1992(平成4年)9月10日 | |
第7号 |
巻頭言 |
●「囲碁雑感」 藤野 勝洋 (工務)
碁の歴史は、古代中国の殷の時代又は紀元前700〜600年戦国春秋時代に易の兄弟分
として起こり、三千年以上の歴史を有し、碁、棋の文字を用いられたと言われている。
日本には三世紀、卑弥呼の時代か四世紀半ばに儒教の典籍に混じって、帰化人と共に日本
の土を踏み、鎌倉、室町、戦国時代に広範囲な層に広まった。そして江戸時代には幕府の文武
奨励策のもと、家元制度が確立され、家元四家(本因坊、安井、林、井上)が技を競い、技術は
飛躍的に向上した。
近代碁は昭和八年、木谷実、呉清源が新布石を展開、三線の実利中心から、四線、五線の勢
力主義に囲碁界は湧き立った。
昨今のプロ碁界を見ると依然、小林、趙といった木谷一門が隆盛を誇っているが依田、小松と若
い棋士の台頭も見逃せない。一方、世界を見ると中国、韓国が着実に力をつけており、日本を脅か
す存存となってきた。
黒、白の石で19×19点上に織りなす戦いに、私達は勝負の楽しさを味わっている。この長い歴
史の中に生きてきたこの文化が朽ちる事なく、若いプロ棋士やアマチュアに伝えられ、発展している
碁界に拍手を送ると同時に、これを支えて戴いている関係各位に御礼を申し上げます。
『夏期囲碁合宿』 四万温泉で開催
・日時:7月4日(土)〜5日(日)
・場所:四万温泉、囲碁民宿 「唐沢屋旅館」
・参加者:13名
恒例の囲碁部夏期合宿は7月4日(土)〜7月5日(日)に、四万温泉にある囲碁
・将棋民宿 「唐沢屋旅館」において総勢13名が参加し、熱戦を繰り広げた。
大会は表の通り、本格派の山本氏が決勝トーナメント制し、晴れの優勝を飾った。
爽やかな自然、のんぴりとした温泉、口八丁・手八丁の囲碁と大変楽しい合宿であった。
(加藤)
◇ ◇ ◇ ◇
大会成績
No | 氏名 | 部署 | ポイント | 堀田 | 加藤 | 山本 | 鈴木 | 勝 | 負 | 順位 |
1 | 堀田修三 | リデ製 | 1 | 〇 | 〇 | 〇 | 3 | 0 | 1 | |
2 | 加藤正二 | マイコン | 3 | × | × | 〇 | 1 | 2 | 3 | |
3 | 山本師久 | マイコン | 4 | × | 〇 | 〇 | 2 | 1 | 2 | |
4 | 鈴木伊三郎 | マイコン | 6 | × | × | × | 0 | 3 | 4 |
No | 氏名 | 部署 | ポイント | 羽鳥 | 手塚 | 新井 | 武田 | 勝 | 負 | 順位 |
1 | 羽鳥和夫 | PKG | 9 | 〇〇 | 〇 | ×〇 | 4 | 1 | 1 | |
2 | 手塚広士 | 標設 | 9 | ×× | 〇 | 〇× | 2 | 3 | 3 | |
3 | 新井茂 | 生技 | 9 | × | × | ×〇 | 0 | 3 | 4 | |
4 | 武田正久 | DECO | 8 | 〇× | ×〇 | 〇 | 3 | 2 | 2 |
No | 氏名 | 部署 | ポイント | 藤野 | 福田 | 船田 | 関根 | 佐藤 | 勝 | 負 | 順位 |
1 | 藤野勝洋 | 工務 | 7 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 3 | 1 | 2 | |
2 | 福田康夫 | 試セ | 7 | × | 〇 | 〇 | × | 2 | 2 | 3 | |
3 | 船田克 | 東エレ | 8 | × | × | 〇 | × | 1 | 3 | 4 | |
4 | 関根良英 | 東エレ | 10 | × | × | × | × | 0 | 4 | 5 | |
5 | 佐藤征 | 資企 | 7 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 4 | 0 | 1 |
決勝トーナメント
◇ ◇ ◇ ◇
◎ 『 囲碁合宿名人戦、優勝 』 (日立マイコン)/山本師久
囲碁部の合宿参加は初めてで、四万温泉での温泉三昧を楽しみに参加させて項いた。
2回の月例会に続き、三度日の参加で場数を踏んでいないだけに、緊張して臨んだ。とは
いえ梅雨時にもかかわらず、天気は良く四万温泉への往路は、さわやかな木々の香りをさせ、
リラックスな気分になった。
このせいか、リーグ戦2位、決勝トーナメント優勝をさせて頂いた。初めて対局した堀田氏に、
練習碁をはさんで一敗一勝、日頃負けが込んでいた加藤氏にも一勝。攻めの厳しい羽鳥氏に
も勝ちを拾わせてもらった。
次回もまた、皆さんとの戦いを楽しませてもらおうと思っております。よろしくお願いします。
◇ ◇ ◇ ◇
◎『囲碁合宿に参加して』 (PKG)/羽鳥和夫
今年は四万温泉での合宿ということで楽しみにしていた.宿につくと大広間に七、八面の碁盤
が並べられており、雰囲気はいやがうえにも盛り上がってきた。
午後から始まる手合いの前に、温泉街を散策すると、釣り糸をたれる人、詩吟を吟ずる人、人そ
れぞれ自然を楽しんでいる様子であった。
手合いは午後一時から十一時頃まで熱戦が繰り広げられたが、そこは温泉のよさで、手合いの
合間にゆつくりと温泉に入り、頭と身体をリラックスさせてからまた手合いにもどる、という具合で
充実した合宿であった。
私の成横は決勝トーナメント準決勝で山本氏に惜敗したものの、予選リーグで優勝することができ
充分満足のいく合宿であった。
随筆 |
「囲碁との出会い」 関根 良英(東エレ)
正直言って囲碁を始めて、これほど長く(約十年)続くとは夢にも思わなかった。なぜなら、一応、
石が並べられれば、老後は退屈しないだろうと軽く考えていたからだ。
ところがいざ始めてみると、こんなに面白く奥の深いゲームはない。なんでも「碁に凝ると親の死に
目にも会えない」と言われているようなので、冗談ではなく注意しないといけない。
さて、囲碁との出会いだが高校の時、よく職員室で先生方が碁板を広げ、パチッ、ジャラジャラ、ア
タリといった感じで打っていて、私にはすごく新鮮でかっこよく映った。そしていつか自分もやってみ
ようと・・・
そんな下地があったからだろうか、入社して生技のAさんと、人の対局を見たのがきっかけで始まり、
その後、DECOのTさんが加わり、指導はPKGのHさんと、大変お世話になった。ここまで続けられた
のは、仲間のおかげだと思っている。
これからも、末永く続けていくつもりである。
発行者:藤野勝洋 編集者:加藤正二