●○● 天声人碁 ●○●



2006年11月

2006-11-30 天元戦第3局 /河野天元が勝ち、防衛に王手


 河野臨天元に山下敬吾棋聖が挑戦する天元戦五番勝負の第3局が11月20日、
熊本県水俣市、湯の児温泉で行われ、黒番の河野が中押し勝ちし、タイトル防衛に
あと一勝と迫った。第4局は兵庫県淡路市で行われる。

 序盤、河野は師匠、小林光一・九段愛用の布石を展開。山下の強手をきっかけに
激しい攻防が始まった。解説の小松英樹九段も「難解だ」と言う局面が続いた。
 右下隅の戦いから右辺に厚みを築いた河野が押し気味に打ち進めた。山下が右
下隅と上辺でコウを仕掛け懸命の挽回を図ったが、終盤、河野は中央の六子を捨て
て左辺を収まり、山下の追い上げを断ち切った。

                 (西日本新聞社HPより抜粋)

   ◇   ◇   ◇

河野天元が「布石なき激戦」を制し、防衛に王手をかけました。
いままでの河野天元はバランス重視の棋風といわれていましたが、本シリーズでは
腕力勝負の戦いで「フルスィング山下」相手に堂々と戦っています。

一方の山下棋聖、本局では河野天元に終始押され気味で精彩を欠きました。
天元戦と並行して王座戦第3局(張栩:山下)が今日(11/30)行われていますが、
こちらの対戦も目が離せません。

   ◇   ◇   ◇

今回の対局地は熊本県水俣市湯の児温泉「三笠屋旅館」、不知火海を一望できる
温泉だそうです。

水俣市は公害で有名になりましたが市民にとっては苦難の日々だったと思われます。
文明の発展にともない人間は豊かになった反面、、環境問題など負の遺産もかかえ
てきました。
これまで便利さ、快適さをひたすら追求してきた人類ですが、その結果怠惰になった
部分もあります。
もう過去へは戻れないでしょうが、人類としての原点を見直すことも必要だと思います。

   ◇   ◇   ◇

水俣の歴史(水俣市観光物産協会HPより抜粋)

 水俣市は熊本県最南端にあり、西はリアス式海岸を有する不知火海に面し、北か
南までの三方を九州山地の支脈に囲まれています。 人口は約3万1000人、気
候は
温暖多雨な海洋性気候です。

 海の「湯の児温泉」と山の「湯の鶴温泉」、と2つの温泉を有しています。
 また、徳富蘇峰・蘆花兄弟、淵上毛錢 といった文化人を輩出しています。

 昭和31年に水俣病が公式確認され世界的に知られることになりました。 水俣病
は、
工場排水中のメチル水銀に汚染された魚や貝などをたくさん食べることによって
おこった
メチル水銀中毒です。

 水俣湾に堆積した水銀ヘドロを熊本県が14年の歳月をかけて、一部しゅんせつ一
埋立工事をおこないました。
 その埋立地が現在のエコパークです。
 エコパークには「環境と健康」をテーマに竹林園、観光物産館「まつぼっくり」、花の
里、
ソフトボール場、親水護岸などが整備されました。

 現在水俣市は水俣病を教訓に環境保全に取り組んでおり、資源循環型社会の構築
目指しています。



2006-11-28 岡目八目

今日は雑誌で紹介していたアマの碁(初〜二段レベル)を並べていました。
プロ棋士が解説するのですが、自分の考えていたことと一致すると「やっぱりな〜」とか、
「そうじゃないよな〜」などといっぱしの批評をしています。

でも実際に対局していると客観的に判断できず、思い込みのミスは日常茶飯事です。
あとで指摘されると「何でそんな手を打ったんだろう」と反省しきりです。

  ◇   ◇

自分のことは都合のいいように解釈しがちで、誤解も結構あります。
ただ勢いのあるときは「誤解」も見方して、一気に上昇気流に乗ることもあるようです。

※岡目八目
物事にかかわっている本人より、関係ない人のほうが、正しい判断ができるということ。



2006-11-26 吉田拓郎/35,000人の同窓会

先日(11/23)、NHK-TVで「吉田拓郎・かぐや姫コンサートinつま恋2006」をドキュメント
した放送をしていました。

  ---以下、番組紹介HPより---
「今日までそして明日から〜吉田拓郎・35000人の同窓会」
31年ぶりの「つま恋コンサート」に臨む吉田拓郎。彼を支えるスタッフやカメラマン、共に
歌うかぐや姫、そしてファンの姿をドキュメントし「大人の祭り」の魅力を伝える。
出演:吉田拓郎, かぐや姫, 中島みゆき, かまやつひろし

   ◇   ◇   ◇

コンサートのスタッフは700人を越える人たちで運営されていたそうですが、35,000人もの
観客を迎えるスタッフは大変だったと思います。

観客の平均年齢は49歳ということですが、オジサン、オバサンが青春時代を懐かしみな
がらのコンサートは感動の一日だったようです。実際、現場に立ってみないと分からない
でしょうが・・・。

   ◇   ◇   ◇

「吉田拓郎」は団塊世代の旗手として1970年のデビュー以来、数々の楽曲を送り出して
きました。
それまでの日本人の生き方はある手本・モデル(親、伝記の人物など)を追い求めるよう
な生き方だったように思います。
それが学生運動・ヒッピーなどの影響を受け「自我・個性」の意識が前面に現れ、その
代弁者の代表が吉田拓郎ではないかと思っています。

そしてそれらの唄を作詞した吉田拓郎、岡本おさみ、松本隆、喜多条忠などの感性も、
その時代の若者の心情をとらえるものだったと思います。

吉田拓郎などの影響を受けた「団塊の世代」が第一線を退く時期ですが、日本の社会は
どこにいくのでしょう。



「今日までそして明日から」

私は今日まで生きてきました〜
私は今日まで生きてきました〜
そして今私は思っています〜
明日からもこうして生きていくだろうと〜




2006-11-25 大斜定石/風鈴会

今日(11/25)は定例の「風鈴会」の日、今回の講座は
「大斜(たいしゃ)定石」。

大斜百変といわれ変化の多い大型定石ですが、「ハメ手」に
近い変化も多くシチョウ・コウなど周囲の状況によって変化する
ので用法に注意が必要ということです。

「ハメ手」は相手のミスを期待するもので邪道といわれますが、相手から仕掛けられ
たら対応せざるをえません。
それで失敗したら実力不足ということで、原因究明と対応策を研究するということで
しょうが、ムズですね。

    ◇   ◇   ◇

世の中、正々堂々だけでは通らないこともあります。
昨今、「振り込めサギ」なるものがまかり通っていますが、これも「ハメ手」の一種で
しょうか。
しかし高齢者など弱者イジメの「ハメ手」は人道的に絶対許せないですね。



2006-11-23 勤労感謝の日/2006

今日「勤労感謝の日」は、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」こと
を趣旨としているそうです。

私も定年を迎え、今は継続社員のような形で働いていますが「勤労」に感謝するという
意識はあまりありません。

思えば周りと同じようなことをしてきただけで、与えられたテーマをそれなりにこなして
きたというのが実感でしょうか。

   ◇   ◇   ◇

現在サラリーマン卒業後のこと考えていますが、何らかの形で社会参画していきたい
と思っています。

定年後の先輩たちにも色々なタイプがあるようで、「旅行、ゴルフ、グルメなどレジャー
を満喫しているタイプ」、「園芸、絵画、囲碁・将棋、ダンスなど趣味に生きるタイプ」、
「町内会やボランティアなど地域社会に参画するタイプ」などなど。

どれが正解というものはないでしょうが、「自分のやりたい事をやる」のが基本だと思い
ます。ただそのためには制約事項が色々あり、どこまで実現できるか・・・・。



2006-11-22 王座戦第2局/山下棋聖が激戦制し、タイに


 王座戦5番勝負第2局は11月16日、京都市で打たれ白番の挑戦者、山下敬吾
棋聖が張栩王座に1目半勝ちし、対戦成績を1勝1敗のタイにした。第3局は11月
30日、山形県鶴岡市で行われる。

<ネット解説:佐々木五段の目>
 山下棋聖が午後の戦いで、張王座の見損じから優勢を築き、手堅くリードを守り
きった碁となりました。これで山下棋聖は月曜日の天元戦に続いてタイトル戦2連
勝。両タイトルの奪取に向けて勢いが出てきたように思います。

 敗れた張王座はどこか元気がないように感じました。黒番では圧倒的な強さを誇る
張王座が2局目を落としたのは意外な結果で、名人位を失冠したショックが尾を引い
いるのかもしれません。あのときの対局では冷静な張王座に珍しく、どこかムキに
なっているように感じましたし…。

<山下棋聖の話>
 序盤から苦しかったです。(左上の)2目をとっていい勝負になったと思いました。
計算ができていませんでしたが、最後、セキになって少し残ったと思いました。

<張王座の話>
 (左辺で)黒97、99と出切っていった手には錯覚がありました。最後、左上でコウに
したのは半目負けと思っていたから。ただ、どうやっても勝ちの図はなかったようです。

            (日経 e-碁サロンより抜粋)

    ◇     ◇     ◇

山下棋聖は天元戦(河野臨天元に挑戦中、現在1勝2敗)と並行しての王座戦挑戦
手合い。昨年同様この時期はタイトル戦に出ずっぱりで疲れも溜まっていると思われ
ますが、本局では張王座の追い上げをかわして1勝1敗のタイとしました。

名人戦以降、やや精彩を欠く張王座ですが山下棋聖との対戦成績では分がよいこと
もあり、残り3番勝負では拮抗した熱戦が展開されるでしょう。

    ◇     ◇     ◇


今回の対局地は京都市の「ウェスティン都ホテル京都」。京都は世界の観光地で
歴史的に見所が沢山あります。
私も何ヶ所か名所を訪れましたが、時間も短くあまり印象に残っていません。ゆっく
りと時間をかけて京都の歴史に触れてみたいものです。

京都のご当地ソングというと「京都慕情」 、「京都の恋」、「なのにあなたは京都へ
ゆくの」、「京都から博多まで」などありますが意外と少ないという印象です。
そんな中でデューク・エイセスが唄った『女ひとり』という曲があります。しっとりとした
名曲だと思います。

 「女ひとり」

作曲者 いずみ たく
作詞者 永 六輔

(1) 京都 大原 三千院
  恋に疲れた 女が一人
  結城(ユウキ)に塩瀬の 素描の帯が
  池の水面に 揺れていた
  京都 大原 三千院
  恋に疲れた 女が一人

(2) 京都 栂尾(トガノオ) 高山寺
  恋に疲れた 女が一人
  大島紬(ツムギ)に つづれの帯が
  影を落とした 石畳
  京都 栂尾 高山寺
  恋に疲れた 女が一人

(3) 京都 嵐山(ランザン) 大覚寺
  恋に疲れた 女が一人
  塩沢がすりに 名古屋帯
  耳を澄ませば 滝の音
  京都 嵐山 大覚寺
  恋に疲れた 女が一人





2006-11-20 天元戦第2局 /山下棋聖がタイに

 河野臨天元に山下敬吾棋聖が挑戦する第32期天元戦五番勝負の第2局が11月
13日、北海道苫小牧市のグランドホテルニュー王子で行われた。
 河野天元が序盤から意欲的な構想を見せるも空転、中盤に起きたコウのフリカワリ
で山下挑戦者がリードを奪い、黒番山下が中押し勝ちを収め、スコアを1−1のタイに
した。
 注目の第3局は11月20日、熊本県水俣市「三笠屋旅館」で行われる。

                 (週間碁より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

山下棋聖は10/26の王座戦第1局(対張栩王座)、11/2の天元戦第1局(対河野天元)
といずれも黒星で不安のスタートでしたが、本局はコウにする決定打を放ち快勝でした。

一方の河野天元、持ち味の持久戦ではなく急戦志向の作戦がどうだったでしょう。
第1局はうまくいったものの乱戦は山下の得意とするところ、今後の作戦の考えどころで
しょう。
第3局は本日(11/20)ですが結果はいかに。

      ◇   ◇   ◇

今回の対局地は北海道苫小牧市のグランドホテルニュー王子。北海道は山下棋聖の
出身地(旭川)でもあります。

今年夏の高校野球では「駒大苫小牧」が準優勝(優勝は“ハンカチ王子”こと斉藤佑樹
投手の早稲田実業)。引き分け再試合の決勝戦は野球ファンを魅了しました。
しかしながら暴行、飲酒、喫煙などの不祥事も報道されております。「栄光の光と影」は
地元市民の姿でもあると思います。



2006-11-18 海外赴任激励会

昨夜(11/17)は来週から中国/上海に赴任する同僚の激励会でした。
彼は6〜7年前に他の企業から移ってきたましたが、上司との折り合いがうまくいかない
こともあり、苦労もあったようです。

新しい赴任先は今まで以上に環境が変わり、心配な面もありますが心機一転がんばって
ほしいと願っています。

   ◇  ◇  ◇

この2〜3ヶ月は歓送迎会などが多く、結構な出費となっています。
サラリーマンも「義理と人情」が仕事の潤滑剤になっている部分もあり、できる限り参加
してきました。

しかしいずれは退く身、今後は会社(仕事)中心の人脈から地域や趣味の人脈に軸足
を移していこうと思っています。



2006-11-17 囲碁における「イジメ」

昨今「イジメ」が社会問題となっていますが、いじめる側の卑劣さに強く憤りを感じます。
一方、囲碁対局での「イジメ」は日常茶飯事(笑)ですが、この「イジメ」について考察し
てみました。

なぜいじめられるか?
・序盤で地を稼ぎ過ぎ、相手の模様を消そうと深入りした場合
・地合で不利を意識し、危険を承知で相手の地模様に突入した場合
・せり合いの局面で、薄いのを承知で大場に先着した場合

などのケースが考えられますが、問題は「いじめられた」後の碁形を想定できるかと
いうことです。
そこで「形勢判断」や「死活」の能力が必要となるわけですが、これがその人の「棋力・
実力」ということになるのでしょう。

   ◇   ◇   ◇

趙治勲十段などシノギに自信のある棋士は「いじめられる」のを楽しんでいるようです。
一方、武宮九段などは絶対「いじめられない」碁形で打ち進めています。

私などザル碁党は気分よくいじめ(攻め)ているつもりが、深追いしすぎて逆にいじめ
られるケースが少なくありません。
また、いじめられないように守ってばかりでも勝てません・・・・。

悩み多き晩秋です。



2006-11-16 温故知新

先週の日曜日(11/12)は風鈴会メンバーとして囲碁団体戦に出場していましたが、
別の予定も入っていました。

私が入社した頃の上司が九州から上京し、その頃のメンバーで懇親会を行うとのこと。
どちらに出ようか迷いましたが、先約の風鈴会にしました。

「過去を懐かしむ会」より「現在活動中の会」を優先したということですが、少し後ろ
めたい気持ちもありました。
先輩を敬う気持ちは無論大切ですが、進取の気持ちも忘れずにと思っています。

   ◇   ◇   ◇

同窓会、クラス会、同期会など過去のつながりで集う会はいろいろあります。
その会で存在感のある人は積極的に出席するようですが、あまり目立たない人は
億劫な面もあるでしょう。

自分の存在を認めてほしいと思う気持ちは誰でもあると思いますが、どこに出ても
「素の自分」でありたいと思っています。



2006-11-14 囲碁団体戦/風鈴会

一昨日(11/12)は「第23回日中友好囲碁大会/団体戦」が
日本棋院で開催され、「風鈴会」チームの一員として参加して
きました。

この大会には初めて出たのですが、五百人を超える規模で
団体戦としては最大級の大会のようです。

風鈴会は6チームが参加。いずれも上位入賞を果たし、本大会で存在感をアピール
することができました。

私のチーム(5人)は有段者Bクラス(ハンディ戦)で4連勝し、めでたく優勝。
私は三段で出場し3勝1敗でした。

ハンディ戦ですので申告段級位によって成績に影響しますが、自身としては妥当な
段位と思っています。

   ◇   ◇   ◇

団体戦終了後、近くのレストランで祝勝会。仮装やスピーチなど大いに盛り上がった
一夜でした。

風鈴会のメンバーは年齢、棋力、職業、地域などバラエティに富み、ユル〜イ連帯感
のグループといえそうです。

スナップ写真




2006-11-13 RT囲碁部&玉村町囲碁会

一昨日(11/11)は「RT囲碁部」と「玉村町囲碁会」の月例会でした。

「RT囲碁部月例会」は参加者6名と、ここ数年では最少の例会でした。
行楽のシーズンでもあり外出する方も多かったようですが、例会の魅力に乏しいのが
一番の要因でしょう。

人数が少ない場合、世間話などの会話はより親密になるようですが、やはり賑やかな
方が活気がありますね。

   ◇   ◇

「玉村町囲碁会」の方はRT月例会のあと、結果を聞きに寄ったのですが参加者は1
8名といつもと同じくらいの数でした。

企業の囲碁クラブは退職、福利厚生費カットなどで苦しい状況ですが、公民館など地
域の囲碁グループは「団塊世代」の加入など、PR次第で増加の可能性があると思い
ます。



2006-11-11 名人戦第6局/高尾本因坊が名人奪取


 囲碁名人戦七番勝負の第6局は11月2日から名古屋市で打たれ、白番の挑戦者・
高尾紳路本因坊が張栩名人に3目半勝ちし、通算成績4勝2敗で初めて名人位を奪取
した。名人と本因坊を併せ持つ名人本因坊は、張名人に続き6人目。張名人は王座、
碁聖の二冠に後退した。

<高尾新名人の話>
 勝てると思っていなかったので、信じられない。幸運でした。

<張名人の話>
 うーん、完敗ですね。形勢判断に甘いところがあった。また頑張ります。

            (朝日新聞より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

 高尾本因坊の強さは本物だった。高尾挑戦者が初の名人位を獲得、坂田栄男、
林海峰、石田芳夫、趙治勲、張栩に続く史上6人目の名人本因坊となった。

 モニターテレビに映る張栩の様子は、観ている者の胸を打つものがある。負けを自身
に納得させる悔しさ悲しさ。二年前に依田紀基から預かった名人位を、今度はライバル
といわれる高尾紳路に渡さねばならない。

 ともあれ、史上6人目の名人本因坊の誕生に拍手を贈りたい。高尾紳路は名実共に
碁界の第一人者になった。

            (週刊碁より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

「重厚戦車/高尾」の「らしさ」がでた本シリーズのようで、高尾4勝のうちの2局が
半目勝ちというのも運とか因縁のようなものを感じます。
また七番勝負に向いているともいえそうです。

一方の張栩、本因坊に続き名人も高尾に奪われました。高尾独特のペースに乱され
たのでしょうか。苦手意識にはならないでしょうが、今後もライバルとして活躍してほし
いものです。

    ◇   ◇   ◇

今回の対局地は愛知県名古屋市中区の名古屋東急ホテル。愛知県は県東部の
「三河」と県西部の「尾張」に分かれており、言葉や習慣もかなり違いがあります。

三河人はおだやかで愚直。尾張人は進取の気が強く、行動的だと思います。
因みに自分は三河人ですが「調和」が大切だと思ってきました。



2006-11-09 天元戦第1局 /河野天元が先勝

 河野臨天元(25)に山下敬吾棋聖(28)が挑戦している第32期天元戦五番勝負の
第1局は11月2日、岐阜県下呂市の水明館で打たれ、黒番の河野が3目半勝ちし、
初防衛に向けて好スタートを切った。
 第2局は13日、北海道苫小牧市の「グランドホテルニュー王子」で開かれる。
                 (中日新聞より抜粋)

 挑戦者山下棋聖の天元位奪回なるか、これを返り討ちにして河野天元がタイトル初防
衛を果たすか、昨年と同じ顔合わせとなった天元戦が始まった。

 第1局は今年の日本碁界では三本の指に入るであろう大激戦。形勢判断のままならぬ
まま終盤を迎え、終わったときは黒番河野天元が3目半を余していた。
                 (週間碁より抜粋)

      ◇   ◇   ◇

河野天元の今年ここまでの成績は12勝13敗。タイトル者ということでシードされ強者との
対戦が増えたこともあるようですが、やや不安の緒戦でした。「挑戦者の気持ちで戦う」と
いう姿勢が功を奏したのか、河野天元が乱戦を制した第1局でした。

一方の山下棋聖、今年ここまでの成績は40勝19敗とまずまず。初戦はイマイチでしたが
第2局以降、面白い碁を展開してくれると思います。

      ◇   ◇   ◇

今回の対局地は岐阜県下呂市の水明館。囲碁・将棋のタイトル戦では数々の大勝負を
繰り広げてきました。

下呂市は平成16年3月、萩原町、小坂町、下呂町、金山町、馬瀬村の5町村が合併し
てスタートしたそうです。
新生下呂市が合併して豊かな町になることを祈ります。

地方分権といわれて久しいですが、北海道夕張市が財政再建団体になるなど地方の
行政は難しい局面を迎えているようです。これといった妙手は見当たらないようですが、
行政と市民の距離を近くしていくことが重要だと思います。



2006-11-06 女流本因坊戦/矢代女流本因坊が3勝1敗で防衛

 矢代久美子女流本因坊の初防衛か、挑戦者祷陽子五段がタイスコアに押し戻すか。
第25期女流本因坊戦5番勝負第4局は11月1日、日本棋院で打たれ、矢代女流本
因坊が祷のパワーを封じてほぼ完勝。第2局から一気の3連勝でタイトルを防衛した。

<矢代女流本因坊の話>
 今日の碁は自分らしく打てました。今後の目標は女流世界戦でがんばりたい。
タイトルを持っている責任がありますから。

<祷陽子五段の話>
今回は思い切って打とう、と心がけていたのですが・・・。わたしの実力不足、悔いの
残る内容です。いい勉強になりました。

          (週間碁より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

矢代さんの勢いに祷さんが押し切られた内容のようでした。
今年、矢代さんの本シリーズ前までの成績は4勝11敗と負け越し、不調が伝えられて
いましたが見事防衛。大勝負に強いタイプっていますよね。

一方の祷さんはイマイチ、波に乗れなかったようです。野球の中日ドラゴンズの感じで
しょうか。

       ◇  ◇  ◇  ◇

「新婚さんシリーズ」となった本対戦ですが、結婚すると調子が上向く棋士は多いよう
です。棋士に限らず大方の人はそのような傾向にあるようです。結婚して調子を落とし
たら、格好がつかないですからね。

問題はそれが一時期で終わるのか、上昇傾向が持続するのか、ここが難しいところで
すね。



2006-11-04 囲碁美術館囲碁文化史の新スポット

〜山梨県北杜市に囲碁美術館オープン〜

8月10日にオープンした北杜市囲碁美術館の長森館長は「歴史が伝えるもの、
時代を
映すものは、公開してこそ生きてきます。
暮らしに密着したもののなかにある囲碁を研究
していきたい」と構想を練っている。

    (「碁ワールド11月」より抜粋)

   ◇   ◇   ◇

囲碁関連の美術館ということで、絵画、陶磁器、書籍などの展示物が陳列されて
いるそうです。また、隣室には対局場も用意されているとのこと。

囲碁ファンとして是非共、訪れてみたいと思っています。



2006-11-02 王座戦第1局/張王座が先勝

 第54期囲碁王座戦の5番勝負第1局は10月26日、東京都文京区で打たれ白番
の張栩(ちょう・う)王座が挑戦者の山下敬吾棋聖に6目半勝ちした。
第2局は11月16日、京都市で打たれる。

<解説:三村智保九段の目>
 山下棋聖は対局中に何度か予定変更がありましたが、張王座はそれらをすべてうまく
とがめたように思います。山下棋聖に決定的な敗着はありませんが、張王座がすべての
面でうまく打ちまわした一局だったといえるでしょう。

<張王座の話>
 序盤から少し打ちやすいと思っていました。中央に入ったあたりから「少し面白いかな」
と思っていました。

<山下棋聖の話>
 序盤からあまりよくありませんでした。自分の攻めが利かないどころか相手から攻めら
れる形となり、どうしようもなかったです。

            (日経 e-碁サロンより抜粋)

    ◇     ◇     ◇

韋駄天/張王座が快足で局面をリードし、快勝した内容の碁だったようです。
一方のフルスィング/山下棋聖、張王座の軽快な打ちまわしに、フルスィングする場面が
なく逃げ切られた一局のようでした。
まだ始まったばかりの五番勝負、今後の「山張対決」が見ものです。

    ◇     ◇     ◇

今回の対局地は東京都文京区の「フォーシーズンズホテル・椿山荘東京」。都心にありな
がら見事な庭園で有名です。

15年ほど前の景気のよい頃、勤め先の年末パーティーで椿山荘に行きました。
抽選会の景品で「コードレス電話」が当たったのを覚えていますが、あの頃は福利厚生費
も潤沢で企業にとってはいい時代でした。


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