●○● 天声人碁 ●○●


2008年11月

2008-11-30 職場の同窓会に参加して

昨日は職場の同窓会がありました。私がその職場にいたのは20〜30年以上
も前になります。
あまりその気はなかったのですが、親しい幹事の手前もあり参加してきました。

この種の同窓会、参加するにあたっては微妙な思いが交錯します。
その時の職場で存在感があった人とか、その後順調に歩んできた人はあまり
迷いはないでしょう。割合にすれば3割くらいでしょうか。

そして、あまりいい思い出を持っていない人も2割くらいはいると思われます。
当然ながら参加は敬遠するでしょうね。

残りの半数、私もその部類ですが「義務感」とか、「ある程度の付き合いも止む
負えないか」、という程度の消極的な気持での参加となります。

参加しての感想は第1回ということで懐かしい顔ぶれにも出会うことができ、
満足度は70%程度でしたね。
2年おきに開催するということでしたが、次回はその気になるでしょうか。

ただ過去の人脈も大切ですが、これからは職場に限らず新しい人脈を拡げて
いくことが必要だと思っています。



2008-11-28 囲碁川柳/月刊碁ワールド

日本棋院発行「月刊碁ワールド」の連載漫画「日々碁席」、12月号のタイトルは
囲碁江戸川柳。この中から面白いと思った二首を紹介します。

 ■下手(へた)の碁は 七度かわる 秋の空
変幻自在と云えば聞こえはいいのですが、ザル碁党には耳の痛い話です。

 ■大三十日(おおみそか) 世間へ義理で 碁をやすみ
暮れの大掃除中に碁会所に出かけるには、相当の勇気と覚悟が必要ですね。

「碁キチ」のほのぼのとした日常に、小春日和の暖かさを感じます。



2008-11-26 第34期天元戦第1局/張栩名人が2連勝

 河野臨天元に張栩名人・碁聖が挑戦している第34期天元戦五番勝負の第二
局が11月20日、札幌市で打たれ、黒番の張が中押し勝ちし、二連勝で初の
天元位獲得にあと一勝と迫った。第三局は12月4日、佐賀県武雄市で行われる。
 序盤は河野が四隅を取って地合いで先行し、張は中央で厚みを築く展開。
中盤、下辺で激しい戦いになり、張が中央をさらに厚くして優位に立った。
 河野も地合いで苦しいとみて上辺での生きを図り、逆転を狙った。しかし張は
白の大石を取りきり、粘る河野を投了に追い込んだ。

<張栩名人・碁聖の話>
 布石は難しかったですが、中盤で一段落したところでは少し打ちやすいかと
思いました。その後、黒は地合いでよくなり、勝ちになったと思ったのは白を
取るめどがついたあたりです。

<河野臨天元の話>
 中盤ではは感触が悪かったです。中央の黒が厚くなり、はっきり悪いと思い
ました。

         (北海道新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

名人防衛以降、張栩名人の勢いが止まりません。本局では第1局とは逆に
張名人が厚みで相手を寄り切る展開で、堂々の横綱相撲のようでした。

一方、2連敗を喫して苦しい立場の河野天元ですが、本シリーズでは策に溺れた
感じがします。師匠の小林光一九段ゆずりの堅実さが見えません。第3局以降の
粘りを期待しましょう。

張名人の奥様である小林泉美六段の実父は小林光一九段。そして河野天元の
師匠も同じく小林九段ということで、今回の天元戦は弟子と娘婿の戦いということ
になります。

■以下、北海道新聞より抜粋
 事前の特集で、石田章九段に「どちらを応援するのですか」と聞かれた小林九段
は、「それはとても言えません。どちらにも肩入れできない。両者とも身近すぎて。
しかしぜひ見たい顔合わせでした」と対局に期待を込めています。

確かに公の場所ではどちらとは云えませんね。私が小林九段の立場だったら、
心情的に弟子を応援したくなると思いますが・・・。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は札幌市の札幌グランドホテル別館。
対局日(11/20)は前夜からの雪で本格的な雪景色。気温は未明には氷点下
5、6度まで冷え込み、日中の最高気温も零度以上にはならないそうです。

札幌というと1972年(36年前)に開催された「第11回冬季オリンピック」を思い
出します。
スキージャンプ70m級で笠井、金野、青地の日本3選手が金、銀、銅を独占し、
日の丸飛行隊と呼ばれました。
大会のテーマ曲となったトワ・エ・モア他が歌った「虹と雪のバラード」も雰囲気が
あってよかったと思います。

■1972年(昭和47年)の主な囲碁タイトル戦
 ・第11期旧名人戦:林海峰  4-2 藤沢秀行
 ・第27期本因坊戦:石田芳夫 4-3 林海峰
 ・第10期十段戦 :坂田栄男 3-2 橋本宇太郎
 ・第20期王座戦 :坂田栄男 2-1 橋本宇太郎



2008-11-25 第15期阿含・桐山杯/張栩名人・碁聖が3連覇

 早碁日本一を決める阿含・桐山杯第15期全日本早碁オープン戦の決勝は
11月15日、京都市で行われ、張栩名人・碁聖(28)が高梨聖健八段(37)に
白番2目半勝ちし、本棋戦史上初の3連覇を飾った。
 優勝した張栩名人・碁聖は中国の優勝者・古力九段との日中決戦を来年1月
17日に行う。2年続けて敗退の張は雪辱を期す。

         (毎日新聞より抜粋)

     ◇  ◇  ◇  ◇

張栩名人が破竹の勢いで、早碁オープン戦でも優勝を果たしました。
これで張栩名人の通算タイトル獲得数は25、歴代単独8位だそうです。
まだ28歳ですので記録はさらに伸びることでしょう。
8月の碁聖戦以降、名人戦、王座戦、天元戦など「週刊碁」に登場する回数は
断然トップの状態です。

敗れた高梨八段は、平成13年の「新鋭トーナメント戦」優勝以来の決勝進出
だそうですが残念でした。
高梨八段の妹さんは山下敬吾棋聖・王座と結婚されているということで、義兄
弟ということになります。王座戦で2連敗と後がない山下王座ですが、張栩名人
には義兄弟そろって苦しめられているようです。
また、高梨八段は囲碁界で「イケメン」との評判ですが男性棋士は成績が第一、
棋戦の方も注目されてほしいところです。



2008-11-23 日中団体戦2008・奮闘記/風鈴会

昨日(11/22)は定例の「風鈴会」の日、講座は「日中囲碁
団体戦2008・奮闘記」。

11/9に行われた日中囲碁団体戦に参加した会員の「級位
者・Oさん」と「高段者・N尾さん」の2局の棋譜解説でした。

この大会、今回私は地域の囲碁合宿と重なり残念ながら不参加でした。

講師の鈴木プロの解説は対戦者の良かった点をベタホメで、解説された人も
気分よく「ヤル気」が更に上がるのではないでしょうか。

囲碁に限らず仕事・勉強・技芸などの教え方として「ホメて能力を伸ばす」、
「スパルタ式で教え込む」、「無言で師の背中を見て修得させる」等いろいろ
ありますが、学ぶ人の特性やレベル、ジャンルなどを考慮して、教え方を考え
る必要があるのでしょうね。

    ◇   ◇

講座のあとの一般対局は○●○の2勝1敗。わりと上手く打てたと思っています。

○1局目の相手は私より先輩らしきT亀さん、互戦で私の黒番。形勢はいったり
きたりのシーソー状態でしたが、最後に相手のミスにより小差で白星。

●2局目はよく当たっている猪突猛進型のN川さん、互戦。大石の攻め合いを
ヨミ切れず、無念にも押し切られました。

○3局目は若手グループで冷静なHさん、黒番2子局。当方の黒模様をかろう
じて支え、相手の地模様を割って優勢となりました。



2008-11-21 囲碁フェスティバル2008/週刊碁

今週の週刊碁(11月24日号)、1面は「天元戦第1局」、最終の20面は「王座戦
第2局」、そして真ん中の10〜11面は「囲碁フェスティバル2008」でした。
このフェスティバルの紙面は若いカラフルな女性が満載で、これが囲碁新聞かと
見間違うほどです。

「囲碁フェスティバル2008」の運営は梅沢由香里プロが代表を務める「IGO AMIGO」
という囲碁普及プロジェクト。
この「IGO AMIGO」は囲碁人口の空白世代(主に20代〜30代)への普及を目的
に、各種イベントやワークショップを開催しているようです。

囲碁普及というと定年後世代がボランティアで子供たちを教えるイメージが濃い
のですが、「IGO AMIGO」は若い人達がオープンな雰囲気で、囲碁を明るく楽し
もうという気持ちが強いようです。

囲碁人口の大半を占める団塊世代以上の人は「そんな軽いノリで囲碁人口が
増えるのか?」と疑問を持つ人もいるでしょうが、何事もやってみなければ分か
りません。

若手の熱意とエネルギーに期待しましょう。そして応援もしましょう。



2008-11-19 第56期王座戦第2局/張快勝、王座奪回に王手

 11月13日、神戸市で行われていた第56期囲碁王座戦五番勝負第2局は、
白番の挑戦者・張栩名人が山下敬吾王座に中押し勝ちし、2連勝で3期ぶり
の王座奪回に王手をかけた。第3局は12月1日に神奈川県秦野市で打たれる。
 序盤で山下王座の疑問手から白の打ちやすい形勢に、その後難解な攻防が
続いたが、左辺に40目の白地を確保し、地合いで白が優勢に。
 その後、劣勢の山下王座は秒読みに追われながら白の一団に激しく襲いか
かったが、張名人は慎重にシノいでスキを見せず、比較的短い手数での終局と
なった。

    (日経e-碁サロンより抜粋)

      ◇   ◇   ◇

張名人が2連勝と快調に飛ばしています。「正確・迅速」勤務先で仕事の心得と
してよく云われましたが、張名人の仕事はまさにそのものですね。

一方、2連敗の山下王座は迷いがあるのでしょうか、イマイチ迫力が感じられま
せん。「山張対決」をもっと盛り上げてほしいところです。

      ◇   ◇   ◇

今回の対局地は神戸市のホテルオークラ神戸。対局室はホテル内にある会員
制囲碁サロンだそうです。
囲碁サロンの案内を見ましたが、料金が一般人にはちょっと退いてしまいそうな
内容でした。
豪華な雰囲気での対局やプロの指導碁など、グレードの高いサービスを求める
人もいるのでしょうね。

某首相が「ホテルのバーは安い」と云ってましたが、飲み屋も碁会所も人それぞ
れということでしょうか。
ただ「高級=満足」という図式ではないと思います。



2008-11-18 第34期天元戦第1局/張栩名人が先勝

 河野臨天元(27)に張栩名人・碁聖(28)が挑戦する第34期天元戦5番勝負
の第1局が11月10日、三重県津市で打たれ、白番の張が中押し勝ちし、初の
天元位奪取に向けて好スタートを切った。第2局は20日、札幌市で行われる。
 地合いで先行する張に河野が追いすがる展開となった本局。河野は模様化を
狙ったが張は黒模様を荒らして地合に大差をつけ、河野を投了に追い込んだ。

<張栩名人の話>
 左下の最初の戦いで結果的に黒が損をしたと思います。右辺の黒が大きく
まとまるかどうかでしたが、白が中でイキたところでは白よしと思います。

<河野臨天元の話>
 左下の戦いで失敗しました。右辺の黒地をまとめるのも大変でした。右辺の
白をもっと攻められると思ったのですが…。

         (中日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

井山八段との名人戦七番勝負(●●○○○●○)で防衛を果たしたばかりの
張栩名人・碁聖、この天元戦でも序盤から優勢を固めて初戦を飾りました。
7月の碁聖戦から名人戦、王座戦、天元戦と4連続のタイトル戦ですが、向か
うところ敵なしの状態です。

一方、天元位三連覇中の河野天元。本局では序盤の作戦に誤算があったよう
で、その後の追い上げも張名人の冷静な対応に屈したようです。
最強の挑戦者を迎え激戦が予想されますが、位負けしないよう堂々と戦って
ほしいものです。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は三重県津市の湯元榊原館。「榊原温泉」は関東圏ではあまり
なじみはないようですが、地元では結構有名のようです。

−−−以下、「ゆこゆこネット」HPより抜粋−−−

榊原温泉 平安宮廷の才女が称えた“美人の湯”
「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」。かの清少納言が「枕草子」で称えた
「ななくりの湯」とは、かつて「七栗郷」と呼ばれていた榊原の湯のこと。
三重県南西部、名阪間の最大の難所・青山峠の東側。のどかな田園風景の中を
流れる榊原川沿いに約10軒の湯宿が連なる。
古の時代、この地の人々は地中から湧き出る湯に神の存在を見出したという。
雄大な自然が息吹く地で、平安宮廷の才女も愛した古湯が今も変わらず愛され
続けている。

津市は三重県の県庁所在地で平成18年1月に旧津市、旧久居市、旧河芸町、
旧芸濃町、旧美里村、旧安濃町、旧香良洲町、旧一志町、旧白山町、旧美杉村
の10市町村が合併して新「津市」としてスタート。この合併で人口は旧津市の
約2倍となる29万人ほどになったようです。

それにしても「津(つ)」と漢字・読みともに一文字の市町村も珍しいですね。



津市の歴史上の人物としては戦国時代から江戸初期の武将、藤堂高虎が
有名だそうです。
徳川家康の信頼厚い藤堂高虎は慶長13年(1608)、伊予今治(愛媛県)から
伊賀・伊勢(三重県)に転封となり、津の町づくりの基礎を築きました。
現在も市内には津城址ほか、ゆかりの地が何か所もあるとのことです。



2008-11-17 第3回若鯉戦/三谷若鯉の頂点に!

第3回広島アルミ杯若鯉戦本戦の決勝が11月2日行われ、三谷哲也五段(23)
が安斎伸彰五段(23)をくだし、初優勝を決めた。329手にわたる大激戦の末の
勝利。
三谷五段は昨年の第二回大会では決勝で敗れ準優勝、安斎五段は第一回、
第二回連続のベスト4。
大盤解説を担当する山田規三生九段によれば、「二人は一緒に研究をする仲で
あり、年齢も同じ。お互いをライバルだと認め合っているでしょう。」とのこと。

     (日本棋院HPより抜粋)

    ◇   ◇   ◇

三谷五段、若鯉戦優勝おめでとうございます。
今まで竜星戦、新人王戦、若鯉戦などで活躍していましたが、優勝にはあと一歩
手に届かなかったようです。
これを機会にさらに上位にジャンプしてほしいものです。

三谷五段は伊勢崎市の出身で、父君は市の学校や囲碁教室で週4回も子供たち
に囲碁を教え、普及に尽力されているとのことです。。
昨日行われた少年少女囲碁大会でも教え子を引き連れ、大会の運営に奮闘して
いました。


日本の碁界は三谷五段のような若鯉の活躍、
そして稚鯉の育成に将来がかかっているように
思います。




2008-11-16 県少年少女秋季囲碁大会/2008




今日は(11/16)は群馬県の「少年少女秋季囲碁大会」が行われ、49名の小中
学生が熱戦を繰り広げました。
出身地域は伊勢崎市が一番多く、地域と学校が連携して囲碁に取り組んでい
る成果が出ているようです。

   ◇   ◇

このところ「うちの子供が囲碁に興味を持っているが、どこにいったら教えてくれ
るのか?」という問い合わせが数件あり、伊勢崎市と前橋市の子供囲碁教室を
紹介しました。

確かに入門者を教える環境としてはまだ不十分といえます。
ピアノやスイミングのように、どこでも楽しみながら囲碁が覚えられるような環境
が整えればと思っています。



2008-11-14 第27期女流本因坊戦第4局/謝、気合の初防衛!

謝依旻女流本因坊に鈴木歩四段が挑戦している、第27期女流本因坊戦五番勝負
の第4局が11月5日に東京・市ヶ谷の日本棋院会館で行われ、白番の謝依旻女流
本因坊が半目勝ちをおさめ、対戦成績3勝1敗で女流本因坊位の防衛を決めた。

第27期女流本因坊戦第3局/謝依旻が2連勝
第27期女流本因坊戦五番勝負の第3局が10月29日に東京・市ヶ谷の日本棋院会
館で行われ、黒番の謝依旻女流本因坊が1目半勝ちして対戦成績を2勝1敗とした。

              (日本棋院HPより抜粋)

      ◇  ◇  ◇

今期の女流本因坊戦は謝さんが、初戦敗れたあと3連勝でタイトルを防衛しま
した。第4局は半目勝ちと相変わらずの勝負強さを発揮しました。

惜しくもタイトルに届かなかった鈴木さん。実力は誰もが認めるところですが、
勝負強さで謝さんのパワーに屈した感じです。またのチャンスを期待しましょう。

女流棋戦では今回、女流本因坊を防衛した謝依旻・女流名人に挑戦する女流
名人戦リーグ(7名)が進行中です。

  ・加藤啓子女流最強位(3勝1敗)
  ・小林 泉美六段  (0勝4敗)
  ・梅沢由香里女流棋聖(2勝2敗)
  ・鈴木  歩四段  (2勝1敗)
  ・吉田 美香八段  (2勝2敗)
  ・知念かおり四段  (3勝1敗)
  ・向井 千瑛二段  (2勝3敗)

現時点では加藤さん、知念さんが一歩リードですが、鈴木さんも1敗で追って
います。

      ◇  ◇  ◇

女流本因坊を初防衛した謝さんの師匠は黄孟正九段。謝さんのタイトル戦では
いつも姿を見せ、心配しているようです。
タイトル戦ではあまり知名度はありませんが、最近は謝さんの師匠として有名に
なりました。

同じく師匠として有名になったのは、先の名人戦で惜しくも敗れた井山裕太八段
の師匠、石井邦生九段。
謝さん、井山さん、一流棋士として名を馳せたのはもちろん本人の努力ですが、
師匠の存在も大きなものだと思います。

現代では師弟という関係は少なくなりましたが、伝統的な芸の世界では生き続
けていくことでしょう。



2008-11-13 第33期名人戦第7局/張栩名人が4勝3敗で防衛

 第33期囲碁名人戦七番勝負の第7局は11月5日から山梨県甲府市で行
われ、張栩名人が挑戦者の井山裕太八段に白番中押し勝ちし、通算4勝3敗
で防衛、通算4期目の名人位を獲得した。
 七大タイトル戦史上で最年少の挑戦者・井山八段に開幕2連敗したが、第3局
から3連勝。第6局で並ばれたものの最終局を勝って防衛を果たした。張名人は
碁聖と合わせた二冠の立場を守った。

<張名人の話>
 厳しい戦いでした。相手の年齢は意識しないようにしたが、負けたくない気持ち
は強かった。

<井山挑戦者>
 自分の力は出し切れたと思うが、実力が足りなかった。また来年、この舞台に
立ちたい。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

張栩名人が中盤過ぎに左辺での難解な攻め合いを読み切り、振り替わった
時点で優勢が確定したようです。
短時間の中で読みの深さと的確な形勢判断は、日本碁界で随一といえるで
しょう。
名人戦と並行しての王座戦(対山下)2連勝、天元戦(対河野)初戦勝利と
絶好調です。

惜しくも十代名人を逃した井山挑戦者、敗れはしたものの最強の名人に堂々
と渡り合った熱戦は見事でした。
今後の日本碁界エースとしてがんばってほしいと思います。

国際棋戦不調で何かと叩かれる日本の囲碁界ですが、七番勝負の熱戦は
他国では見られない重厚さがあります。
それぞれ価値観はあるでしょうが、日本の文化・伝統としてもっと評価されて
もよいと思っています。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は山梨県甲府市の常磐ホテル。常磐ホテルで名人戦が行われ
るのは、昨年に続いて8回目(旧名人戦を除く)だそうです。
ここの庭は、米国の日本庭園専門誌のランキングで20位に入っているとのこと、
一度は訪れてみたいものです。

甲府みやげの定番というと「信玄餅」でしょうか。職場の人が出張した際におみ
やげでよく頂きますが、本当にワンパターンですね。

「ワンパターン」というとあまり良くない印象ですが、伝統的なものは「ワンパター
ン」を踏襲することも必要でしょう。

「変わらなくてはいけない事」と「変わってはいけない事」、日本の囲碁界も適切
な指針が求められています。



2008-11-11 玉村町囲碁合宿(宿泊研修)2008/11



一昨日から泊まり(11/9〜11/10)で、地域の玉村町囲碁会合宿が行われま
した。
参加者は13名で、場所は埼玉県小鹿野町の越後屋旅館です。
合宿の内容は月例会と同様に4回戦リーグの大会。優勝はT・Nさんでした。

私は初戦より3連勝でしたが、第4局でT・Nさんに負け準優勝に終わりました。
その4戦目は優勢な状況で無用なコウに仕掛けたのが敗因、コウ材の確認を
怠りました。
それでも格上の人との難戦を制するなど、内容的には満足しています。

   ◇  ◇

夕食時の懇親会では参加者の自己紹介のあと、地域の情報、健康、趣味の
話題などで盛り上がっていました。
勤務先の囲碁合宿では仕事関係など共通の話題に事欠きませんが、地域の
メンバーとの合宿では勝手が違います。
転勤でこちらに移り住んだ私などはやや戸惑うものがあります。
ベテランの方々に比べ地域の情報に疎く、また年齢的にも若造ですのでそれ
なりの遠慮もあります。

それでもいずれはサラリーマンを卒業し、地域中心に暮らしていくことになり
ます。
囲碁を通して地域の人達と交流を深め、趣きのある生活ができればと思って
います。



2008-11-08 RT囲碁部/2008/11月例会

今日(11/8)は「RT高崎囲碁部」の月例会
でした。
参加者は8名といつもと同じ程度です。

優勝はベテランのF野さん、CATVの「囲碁・
将棋チャンネル」を観戦しているとのことですが、
プロの碁を見ていると形に敏感なるようです。

私の成績は2勝4敗。ハンディが実力以上にアップしたため止む負えませんが、
下手相手でも本手を打つよう、心がけていきたいと思っています。

今回、久しぶりにI川さんが登場。釣りのシーズンが終わると参加してきます。
今のところ「碁キチ」より「釣りバカ」の方に比重が傾いているようです。



2008-11-05 第56期王座戦第1局/難戦制し張が先勝

 10月27日から横浜市で打たれていた第56期囲碁王座戦の五番勝負第1局は、
先番の挑戦者・張栩名人が山下敬吾王座に中押し勝ちし、王座返り咲きに向け
幸先良い1勝をあげた。第2局は11月13日に神戸市のホテルオークラ神戸で打た
れる。

 立会人の石田秀芳二十四世本因坊と小林覚九段による控室の検討でもなか
なか結論が出ず、コウの絡んだ難しい戦いとなったが、最後はコウ材の数を読み
切った張が逆に左上の白の一団を仕留めて勝負を決めた。

    (日経e-碁サロンより抜粋)

      ◇   ◇   ◇

序盤は黒の張名人が快調でしたが、山下王座のシノギを追及し過ぎて白が盛り
返したようです。
終盤、張名人のコウマジックで時間に追われる山下王座を突き放しました。

注目の「山張対決」は本局で張名人が26勝15敗と優勢のようです。
この対決はこれから何度も続くでしょうが、王座戦のように持ち時間の少ない
(3時間)碁では山下王座は不利かもしれません。

      ◇   ◇   ◇

今回の対局地は横浜市の横浜ロイヤルパークホテルで、65階の茶室「開光庵」
で行われました。
まさに天空の対決でしょうか。一昔前までの対局では、予想も出来なかったこと
でしょうね。



2008-11-04 第33期名人戦第6局/井山が勝ち、最終局へ

 第33期囲碁名人戦七番勝負の第6局は10月30日から静岡県伊豆市で
行われ、井山挑戦者が張栩名人に黒番中押し勝ちし、3勝3敗のタイに追い
ついた。史上最年少挑戦者を迎えた今期名人戦の決着は、11月5、6の両日
に甲府市で打たれる最終第7局に持ち越された。

<張名人の話>
 序盤から苦しかった。頑張って右辺白36に打ちましたが、かえって負けを
早めたかもしれません。

<井山挑戦者>
 難しい戦いだったが、うまく打てたと思う。2日目はいいリズムで打てている
と思った。

             (朝日新聞より抜粋)

       ◇  ◇  ◇  ◇

○○●●●とカド番を迎えた井山挑戦者でしたが、臆することなくマイペースで
張名人を破りました。内容的にも充実した完勝との評判でした。

敗れた張名人、対局過多による疲れでしょうか。本局では石運びに焦りがある
ように思われました。

これで七番勝負は明日(11/5)から始まる最終局に持ち越されました。若さと
勢いに乗る井山挑戦者か、修羅場をくぐってきた勝負師・張名人か。名勝負を
期待しましょう。

       ◇  ◇  ◇  ◇

今回の対局地は静岡県伊豆市の「鬼の栖(すみか)」。ここでの名人戦は今回
で12回を数えるそうです。
第6局の対局室に掲げられた掛け軸は「和敬清寂(わけいせいじゃく)」。

(以下、asahi.com「囲碁」欄より抜粋)

◆対局室の掛け軸

 対局室「山科」の床の間には「和敬清寂(わけいせいじゃく)」と書かれた掛け
軸が掲げられている。
茶道で重んじられる精神を表す言葉で、和やかに尊敬しあい、清らかで、どんな
事態にも動じない心のことだ。

いつかはこんな境地に、立てるようになりたいものです。



2008-11-03 風鈴王決定大会2008秋/風鈴会

今日(11/3)は「風鈴会」。今回は講座はなくプロも含めての
囲碁大会。

4回戦を戦い「風鈴王」を争う大会で、優勝はT田さん。
私と同世代でTVで司会をしている「草野仁」さんを軟らかく
した感じですが、碁は強くまさに「スーパーT田」くんでした。

私の成績は●●○○の2勝2敗、ほぼ実力通りという感じです。

●1回戦は初めて対戦する「Y市」さん。中盤までは順調でしたが、終盤に乱れて
 追い抜かれてしまいました。

●2回戦は理論派イメージの「N島」さん。筋のよい手を連発され、完敗でした。
 このところ腕を上げられたようで、私との差も開く一方です。

○3回戦は「チョイワル」系で格上の「F草」さん。コウを仕掛けられましたが、
 思い切って打ち抜いたのが勝因のようでした。

○4回戦は最近よく対戦している「N澤」さん。当方の薄い打ち方で苦戦しましたが、
 相手も疲れたのか終盤の混戦をしのぎ切りました。

出足2連敗でしたが、腐らずによくイーブンに戻しました。

   ◇   ◇

例会の後は10人ほどの常連が集まっての食事会(飲み会)。
今回の大会の反省や、来週行われる「日中囲碁団体戦」のことなど、気ままなで
気まぐれな話題が飛び交っていました。

支配人のN村さん(東南アジア系?)は、私がこの会を「ユル〜イ連帯のグループ」
と評したことを、いたく気に入ったようです。
確かに「脱力系」のメンバーが多いようですね。



2008-11-01 玉村町2008/11月度囲碁大会

今日(11/1)は町内の囲碁月例会で参加者
は22名でした。
私の成績は3勝1敗。初戦から3連勝でした
が、第4局で高校生に負けて優勝を逃してし
まいました。
負けはしましたが若手との対局は、着手の
リズム感がよく気分よく打てました。

3連勝の勝因は相手より少し時間をかけた分、ミスが少なかったようです。
今回の試合運び、流れを継続できればと思っています。

   ◇  ◇

来週の11/9〜11/10はこの囲碁会の合宿です。場所は「RT囲碁部」でいつも
利用している小鹿野町の越後屋旅館。
参加者は12名ほどですが、楽しい合宿になればいいなと思っています。


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