次郎(1866〜1949)の別邸で、今も
離れとして残る「若槻の間」では、晩年の若槻が太平洋戦争の終戦工作の想を練ったと
伝えられている。二つの源泉と緑豊かな日本庭園のある、落ち着いた空間だ。

       ◇  ◇  ◇  ◇

伊豆半島は温暖で風光明媚、温泉も豊富でいろいろな楽しみ方ができる観光地だと思い
ます。
もう10年ほど前になりますが、家族で伊豆に旅行で訪れたことがあります。
「特急:スーパービュー踊り子号」から眺める伊豆西海岸の眺望や、開放的な伊豆高原な
どの景色が思い出されます。



2006-10-23 女流本因坊戦2局/矢代女流本因坊が勝ち1勝1敗

 矢代久美子女流本因坊に祷陽子五段が挑戦している第25期女流本因坊戦5番勝負の
第2局は10月12日、福島県北塩原村の「裏磐梯猫魔ホテル」で行われ、矢代女流本因
坊白番1目半勝ちし、対戦成績を1勝1敗とした。
第3局は25日、東京都千代田区の日本棋院会館で打たれる。

          (日経 e-碁サロンより抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

矢代女流本因坊が中盤から優勢を築き、終盤で祷五段に詰め寄られたものの勝利をもぎ
取った一戦のようでした。
これで1勝1敗のタイ、第3局以降が楽しみなシリーズとなってきました。

野球の日本シリーズ「中日対日ハム」も1勝1敗。こちらは私の出身地である中日ドラゴン
ズに、52年ぶりの日本シリーズ優勝を果たしてもらいたいと思っています。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は福島県北塩原村の裏磐梯猫魔ホテル。「猫魔」とは怪しげな地名です
が、近くに猫魔ケ岳という山があるようです。

20代の頃、裏磐梯の乙女沼というところにキャンプにいったことがあります。近くに五色沼
など名所があったのですが、実行委員という裏方で忙しく、あまり覚えておりません。あの
キャンプ場も今はもうないでしょうね。

いま紅葉のシーズンできれいだと思いますが、ゆっくりと温泉でもつかりながら散策してみ
たいものです。



2006-10-21 新人王戦/松本六段優勝


 第31期新人王戦決勝三番勝負の最終局は10月4日、日本棋院本院で打たれ、白番
の松本武久六段が黄翊祖七段に5目半勝ちし、2勝1敗で初の新人王に輝いた。
黄翊祖七段は第1局を勝って先行したが、昨年の低迷を脱した松本の上昇気流を阻止で
きなかった。
これで昨年の金秀俊に続き、趙治勲門下の連続優勝となった。

     (週刊碁より抜粋)

   ◇   ◇   ◇

この3年の優勝者は溝上、金、松本とそれ以前の高尾、山下、張に較べるとやや見劣りが
します。
これから四天王に肩を並べ、タイトルを狙っていくことでしょうが前途は多難のようです。



2006-10-18 名人戦第4局/高尾本因坊勝ち3勝1敗

 囲碁名人戦七番勝負の第4局は10月11日から静岡県熱海市で打たれ、挑戦者の
高尾紳路本因坊が張栩名人に白番半目勝ちした。高尾挑戦者は対戦成績を3勝1敗
し、名人位獲得へあと1勝に迫った。第5局は18、19の両日、同県伊東市で。
 各所でコウのできる難解なヨセ勝負は、双方に疑問手があり、形勢は二転三転。
終局直後、名人は「えっ、負けなのか。最後、損したのか」と嘆き、挑戦者も「えっ、
僕が負けだったんじゃないの。本当に勝っているんですか」と語った。

      (朝日新聞より抜粋)

   ◇   ◇   ◇

半目勝負の女神は高尾本因坊に傾き、名人奪取まであと1勝に迫りました。
一方崖っぷちに立たされた張名人、先月から早碁棋戦2冠を奪取し、現在5冠。日本囲
碁界最強の意地をみせてほしいものです。
364手の多手数でアゲハマを交換する場面もあったようですが、プロの対局では珍しい
そうです。
第5局は今日(10/18)から始まっているんですね。囲碁ファンとしては第7局までいって
ほしいものです。

   ◇   ◇   ◇

今回の対局地は静岡県熱海。高度成長期では企業の慰安旅行や忘年会などの団体
客でにぎわっていましたが、現在はどうでしょう。
特長を生かしたリゾート地をめざしているようですが、時流とともに転換するのは容易な
ことではないでしょう。



2006-10-16 日本棋院群馬県支部対抗戦2006

昨日(10/15)は日本棋院の群馬県支部対抗戦が行われ、運営スタッフとしてお手伝い
をしてきました。
前年は総互戦で8チーム24名(1チーム3名)の参加者でしたが、今年はハンディ戦で
12チーム60(1チーム5名)名が参加しました。
優勝は伊勢崎支部で選手層の厚さがものをいったようです。囲碁は基本的には個人競
技ですが、こうした団体戦ならではの楽しみ方もあります。

    ◇   ◇   ◇

ハンディ戦で問題になるのはハンディのつけ方です。今回も低いハンディで申込みのあっ
た支部は主催者から訂正されました。
当日も「○○支部のハンディはおかしい」とのクレームがありましたが、当日の変更は却
下して行われました。
大会が始まってみますと、ハンディの問題などどこへいったのかという感じで、選手はチー
ムの戦績に一喜一憂していました。

    ◇   ◇   ◇

私が役員をしている「RT高崎囲碁部」は今年も不参加でした。他支部にくらべ実力的に
見劣りするのが主な理由ですが、ハンディ戦でもあり次回は部員に声をかけてみようと
思っています。



2006-10-14 玉村町10月度囲碁大会

今日(10/14)は町内の月例囲碁大会。今回の大会は「わわわのまつり」の一環として
行われ、場所も町の文化センターで、参加者は20名でした。

「わわわのまつり」では囲碁大会のほかにも、「映画・絵手紙教室・押し花教室など」が
行われていましたが、盛況とまではいっていないようでした。
もう少しPR方法を考えた方がいいのかもしれません。

また、この種の地域の催しでは女性が中心で、囲碁を除けば男性は少ないようです。
熟年以降の年代では女性の方が元気のようですね。

    ◇  ◇  ◇

「わわわのまつり」とは生涯学習の「話・輪・和」。
ボランティア実践者及びボランティア活動に興味ある人が一同に集い、体験したり、
交流を深めたりすることを通して、生涯学習ボランティア活動の「わ」を広げることを願っ
ています。



2006-10-12 女流本因坊戦第1局/挑戦者祷が先勝

 囲碁の矢代久美子女流本因坊に6期ぶりの返り咲きを目指す祷(いのり)陽子五段が
挑戦する、第25期女流本因坊戦5番勝負第1局は10月5日、花巻市の花巻温泉で行
われ、白番の祷五段が3目半勝ちした。
 立会人の片岡九段は「中盤の戦いで流れが決まった。祷五段は持ち味を発揮して初戦
を取り、次戦は気分よく臨める。矢代女流本因坊は負けたが、後に引くような内容ではな
い」としている。
 第2局は10月12日、福島県北塩原村の裏磐梯猫魔ホテルで行われる。

            (岩手日報HPより抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

祷五段が中盤以降、手堅い打ちまわしで先勝した一局のようです。
祷五段は小林光一九段門下で今春結婚。「ほんわか」とした雰囲気に親しみを感じます。
一方の矢代女流本因坊も今年結婚、御主人の金沢秀男七段は祷五段と同じ小林光一九
段門下。矢代さんは明朗でおおらかな印象です。
「新婚対決」というこで周囲の注目も熱いようですが、決戦の行方はいかに。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は花巻市の花巻温泉。岩手県で女流本因坊戦が行われるのは、6期連続
で通算8度目だそうです。
女流タイトル戦と花巻温泉、よく似合っていると思います。



2006-10-10 赤城山ハイキング

初秋の赤城山/黒檜山

昨日(10/9)は赤城山/鈴ガ岳にハイキングに行ってきました。
天気にも恵まれ景色は抜群、赤城連山(黒檜、地蔵、荒山など)や大沼、遠く富士山も
望むことができました。
往復3時間半くらいの行程で結構大変でしたが、爽快なハイキングでした。

このコースでは20人ほどのハイカーと出会いましたが、平均年齢は60歳を超えていたと
思われます。
私が20代の頃は山に行ってもほとんど若い人たちでしたが、最近の若い人たちはどこに
行っているのでしょう。

   ◇  ◇  ◇

10月9日は「体育の日」でした。私も年齢を重ねるに従い体力の衰えはヒシヒシと感じ
ますが、いつまでも自分の足で歩けるよう体力を維持したいと思っています。そのために
は日頃の節制や適度な運動が必要と思いますが、「継続」が難しいところです。



2006-10-09 大ナダレ定石/風鈴会

昨日(10/8)は定例の「風鈴会」の日、今回の講座は「大ナダレ
定石の歴史」。
「大ナダレ」は難解定石の代表格ですが、呉清源師が打ち始めた
「内マガリ定石」から約50年、これほど進化を続けた定石もめずら
しいとのことでした。

最近は韓国からの進化型がいろいろ伝えられているようです。こういう部分を突き詰め
る手法は韓国が得意なようです。

   ◇   ◇

こうした大型定石、武宮九段を始め日本のプロでは敬遠する棋士も多いようです。
曖昧な世界は曖昧な流儀が日本的かもしれません。



2006-10-07 ネット対局サイト(2)

新しいネット対局サイトに変わって1ヵ月半くらいになります。前のサイトは持ち時間が
固定で長すぎると思い変更しました。

今のサイトの持ち時間は25分で対局していますが、やっぱり自分の消費時間が少な
いようです。
年齢とともに気が短くなっているようで、手拍子の悪手で負けることもしばしばです。

最善の手段を読むには、どうするればよいのでしょうか?
「読むことが楽しい」と思えるようになればいいんですよね。
まあこれができればもっと実力は上がっているのでしょうが・・・。



2006-10-05 囲碁書籍/精魂の譜

◆書籍紹介
 ・書籍名:「精魂の譜」
 ・副書名:「棋士加藤正夫と同時代の人々」
 ・著者、編者名:有水泰道
 ・発行所:誠文堂新光社

一昨年の暮に57歳で急逝した名棋士・加藤正夫九段の生い立ちを、読売新聞西部
本社の記者が旺盛な取材と丹精な加筆で綴った囲碁棋士一代記。

     ◇   ◇   ◇

先日、「精魂の譜/棋士加藤正夫と同時代の人々」を購入しました。「加藤正夫」と
いう名前をみると、つい欲しくなってしまいます。
まだ3分の1ほどしか読んでいませんが、加藤先生の生涯が丁寧に綴られています。

読売新聞西部本社のHPで連載されていた内容とそんなに変わっていないようですが、
画面で読むのと装丁された書籍の活字を読むのとでは印象も違ってきます。

昨年の暮れに「怒涛の譜-加藤正夫精局集-」を購入し、全200局の棋譜並べに挑戦
中ですが現時点での消化は9局と情けない状態です。加藤先生に申し訳ない・・・。



2006-10-03 「朝ドラ/純情きらり」終了

NHK朝の連続ドラマ「純情きらり」が9月で終了しました。平日、出勤前にBS2で見る
のが日課でした。

ドラマの舞台が私の出身地である岡崎で三河弁の台詞も懐かしく、楽しく見させてもら
いました。
ドラマの中で流れるジャズのメロディーも印象に残りましたね。
視聴率も最近の朝ドラの中では、結構よかったようです。

    ◇   ◇

最近、太平洋戦争前後の映画やドラマが多く登場していますが、日本歴史上の禍根と
なるこの戦争の事実を風化させないためにも意義があると思います。

戦中以前の世代は懐かしい思いで見るでしょうが、若い人たちには平和の大切さを実感
してほしいと思います。



2006-10-01 名人戦第3局/張栩名人が1勝

 囲碁名人戦七番勝負の第3局は9月28日から神戸市有馬温泉で打たれ、白番の
張栩名人が挑戦者の高尾紳路本因坊に中押し勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。
第4局は10月11、12の両日、静岡県熱海市で。
 解説の今村俊也九段は「上辺白模様を巡る戦いは難解きわまりなく、下辺の攻め
合いも複雑で見応えがあった」と話した。

<張名人の話>
 上辺が一段落して悪くはないと思っていたが、勝ってホッとした。

<高尾挑戦者の話>
 上辺は読み切れなかった。先にオサエ(117)を打たなかったのは軽率だった。

            (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

2連敗でスタートした張栩名人、本局は序盤の「名手(36)」を繰り出し、堅実に押し切った
ようです。
一方の高尾挑戦者、後半で盛り返すチャンスもあったようですが、流れに乗れなかった
ようです。
これで張栩名人の1勝2敗、七番勝負は佳境を迎えました。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は神戸市有馬温泉。太閤秀吉ゆかりの温泉だそうです。
太閤秀吉といえば「NHK大河ドラマ・功名が辻」の本日放送分は「秀吉死す」でした。
秀吉の晩年は醜く描かれていましたが、信長も同様でした。権力者の最期は難しいよう
ですね。

■豊臣秀吉 辞世の句
「露(つゆ)と落ち 露と消えぬる わが身かな 浪華(なにわ)のことは 夢のまた夢 」


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