1994(平成6年)9月5日 | |
第12号 |
巻頭言 |
●「バランスと考え方」 堀田 修三 (リデ製)
囲碁は『置石(ハンディ)』さえすれば、棋カの違う人とも十分楽しめるゲームです。
アマチュアとプロの差はどこにあるのでしょう? 私なりに思っているのはプロは「形」
で一目、二目の為に大石の生死を賭けて勝負に出ます。しかし、アマは大きな犠牲を払っ
ても、生きることに執着します。尺度の違いといってしまえばそれまでですが、ここに棋力
の差が表われているのです。
囲碁はどのような場面でも一手一手、交互に打つので均衡を保つ考え方が大切になって
きます。定石はほとんどが互角のワカレになっていますが、先程の考え方と共通したもので
す。
よく聞く話に『定石を覚えて弱くなった。』と言うのがあります。これは棋力が下がったので
はなく、用い方を間違えているのです。覚えるとどうしても使ってみたくなるのが人情で、周
囲の状況に関係なく打ってしまい、局面を悪くしてしまうのです。
バランスを保つには相手の考えを邪魔する事も必要で、また邪魔された方も別手段を考
える事になります。こうして双方が最善の構図を考えたり、消したりして最後まで手に汗握
る好局が生まれると思います。
自分ばかりが良くなる様に見えてしまうと、何も考えないですぐに石を置き、局面を不利
にしてしまいます。石を置く前にもう一度、そこに石があると仮定し、それで『OK』と判断し
たら、石を置くようにして下さい。これは役に立つと思います。
大局観を大切に、序盤からの考え方を通して『半目』勝ちを夢見つつ、ライバルと共に
棋カを向上させましょう。
『群馬囲碁情報』
◎朝日アマ十傑戦県大会 (5月29日)
@藤崎顕(高崎市) A篠田樹之(高崎) B丹羽明(桐生) C栗原忠継(前橋)
D長谷川義則(高崎) E金谷渡(吉井) F今西知宏(前橋)G水田誠治(藤岡)
H平石成(前橋) I浅井忠(大泉)
◆全国大会(7月31日〜)
@平田博則氏、日立の原田実氏は七位、群馬・藤崎選手は一回戦で敗退
◎アマ本因坊県大会(6月26日)
@石井成幸(薮塚本町) A宮正輝 B高山大徳 C長谷川義則
◆全国大会(8月19日〜)
@高野英樹氏、群馬・石井選手は予選リーグを突破、本戦一回戦で敗退
◎高校囲碁選手権県大会(6月26日)
▽男子団体 高崎高校(小川高明、牧野孝広、花田秀一)
▽女子団体 吉井高校(野中尚美、小林由美、河上知美)
▽男子個人 小川高明、牧野孝広
▽女子個人 堀米明日香(高崎女子高)
◆全国大会(7月25日〜)
▽男子団体 @開成高校(東京)、高崎高は初戦で山口・徳山高校に敗退
▽女子団体 @倉吉東商校(鳥取)、吉井高は初戦で大分上野丘高校に敗退
▽男子個人 @大野鉄平(大阪・清風高)、群馬・小川選手は一回戦勝利、二回戦敗退、
牧野選手は一回戦敗退
▽女子個人 @林美帆(静岡・浜松北高)、群馬・堀米選手は一回戦勝利、二回戦敗退
◎少年少女囲碁県大会(6月19日)
▽中学生 松永典之(高崎高南中3)、宮崎健志(吾妻郡中之条中2)
▽小学生 三谷哲也(伊勢崎名和小3)、掘米顕久(高崎城東小4)
◆全国大会(8月2日〜)
▽中学生 @佐藤夏樹(港区立芝浜中3)、群馬・松永、宮崎両選手共、初戦で敗退
▽小学生 @石井茜(上尾市立中央小6)、群馬・堀米選手は一回戦、二回戦突破、
三回戦で敗退、三谷選手は初戦敗退
『夏期合宿大会』
・日時:平成6年6月25日〜26日
・場所:鬼石町自然活用センター
・参加者:9名
◆リーグ戦上位成績
加藤 (マイコン) 7勝1敗
武田 (DECO) 6勝2敗
福田(工務) 5勝3敗
『高崎地域・勤労者囲碁大会』
◎5月14日(土)、参加者(4名)、於:高崎市労使会飽
◆B・Cブロック上位成績
優勝 西澤 (たM製)
準優勝 新井 (生抜)
『連合高崎・囲碁大会』
◎8月21日(日)、参加者(4名)、於:高崎市労使会館
◆Cブロック上位成績
三位 鈴木(電子販)
『月例会報告』
◎5月21日(土)、於(赤城クラブ)、参加者(12名)
◆上位成績
山本 (マイコン) 4勝0敗
堀田 (リデ製) 3勝1敗
◎7月23日(土)、於(赤城クラブ)、参加者(12名)
◆Aリーグ上位成績
藤野 (工務) 4勝0敗
加藤(マイコン) 3勝1敗
◆Bリーグ上位成績
小渕(半事/軽子) 5勝1敗
西澤(たM製) 4勝1敗
日本棋院「段級位認定大会」
◎8月7日(日)、参加者(6名)、於:日本棋院/八重州囲碁センター
☆ 免状取待者
◆四段戦・掘田(リデ製)4勝0敗
◆初段職・武田(DECO) 4勝0敗
・鈴木(電子販)3膠2敗
・中嶋(品証) 3勝2敗
『初段免状獲得』 DECO/武田正久
私が囲碁部に入部した頃は一番弱く、いつも悔しい思いをしていました。そして、いつかは初段を
と昼休みの対局および赤城クラブでの各大会に参加し、実力アップをはかってきました。
過去、認定大会で二名の方が初段を取得しており、つぎは自分の番だと思っても、内弁慶で思い
通りの成績を残すことが出来ませんでした。この大会はマッタなしの緊張感があり、初めて会った人
との対局で、いつも戸惑い、勝手読みでつぶれていました。
今回の対局では、前半リードされるケースが多かったが、粘り強く戦い、三回戦まで連勝で勝ち上
がりました。四戦目(三勝同士)は、中学二年の男子でかなりのプレッシャーを感じましたが、最後ま
で丁寧に打った結果、「四連勝」という思わぬ好成績で昇段することができました。
今後も良きライバルと対局しながら、更に高段位を目指したいと思います。
☆☆ 囲碁川柳 ☆☆
白黒で 夢を繊りなす 宇宙戦 (藤野)
うつむいて 気付かずを待つ 打ち損じ (中嶋)
随筆 |
「私の囲碁」 上野七郎(1ウ製)
私の囲碁との出会いは、入社したての寮生活をしていた頃にはじまる。当時は今と違って麻雀が
盛んで、寮のあちこちの部屋から週末ともなると、ジャラジャラと牌をかき混ぜる音がしていた。当然、
私もその一員として参加していたが、しばしば卓の席数よりも頭数が多く集まり、席よりあぶれた人
が時間潰しに、碁石を握ったのが始まりである。
この様に始めた囲碁であるので、半チャンの間という時間内で必然的に早打ちを旨(?)として、打っ
ていたように記憶している。
こんな覚え方をしたためか、はたまた持って生れた性急さと「おっちょこちょい」の性格のためか、早打
ちがしみつき、まったく上達出来ないでいた。
あまり上達できない事を、仕事の忙しさのせいにして、ここ十年ほど囲碁から遠ざかっていたが、たま
たまある人から声をかけられ今年から囲碁部に参加させて貰っている。
この十年ほどのブランクで、昔打っていた人達に大きく差をつけられ、何目かの石を置かないと勝負に
ならない程になっているが、これを契機に少しは勉強し、また考えて打つよう心掛けていこうと思っていま
す。
宜しくお願いします。
発行者:藤野勝洋 編集者:加藤正二