●○● 天声人碁 ●○●


2008年9月

2008-09-30 第33期名人戦第3局/張名人、中押し勝ちで1勝2敗に

 第33期囲碁名人戦七番勝負の第3局は9月24日から岐阜県高山市で打たれ、
張栩名人が挑戦者の井山裕太八段に黒番中押し勝ちし、対戦成績を1勝2敗とした。
第4局は10月8、9の両日、静岡県熱海市で。

 挑戦者の2連勝で迎えた一番。実利で先行した名人が、2日目に切れ味鋭い
攻めを見せ、1勝を返した。

 解説の彦坂直人九段は「第1、2局の名人は不出来だったが、本局は持ち味が
よく出ていた。終盤まで見応え十分の内容だったと思います」と話した。

<張名人の話>
 序盤はやや打ちやすいと思った。左上で錯覚があったが、ぎりぎりしのいでいた。

<井山挑戦者の話>
 序盤は不本意な展開だった。白126では単に128と打つのでしたか。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

張栩名人が持ち前のスピード感で先行し、井山挑戦者の追い上げを振り切った
一局のようでした。
本シリーズ2連敗でスタートした張名人、追い込まれながらも本局ではキッチリと
一矢を返しました。

2連勝と好調の出だしだった井山挑戦者、本局では追いつくチャンスもあったよう
ですが、流れは名人に傾いていました。
この一局ではあちこちでツケ・キリと立ち回っていましたが、挑戦者らしくない印象
ですね。

これで名人の1勝2敗、4局目で流れがどちらに傾くか注目です。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は岐阜県高山市の高山グリーンホテル天領閣。
高山市は歴史・伝統文化(高山祭や街並み)、温泉(奥飛騨温泉郷)、山岳レジャー
(北アルプス)など、見どころの多い町とのふれこみです。
私も20代前半の頃、北アルプス登山の基地として訪れたことがありますが、2時間
程度の滞在であまり記憶に残っていません。



     穂高連峰より槍ヶ岳を望む

この奥飛騨温泉郷の槍見温泉でアクシデントに出会ったのを思い出します。
確か北アルプスの「裏銀座縦走コース」で槍ヶ岳などの山々を巡り槍見温泉へ下山、
ここで一泊し高山駅に向かう予定でした。
ところが翌日は大雨で道路が寸断され足止め。その日は仲間3人とすることもなく、
小雨降る川沿いの露天風呂に入ったり、雑談などして過ごしました。
その頃の温泉宿は山小屋を少し上等にしたくらいで、TVも無かったと思います。

幸いにもその翌日は道路が復旧し、一日遅れで帰ることができました。
途中、会社にアクシデントで出社できないと連絡したところ、上司からひどく怒られ
ましたね。不可抗力で仕方ないと思うのですが・・・。



2008-09-28 眼形を作るテクニック集/風鈴会

昨日(9/27)は定例の「風鈴会」の日、講座の内容は
「眼形を作るテクニック集」でした。
詰碁4題から眼形を作る常套手段を考える内容です。

詰碁も盤上に並べて思考錯誤を繰返していると、結構
正解にたどり着くものですが実戦の中ではなかなか
難しいものがあります。

プロ棋士も詰碁の訓練は欠かさないと聞いています。上達の必須アイテムと
分かってはいるのですが、なかなか・・・。





(白先)生き

講座のあとの一般対局は●○の1敗1勝。降段のカド番を辛うじてしのぎました。

●1局目は私より先輩で経験豊富なN村さん。当方の白番2子局。相手の石を
 攻めて気分はよかったのですが、数えてみれば足りませんでした。(反省)

○2局目は地味な感じですが芯は強そうなA井さんで互戦。こちらの薄い石を捨て、
 模様を築き何とか勝つことができました。(汗)



2008-09-26 第30回世界アマ日本代表に金沢盛栄さん

来年5月に行われる、世界アマチュア選手権の日本代表を決める、第30回世界
アマ日本代表決定戦が9月13日から15日まで東京・市ヶ谷の日本棋院会館で
行われ、金沢盛栄さん(シード)が平岡聡さん(シード)を決勝戦で下し、8年ぶり
3回目の優勝を果たした。
また、3位決定戦は東京代表の村上深さんが京都代表の今分喜行さんをくだし
、3位に入賞した。

    (日本棋院HPより抜粋)

   ◇   ◇   ◇

金沢盛栄さんは昭和50年代、学生本因坊などの学生タイトルを総なめして話題
になりました。
また弟の金沢東栄さんも高校・学生囲碁界で活躍し、兄弟でその頃の京都アマ
碁界を盛り上げていました。

金沢盛栄さんは現在、毎日新聞記者で本因坊戦の記事も書いており、本因坊
戦のTV中継で時々映像に登場しています。
アマ碁界の強豪で、囲碁担当記者の仕事はまさに天職ですね。
そしてご子息の金沢真さんは昨年プロ棋士としてデビューと、公私の大半が囲碁
と関わっているようです。

来年行われる世界アマ選手権出場の金沢選手、強豪・中韓の前に立ちはだかっ
てほしいものです。

   ◇   ◇   ◇

群馬県代表の小暮智さんは1回戦で神奈川の山口さんを破ったものの、2回戦で
4位に入賞した今分さんに敗れました。



2008-09-24 大河ドラマ「篤姫」/囲碁対局シーン(3)

NHK大河ドラマ「篤姫」も後半を迎え、幕末の政局は混迷を極めている状況です。
先々週(9/14)放送の第37回「友情と決別」の中では、久しぶりに天障院(篤姫)と
小松帯刀(尚五郎)の囲碁対局シーンがありました。

ドラマが始まった頃は一方的に篤姫が優勢でしたが、小松も序々に腕を上げ今回
は天障院の投了となりました。
この時の時代背景を考えると、天障院はこれが最後の一局と悟ったような気がし
ます。

   ◇  ◇

今回の大河ドラマは久しぶりに高視聴率をキープしているようです。
戦闘シーンを極力減らした「幕末ホームドラマ調」が、女性に支持されているとい
われています。

私の注目は準主役ともいうべき小松帯刀の存在でしょうか。幕末の傑物というと
西郷、大久保などが有名ですが、小松の功績は過小評価されてきたように思い
ます。
歴史の中でスポットライトを浴びないキーマン、そんな人物に惹かれます。

   ◇  ◇

歴史小説やドラマでは囲碁対局をしながら政局や人事など重大な話をしています。
しかし一般の囲碁ファンから考えると、そんな重要な話をしながら対局するのは無理
だと思います。
物語のシーン・雰囲気としては格好がつくと思われますが・・・。

ザル碁党の大会などでも対局中に仕事の話をする人を時々見かけますが、KY
(空気が読めない)ですね。
たまに会う仲間とは色々と話したいこともあるでしょうが、終局後や休憩時間に
するのが良策だと思います。



2008-09-22 第33期名人戦第2局/井山挑戦者が2連勝

第33期囲碁名人戦七番勝負の第2局は9月17日から大津市の比叡山延暦寺
会館で打たれ、挑戦者の井山裕太八段が張栩名人に黒番半目勝ちし、2勝目を
挙げた。第3局は9月24、25の両日、岐阜県高山市で。

 名人戦史上最年少の挑戦者となった井山挑戦者(大阪府東大阪市出身)が
地元・関西での一局を勝利で飾った。1日目に築いた左辺の厚みを生かし、
2日目は右辺の白を攻めながら中央に巨大な黒地をつくり、左辺や上辺で足早に
地を稼いだ名人を突き放した。初の名人戦登場とは思えない、冷静で堂々とした
打ち回しは、検討室の棋士たちを驚嘆させた。

 解説の結城聡九段は「序盤から井山挑戦者の充実ぶりが目立った一局だった。
張名人も半目勝負に持ち込んだ粘りが素晴らしく、第3局が楽しみです」と話した。

<張名人の話>
 白48のアテで遅れてしまい、苦しい場面が多かった。逆転のチャンスはなかった
と思います。

<井山挑戦者の話>
 黒119でやや優勢を意識したが、ヨセでひどい損をして、ダメかと思った。運が
良かった。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

井山八段が張名人の先行逃切りパターンに焦ることなく厚みで反攻、最後は時間
に追われてまぎれてきましたが10代挑戦者の堂々たる戦いぶりに周囲は驚いて
いるようでした。

敗れた張名人は本局の前に王座戦の挑戦者決定戦(9/8、対井山八段)、天元戦
の挑戦者決定戦(9/11、対黄翊祖七段)を2連勝し、これで碁聖戦、名人戦、王座戦、
天元戦と4連続のタイトル戦登場となります。対局過多でこの名人戦シリーズに影響
が出なければよいのですが。

井山八段が2連勝と以外と思える展開となっていますが、このままスンナリいくとは
思えません。明後日(9/24)からの第3局が楽しみです。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は滋賀県大津市の比叡山延暦寺会館。寺社での対局は珍しい
ですが、これまでもしばしば開催されています。
多くは有名なホテル・旅館で行われますが寺社での対局も厳かな雰囲気があると
思います。

比叡山というと織田信長の「延暦寺焼討ち」を思い起こします。既存の権威や勢力
(朝廷・仏教など)を武力で破壊する政策には
賛否分かれるところですが、時代は異端の権力者を求めていたのかもしれません。



2008-09-20 二十四世本因坊秀芳

石田芳夫九段が8月15日に満60歳の誕生日を迎え、名誉本因坊資格により
「二十四世本因坊秀芳」を名乗ることになりました。
昭和46年、22歳で林海峰本因坊を破ってタイトルを奪取し、その後五連覇で
名誉本因坊資格を得ることになったそうです。

この頃、木谷一門の三羽烏(加藤正夫、石田芳夫、武宮正樹)のトップバッター
として石田九段は本因坊はじめ次々とタイトルを手中に納めていきましたが、
20代後半以降は第一線にはいるものの、大きなタイトルからは遠ざかってしまい
ました。
才能の開花は早かったものの、持続するのは難しいということでしょうか。
それでも棋戦の解説、立会い、囲碁教室など囲碁界の重鎮であることは
間違いありません。

   ◇   ◇   ◇



若い頃の石田九段というと、黒縁で角ばった
メガネの風貌が印象に残っています。

私もあの頃、同じようなメガネをしていました。
流行っていたんですね。



2008-09-17 答えはすべて自分の中にある

先日、勤務先の事業所で「メンタルヘルス講演会」が
あり、聴いてきました。
定期的に開催されているのですが、その時の気分で
出席しています。

テーマは「メンタルの強い職場づくり(職場のコミュニ
ケーション改善)」でした。

コミュニケーションで大切なのは「相手の立場で考え
ていること」でしょうか。

頭では分かっていても実際の会話の中では、その意識が薄れて関係が思わしく
ない方向にいってしまうこともあります。
流行語でKY(空気が読めない)というのがありましたが、柔軟な感性が必要だと
思います。

今回の講師は僧侶で内観研修所を運営されている方でした。
「内観」、あまり聞いたことのない言葉ですが、「本当の自分を見つめる」という
ことでしょうか。
「自分のことは自分が一番分かっている」と思いがちですが、客観的に見ると??
というケースも珍しくありません。
内観研修では本来の自分を認識するそうですが、深層心理まで追及されるとチョット
怖い感じもします。

「自分探しの旅に出る、ほんとうの自分に出会うこと・・・、それがすべての始まり」
「こたえはすべて自分の中にある、ただ、気がつかないだけ」

最近、囲碁の成績が低調気味です。
 → 「問題の答えはすべて自分の中にある、ただ、気がつかないだけ・・・」



2008-09-15 名人戦解説会/風鈴会

昨日(9/14)は定例の「風鈴会」の日、講座の内容は
「名人戦第1局/張栩名人 vs 井山裕太八段」の解説
会でした。

戦術的には硬軟合わせた井山挑戦者の冷静な打ち
ぶりが光ったようです。

若手と云われていた張名人も20代後半、迎え撃つ挑戦者は19歳の井山八段。
追われる名人と追う挑戦者、微妙な心の揺れを含めた解説でした。

    ◇   ◇

講座のあとの一般対局は○●●の1勝2敗。なんとか自身最高のランクを
維持していますが、赤信号の点滅です。

○1局目の相手はスリムでや優しい感じのN澤さん、当方の白番コミなし。
せり合いの場面で相手の見損じがあり優勢に、その後粘る相手の強手を
受けきり何とか白星。

●2局目の相手は堅実な会社員風のK子さん。当方の白番2子局。相手の
打ち込んだ石を攻め、大石をほぼザルに入れた状態でしたが、軽率なヨミで
当方の白石が相手のザルの中に・・・無念。

●3局目はいつも笑顔でメタボ気味のN川さん、互戦。中盤からお互いにミス
が出ましたが、後から当方のミスが致命傷であえなくダウン・・・残念。



2008-09-13 RT囲碁部/2008/9月例会

今日(9/13)は「RT高崎囲碁部」の月例会
でした。
参加者は7名と少ないですが、長い間の囲碁
仲間でもあり末長く続けばと思っています。

大会の成績は実戦が豊富なメンバーが優勢
でした。勝負感のようなものは、実戦がモノを
いうようです。

   ◇   ◇   ◇

昼食は近くにある、いつものうどん屋です。目立たない場所にあるのですが、
そこそこ繁盛しています。

話題の中心は北京オリンピックでの女子ソフトボールの活躍でしょうか。
日本リーグでも今までにない活況のようで、ソフトボールの認知度が上がって
よかったと思います。



2008-09-11 第54回アマ本因坊戦/洪さん、初優勝

 第54回全日本アマチュア本因坊決定戦全国大会は8月31日、東京・市ケ谷の
日本棋院会館で準決勝、決勝を行い、洪(ホン)マルグンセムさん(26)=東京=が
決勝で坂本修作さん(33)=埼玉=に黒番中押し勝ちし、初優勝を飾った。3位は
伊達昌希さん(29)=香川、4位は夏冰(かひょう)さん(15)=招待=だった。

 決勝は、洪さんが序盤から地で先行し、坂本さんが厚みで対抗する展開に。中央の
戦いで、巧みに攻めをかわした洪さんが優位に立ち、そのまま逃げ切った。

 洪さんは韓国出身で、東京・新宿で囲碁道場の師範を務める。「日に日に調子が
良くなっていった。昨年のリベンジができ(昨年準優勝)、大変うれしい」と話した。
中学3年で準決勝進出を果たした夏さんは連敗し、4位だった。

▽準決勝
 ・洪マルグンセム(東京) 中押し 夏冰(招待)
 ・坂本修作(埼玉) 中押し 伊達昌希(香川)
▽決勝
 ・洪 中押し 坂本
▽3位決定戦
 ・伊達 10目半 夏

      (毎日新聞より抜粋)

   ◇   ◇   ◇

昨年の本大会では決勝で神奈川の瀧澤さんに半目負けを喫した洪さんですが、
今回悲願の初優勝を果たしました。
今年のアマ名人戦では尹(ユン)さんにタイトルを奪われた後だけに、喜びもひと
しおでしょう。
今後は「(教室)からプロを誕生させたい」ということですが、是非とも実現してほし
いと思います。

アマ名人で優勝候補の尹さん、本戦1回戦で洪さんと当たってしまい、悲運の
敗退でした。
中学生名人の夏冰さんは4位。「来年は高校選手権で優勝したい」とのことです
が、プロ棋士という道もあります。

これで日本アマ碁界は「アマ名人:尹春浩(ユン・チュンホ)さん」、「アマ本因坊:
洪(ホン)マルグンセムさん」と韓国出身の囲碁インストラクターに席巻された形と
なりました。
残念な気もしますが両者とも日本の若手指導に当たっており、国境を越えた囲碁
の輪(和)の拡がりと考えればハッピーだと思います。

   ◇   ◇   ◇

群馬県代表/石井さん5位入賞、「満足、胸張って帰りたい」

 4年ぶり9回目の出場となった県代表の石井成幸さん(69)=太田市、理容師
=はベスト8に進出。準々決勝で敗れたが5位入賞を果たした。
 石井さんは2回戦、招待選手で女子学生本因坊の関根礼子さんを中押しで退け、
3回戦でも昨年の世界アマ代表選手の森洋喜さん=愛知代表=を3目半で降した。
準々決勝では埼玉代表の坂本修作さんと中盤まで接戦を展開したが最後は押し
切られ、15目半差でベスト4入りを逃した。
 石井さんは「(準々決勝は)序盤に要所要所で打ち所が悪く、最後まで挽回(ばん
かい)できなかった。最近の若い人はインターネットで鍛えていて、なかなか勝てない。
ベスト8には満足しているので胸を張って群馬に帰りたい」と笑顔を見せた。

      (毎日新聞地方版より抜粋)

   ◇   ◇   ◇

群馬代表の石井さん、がんばりましたね。上位は20代〜30代がほとんどの中、
ひとり気を吐いたようです。
県勢として上位入賞は久しぶりのようですが、今後は全国大会でも上位で活躍
する若手の登場が期待されます。



2008-09-09 第33期名人戦第1局/井山挑戦者が先勝

 第33期囲碁名人戦七番勝負の第1局は9月4日から青森市で打たれ、挑戦
者の井山裕太八段(19)が張栩名人(28)に白番5目半勝ちした。
第2局は9月17、18の両日、大津市で。

 シリーズ開幕戦を、名人戦史上最年少で登場した井山挑戦者が制した。
各所で見応えのある接近戦が繰り広げられ、時に鋭い反発を見せながら
堂々と打ち進め、ヨセでも崩れなかった。
 解説の小松英樹九段は「挑戦者が(奇抜な手ではなく)本手で押し通した
一局。白84と堅実に囲った一手に、自信を感じました」と話した。

<井山挑戦者の話>
 1日目が終わった段階ではいい勝負と思っていた。ヨセが難しくて大ヨセ
では自信がなかった。(普段の対局と比べて)すべてが全然違うが、普段
通りに打てた。

<張名人の話>
 どこでまずくしたかわからないが、打ちにくいと思っていた。ヨセはずっと
まずかった。中央で手をかけすぎた。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の名人戦七番勝負は最年少の井山八段の登場ということで、大きな話題
となっています。
注目の第1局は十代とは思えない落ち着いた打ちぶりで、張名人の強手を真
正面で受けとめて寄り切りました。
この大舞台でこの冷静さ、これから日本囲碁界の牽引車になってくれることで
しょう。

敗れた張名人は8月後半の世界王座戦でベスト4に進むなど、ハードスケジュ
ールの中での本局でした。
早めの仕掛けは国際棋戦の影響を感じますが、二日制の長丁場ではもう少し
腰を落として構えてもよかったと思います。

まだ第1局が終わったばかりですが、今後の展開が楽しみです。

井山挑戦者の師匠は関西総本部の石井邦生九段。この師弟ほど緊密な関係
は他にないと思います。
先日のBS-2で放送された「囲碁・将棋ジャーナル」に石井九段が解説で登場
していましたが、「第1局は井山の名局でしょう」と満面の笑みでした。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は青森市の「ホテル青森」。
青森県は独身時代に弘前城の桜を見に行ったことがあります。桜吹雪が見事
で大変な賑わいでした。

あと思い起こすのは「津軽海峡・冬景色」でしょうか。
   「♪上野発の夜行列車 おりた時から〜、青森駅は雪の中〜」

演歌への関心は薄いのですが、1年ほど前に亡くなった阿久悠・作詞、旅情
演歌の名曲だと思います。



2008-09-08 玉村町2008/9月度囲碁大会

一昨日(9/6)は町内の囲碁月例会。
参加者は23名とよく集まっています。これも
毎月案内を出している事務局の方の尽力だ
と思います。

今秋の囲碁合宿の申込みが始まりました。
10人弱の申込みがありましたが、15名
程度を予定しています。

申込みの状況では棋力上位者が多いようですが、級位者も気軽に参加して
ほしいと思っています。

   ◇  ◇

私の成績は1勝3敗。初戦は白星でスタートしたものの、2局目がウッカリの
半目負け。
これで流れが変わってしまい、あとは連敗という結果でした。

2局目で私に半目勝ちしたK氏は勢いに乗り4連勝で優勝。勢いとか潮目とか
あるんですね。
K氏は前回も優勝し、連続優勝でランクも私を追い抜いていきました。
私よりもひと回り近く先輩だと思いますが、負けていられませんね。



2008-09-06 第10期女流プロ最強戦/加藤啓子六段初優勝

謝依旻女流名人(女流本因坊)と加藤啓子六段が争った、東京精密杯第10期
女流プロ最強戦決勝三番勝負の第2局が8月25日、東京・千代田区の日本棋院
で行われ、黒番の加藤が中押しで謝を下し、2連勝で初優勝した。(第1局は8月
11日、加藤が白番中押し勝ち)
加藤は今年2月、謝に女流名人を奪われており、今回はその雪辱を果たしたこと
になる。

   (産経囲碁Webより抜粋)

    ◇   ◇   ◇

エンドレスファイター/謝さんの豪腕を加藤さんが正面から受けて、勝ち抜いた
ようでした。
加藤さんは今年2月の女流名人戦で、謝さんに2局とも半目負けという悲運で
女流名人を奪われてしまいましたが、今回はその借りを返した形となりましたね。

加藤さんは一昨年プロ棋士の溝上八段と結婚されて以来、各棋戦の上位で
活躍しています。
二人とも緑星学園出身ということですが、緑星学園は山下棋聖・王座を輩出
するなど今や囲碁界の一大勢力になっています。


一方の敗れた謝さん、女流名人・本因坊に
次ぐ三冠は逃しましたが、ハードパンチャー
として女流囲碁界に君臨しています。

秋に行われる女流本因坊戦の挑戦者には
前女流プロ最強位・鈴木歩四段が名乗りを
上げ、謝さんとの五番勝負となります。

女流の熱き戦いは続きます。


2008-09-04 アルツハイマー病防止/ためしてガッテン

昨日、NHKのTV番組「ためしてガッテン」でアルツハイマー病について放送して
いました。
アルツハイマー病は、脳を構成している神経細胞が通常の老化よりも急速に、
いわば病的に減ってしまうことによって、正常な働きを徐々に失っていき、認知
症(痴呆)になっていく病気だそうです。ボケの一種でしょうか。

防止策として
(1)有酸素運動をする
 1回20分以上の、ちょっと汗ばむ程度の運動(有酸素運動)を週に2回以上行う

(2)話し相手を持つ
 会話をすることによって脳が活性化し、アルツハイマー病になるのを抑える
 効果がある


(3)生活習慣病にならない食生活
 高血圧、高コレステロール、肥満が脳への悪影響を及ぼす

私の場合、現時点では防止策(1)〜(3)は何とか大丈夫だと思いますが、これ
から退職した場合、これらの防止策を継続できるか心配な面もあります。

     ◇   ◇   ◇

「囲碁をしているとボケない」という説がありますが、上記の防止策(1)〜(3)とは
関係ないようです。
対面で対局していれば「話し相手を持つ 」という点で、少しは効果があるように
思いますが、ネット碁ではダメですね。

「囲碁はボケ予防の妙手」という単行本があるようですが、機会があったら読んで
みたいと思います。



2008-09-02 第4期囲碁世界王座戦/昇る中国、沈む日本

 世界の強豪32人が争うトヨタ&デンソー杯第4期囲碁世界王座戦は8月下旬
に東京で開幕し、中国代表2人(古力九段、朴文尭五段が来年の決勝三番勝負
進出を果たした。
主催国として11人が出場した日本は初戦敗退が相次ぎ、前期準優勝の張栩
名人がベスト4に食い込んだのが最高だった。
一方、優勝候補の居並ぶ韓国は中国に圧倒されてベスト8で姿を消した。
日本の不振が深刻を極めるなか、中国の勢いが際立った。

中国/古力九段のコメント
■中韓戦を制して、「長く韓国にやられてきたが、中国にとって大きな自信になった。
 もちろん、韓国を追い抜いたわけではなく、中韓の対抗が続くだろう」と話した。
■日本と中韓の違いについて、「囲碁は競技なのに日本の棋士は『勝負への欲』
 が足りない。戦っている時、私たちは激しく、厳しくと考えるのに、日本は本格的と
 いうのか、妥協することを考える人が多いように感じます」と話した。

   (朝日囲碁Webより抜粋)

       ◇   ◇   ◇

日本の張栩九段はベスト4に進出しましたが、準決勝で今年7月に富士通杯で
優勝した古力九段と対戦。
古力九段の厳しい攻めに粘りましたが、最後は大石を取られて奮戦むなしく敗退
となりました。

中国は北京オリンピックに続いて、囲碁でも大躍進という結果となりました。
国家の威信を賭けて戦う意気込みが、日韓を上回ったということでしょうか。

       ◇   ◇   ◇

日本勢の地盤沈下に棋士や棋院への風当たり厳しくなっているようですが、
日本の囲碁地盤(囲碁人口、国民の関心度など)弱体化の流れからして成り
行きのような気がします。
弱体化の要因はいろいろあるでしょうが、日本人のライフスタイルの変化が
大きいように思います。

団塊世代(60歳前後)以上の男性にとって囲碁はもっとも身近な趣味でしたが、
その下の世代となるとごく一部の人たちの特殊な世界になってしまいました。
じっくりと時間をかけて楽しむ室内ゲームと、現代の生活テンポは合わなくなって
きたのでしょうか。

ただ、生活様式の変化だからといって、囲碁の地盤沈下を嘆いていても仕方
ありません。
他国にはない「日本文化としての囲碁」をPRしてはどうかと思っていますが、
抽象的で没ですね・・・・。


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