1993(平成5年)2月20日 | |
第8号 |
巻頭言 |
●「忘られぬ一局」 松沢 学 (標半部)
勝負にはあまりこだわらぬ方だが、忘れられぬ一局がある。(た)囲碁部で最強の堀田氏に
初めて四子置いて対戦した時の一局である。
終盤までは会心といえる出来だったが、最後に白に起死回生の手を打たれ負けてしまった。
手入れしておかなかった自分が悪いと、その時は納得し忘れていたが、あとで幹事の人が送っ
てくれた終局の写真をみて大きなショックを受けた。
下の棋譜がそれで(△)の手を打たれ、もはやこれまでと投了したわけだが、あとで考えれば
どう打っても白に手はなかった。
予想外の手を打たれ気が動転し、完全に平常心を失っていたと思う。ショックだったのは勝ち
碁を失った事より、自分の甘さ、未熟さである。
碁の上達には技術面だけでなく、精神面の修業も同じように重要である事を痛感させられた、
という点で忘れられぬ一局である。
緻密で粘着質、かつ負けず嫌いな性格が勝負師の条件で、どういうわけか風貌としては、眼鏡
をかけ額が広くなければならないという珍説もある。自分の場合眼鏡以外はすべて反対であり、
所詮勝負師にはなりえない。いまさら性格、風貌を変える事は難しいので、地道に精進して少しづ
つ前進するしかない。
幸い囲碁部には実力伯仲の良きライバルがひしめいており、彼らをやっつけ勝利の快感を味わう
事を励みにがんばりたい。
『(た) VS (栃) 囲碁対抗戦』
・日時:平成4年10月31日(土)
・場所:(栃)/「般若面クラブ」
・参加者:(た)8名、(栃)10名
今期、囲碁部の重点活動である対外試合の第一弾として栃木工場と対抗戦を開催した。
10月31日(土)抜けるような秋晴れの朝、(た)囲碁部の精鋭(?)8名は両毛線で(栃)に向かった。
(栃)の「般若面クラブ」大広間には囲碁部の強豪10名が出迎え、早々に対局を開始した。成績は
一進一退、結果は(た)の14勝19敗と負け越した。敗因は(栃)側の「地の利」と分析した。
昼食会では囲碁部の活動状祝やメンバー紹介を行い交流を深めた。(栃)の厚い歓待に感謝し、再会
を確認して、帰途についた。
(マイコン/加藤)
『(た) VS (原研) 囲碁交流会』
・日時:平成4年11月11日(水)
・場所:(原研)/「国際交流会館」
・参加者:(た)10名、(原研)14名
平成4年11月11日(水)一斉定退日を利用し、高崎原子力研究所(原研)との交流対局をおこなった。
場所は(原研)に隣接した「国際交流会館」で(原研)から14名、(た)からは10名の精鋭が参加し、
熱戦を繰り広げた。
対局前に豪華なホールで夕食会が催され、佐藤(原研)高崎研究所長と上山(た)品質保証部長の
挨拶、双方囲碁部の紹介が交わされた後、対局に入った。
(原研)は五〜七段と強豪揃いであったが、(た)は善戦し五割の戦績を納めることができた。
(原研)側の誠意に感謝しつつ、次回は(た)での再会を約束。交流を十分暖め合うことができた。
(試セ/福田)
『月例会報告』
・日時:平成4年9月26日(土)
・場所:赤城クラブ
・参加者:8名
山本氏(マイコン)が堂々の5連勝で優勝。ポイントを1ランク上げた。
・日時:平成4年11月28日(土)
・場所:赤城クラブ
・参加者:12名
今回は平成4年の納会を兼ねて開催。Aブロックは山本氏(マイコン)が連続制覇、
Bブロックは新井氏(生技)が優勝し、それぞれポイントを1ランク上げた。
『新年碁会』
・日時:平成5年1月4日(土)〜1月5日(日)
・場所:鬼石町、「ヤシオカン」
・参加者:7名
新年碁会は毎年正月連休に有志が集まって行う碁会で、今回は1月4日(月)〜5日(火)、
鬼石の「ヤシオカン」に七名が参加し、開催された。
新年の打ち初めという事もあり、「今年こそは」という意気込みと正月のほのぼの気分が混じっ
た雰囲気の中で行われた。
成績は幹事の武田氏(DECO)が6連勝で優勝、ポイントを1ランクあげた。
『新春囲碁大会』
・日時:平成5年2月26日(土)
・場所:赤城クラブ
・参加者:14名
恒例の新春囲碁大会が2月26日(土)、赤城クラブに於いて14名の参加者のもと盛会に行われた。
今回は上級Aリーグと中級B1、B2リーグの3リーグで優勝を争った。上位成績者は下記の通り。
◆Aリーグ
優 勝:上山(品証)2勝1敗
準優勝:中島(東セミ)2勝1敗
◆B1リーグ
優 勝:武田(DECO)4勝0敗
準優勝:杢屋(生技)3勝1敗)
◆B2リーグ
優 勝:鈴木(品証)3勝0敗
準優勝:羽鳥(PKG) 2勝1敗
『全日立会・社長杯囲碁大会』
・日時:平成5年2月13日(土)
・場所:東京、「日本棋院」
・参加者:28チーム
去る2月13日(土)、東京の日本棋院に於いて「全日立会・社長杯囲恭大会」が全社より28チーム
(1チーム5名)の参加をえて、開催された。
(た)はBブロックで(つち)(シ研)(システム)と対戦し、いずれも敗退し涙をのんだ。
優勝は(デセ)、準優勝(シ研)、以下(汎用)(お)(日研)(計)の順位であった。
『日立高崎碁友会』設立
昨年11月、「日本棋院」の会員組織として「日立高崎碁友会」を設立し、現在16名が会員になって
います。
会員料(年額)は有段者向けの棋道会員(月刊誌「棋道」配布)が8,700円、級位者向け碁会員
(月刊誌「レッツ碁」配布)が6,200円です。
入会希望者は囲碁部役員まで
随筆 |
「囲碁との巡り合い」 杢屋 錦司(生技)
私の囲碁打始めは友人留守宅での事、その父親から「帰りを待っている間に囲碁でもやらないか」
の一言からだった。もちろん「星目風鈴」からの対局。帰宅した友人そっちのけで徹夜となってしまった。
これ程までに熱心な師に出会わなかったら、老人の遊びと決め込み、囲碁の無限の世界を知らずに
いただろう。
しばらく遠ざかっていたが、第二の出会いは入社直後の工場実習時代だった。寮の二人部屋に入った
相手が囲碁をやるというので早速対局となった。盤上ほとんどの石が殺されてしまい、負け惜しみに棋カ
はどのくらいかと問うと、五段という返事。実力差を初めて痛感した。
またしばらく遠ぎかっている中、打つ立場から見る立場になっている折、日立会囲碁部の名幹事である
Tさんからの誘いが第三の出会いとなったようだ。
これから初段を目指して頑張ります。新入部員ですが皆様よろしく御指導の程、お願いします。
対局者を前にした初手の石音が、また私を誘っている。
発行者:藤野勝洋 編集者:加藤正二