1991(平成3年)11月25日
第5号


巻頭言


●「私と囲碁」  佐藤 和弘 (日立マイコン)


 私と囲碁の出会いは二十年前、会社に入社して六年目のことであった。当時同じ仕事を
していた同期の友人が、相手欲しさにむりやり教えてくれた。当時三級程度だった彼に星目
置かされ、さんざんにいじめられた。そのくやしさと多小興味がわいてきたこともあり、囲碁に
真剣に取り組むようになった。

 二年ぐらいで勝ったり負けたりのレベルまで上昇したが、昼休みに結果を出す早碁ばかり
打っていたため、直感だけで打つ癖がついてしまった。その結果三〜四級以上は上達せず、
勝ち碁をポカで失う事が多かった。この癖は今でも抜けないが、この半年、(た)近くの碁会所
に通うようになって多少囲碁の奥深さが理解できるようになってきた。

 最近は本を購入し、簡単な定石や、詰碁の勉強もはじめ、最初の布石にも気をつかうように
なってきた。

 囲碁は負けると悔しいので、負けがこむとやめて⊥まう人が多いが、ハンディのつけ易いゲー
ムであり、一目でもハンディが上がるよう努力すれば、目に見えて上達する。下手とやって勝つ
より上手とやって負ける方が楽しいと思うようになれば、上達はまちがいない。

 (た)囲碁部の皆さん、時間を見つけて碁会所に行き部全体のレベルを上げるよう全員で努力
しましょう。

 「ごまかして勝つより、負けて本手を憶えよう!」



▼ 「夏期囲碁合宿」開催

・日時:9月28日(土)〜29日(日)
・場所:鬼石町、「八塩温泉」
・参加者:10名

 毎年行われる囲碁部の合宿は、今回ぐっと趣きを変え、温泉でくつろぎながら楽しく行い
たいと9月28日(土)〜29日(日)、にかけ、鬼石町の八塩温泉で総勢十名にて盛大に行
なわれた。

 結果は、表のように加藤氏の優勝となり、大変楽しい合宿となった。

    ◇   ◇   ◇   ◇

大会成績

Aリーグ成績表
No 氏名 段級位 加藤 藤野 鈴木 羽鳥 新井
1 加藤 3段     3 0
2 藤野 1級 ×   × 2 2
3 鈴木 1級 ×   × 2 2
4 羽鳥 3級 × ×   × 0 3
5 新井 4級 × ×   2 2
Bリーグ成績表
No 氏名 段級位 堀田 佐藤 福田 武田 関根
1 堀田 3段   × 3 1
2 佐藤 初段   × 3 1
3 福田 1級 ×   × 2 2
4 武田 2級 × ×   2 2
5 関根 5級 × × × ×   0 4

決勝トーナメント



◎ 『 囲碁合宿名人戦、優勝 』 (日立マイコン)/加藤正二

 恒例の囲碁合宿に備え、前日は早めに就寝し、万全の体調と気力で「八塩温泉」の対局場
に臨んだ。

 私はAリーグを苦戦しながらも全勝し、決勝トーナメントに進んだ。一方、Bリーグは本命の
掘田氏が勝ち抜いており、最後は私と宿敵、堀田氏との一騎打ちかと思っていた。

 しかし、掘田氏は準決勝で鈴木氏との対局を優勢に進めていたが、一瞬魔がさしたか死活の
見損じがあり、予想外の敗退を期してしまった。

 私は準決勝を苦戦の末、勝ち抜き、決勝戦で鈴木氏と対戦、最後は幸運の女神が味方し、
優勝することができた。今回のポイントは鈴木氏が堀田氏の決勝進出を阻んだ点だと思う。
鈴木氏の金星に大感謝!!


◎『囲碁郎合宿に参加して』 電子販/鈴木伊三郎

 去る9月28日〜29日に行われた恒例の日立会囲碁部の合宿に参加させていただいた。
毎年行われるこの合宿には、かかさず参加しているが思うような成績を上げられず、今回も
勝敗を度外視して気楽に参加した。

 ところが今まで何目置いても勝てなかった掘田氏との対局で、初めて勝たせて貰うという
大番狂わせがあり、優勝決定戦に勝ち上がる望外の結果となった。

 加藤氏との決定戦は当然というべきか、負けはしたものの 「俺は強くなったんだ」という
錯覚を起こさせたものである。それほど強烈なインパクトを与えてくれた合宿であった。

 勝負事は負けが込むといい加減になり易いが、勝っても負けても地道に続ける事が実力
アップにつながると、我身に言い聞かせている次第である。



随筆


「不思議な魅力」 堀田修三(リデ製)



 囲碁とは簡単に言えば、地の囲い合いである。自分に決まった、白石か黒石で囲えばよい。
しかし、その単純と思える囲い方がけっこう難しい。

 知的ゲームとはよく言われるが、考える事が苦手な私をこんなにも夢中にさせてしまう『魅力』、
それは何だろう。

 ウッテ上ゲ・鶴の巣ごもり・追い落とし・コウなどの手段を用い、策を弄して相手方と騙し合いを
繰り広げることもあるだろうが、思うに碁盤という無限に広いキャンバスに好敵と楽しい対話をしな
がら、自由な創造を描くことができるからではないだろうか?

 気楽な我々アマチュアだけ打てる、超新手を夢見つつ今日もザル碁を打っている・・・。 

   『堀田流中囲い』打ちたいなア。


発行者:加藤正二 編集者:関根良英

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