●○● 天声人碁 ●○●


2009年4月

2009-04-30 群馬県高校囲碁団体戦/2009



昨日(4/29)、県内の高校囲碁選手権/団体戦(3名/チーム)を見学して
きました。
参加校は男子が5校(8チーム)、女子が2校(3チーム)で、女子の参加校
が減少気味です。

男子優勝は高崎高校Aで順当な結果でしょうか。全国大会での上位進出が
期待されます。
女子優勝は富岡東高校A、指導者の熱意が好成績につながったようです。

上位の選手の数人は「少年少女囲碁大会(小・中学生)」で活躍した選手も
見られましたが、高校の部活で覚えた人も多いようです。
小学生である程度のレベルに達しても、中学生になって離れていく人も多い
ようです。残念なことです。

TVアニメ「ヒカルの碁」の再放送がスタートしましたが、囲碁のPRになれば
と期待しています。 

     ◇   ◇

囲碁は基本的には個人競技ですが、チームで戦うのも違った面白さがあり
ますね。
社会人ですと団体といっても、囲碁の場合は職域、地域、同好会など様々
で難しいところがあります。

学生の場合は学校という一つの集団で、連帯感・使命感も強いと思います。
一つの目標に向かってチーム一丸となって戦う。欲や打算もない真摯な姿
勢がまぶしく映ります。

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2009-04-27 歴史小説/新三河物語

◆書籍紹介
 ・書籍名:新三河物語(上)(中)(下)
 ・発行所:新潮社
 ・著者:宮城谷 昌光
■内容紹介
 ・今よみがえる、大久保一族の清冽な「忠」。戦国末期を描き切った待望
  の歴史巨篇

 ・武士の在り方を生涯問いつづけた大久保彦左衛門が見る、家康の天下
  統一への軌跡


   ◇   ◇

本ブログの書籍紹介では囲碁関連が大半ですが、一般小説も気まぐれで
読んでいます。
私の郷里が三河地方であることから、本書に関心を持ち読み始めました。
歴史小説は登場人物や地名が複雑なこともあり、上、中、下と1ヶ月に1冊
のスローペースでした。

「大久保一族の血縁・結束力の強さ」
現代では核家族化が進み、一族という絆が希薄になりつつあります。
家系に束縛されるのは面倒なこともありますが、有難いこともあります。
利を求めず、喜怒哀楽を共有できればと思います。

「君主、晩節をけがす」
信長、秀吉とも晩節は醜悪な面が目立ちましたが、家康も同様な過ちが
見られます。
権力を掌中にすると、世間を見る目が濁ってくるのでしょうか。



2009-04-26 本因坊丈和から攻め力を学ぼう!/風鈴会

昨日(4/25)は定例の「風鈴会」の日。
講座の内容は「本因坊丈和から攻め力を学ぼう!」
というテーマで、江戸時代の名局解説でした。

この時代の持ち時間はほぼ無制限だと思われますの
で、ヨミの広さ・深さは並々ならぬものを感じさせます。

「力の丈和」と云われていますが、盤外でも碁界の最高位「名人・碁所」
を得ようと、権謀術を尽くし権力の座に着きます。
どの世界も権威と実力の両方を、我がものにするのは難しいことのよう
です。

   ◇   ◇   ◇

講座のあとの一般対局は3連敗と惨々たる結果でした。3局とも互戦で
の白番、白番の勝率がイマイチです。

●1局目は初手合いのS崎さん、互戦の白番。コウの戦い方が拙かった
 ようです。
●2局目は韓国のOさん、互戦の白番。ヨミと集中力で相手の方が優っ
 ていたようです。
●3局目は長考派のA井さん、互戦の白番。終盤のヨセで逆転負け、
 粘着力の差でしょうか。

   ◇   ◇   ◇

例会の後は常連が集まっての懇親会。
クサナギくんの騒動はここでもトップの話題、お酒には注意ですね。

支配人のN村さんが「俺って、草食系かな〜」との発言に全員がブーイ
ング。集まった仲間うちでは、草食系から一番遠いイメージだと思うので
すが・・・?

「草食系と肉食系」、「ソース派と醤油派」など、いろいろ色分けをします
が、本人が思っているのと他人から見た印象は結構、差があるもので
すね。



2009-04-24 中国大躍進、中国棋院/呉六段に聞く

今週の「週刊碁」に中国囲碁界の活況について、中国棋院/呉玉林
六段の談話が掲載されていました。

 ◎若年層の棋士で日本は中国に大きく差をつけらましたが、なぜで
しょ
う?

 呉「一番の問題は、日本で碁を勉強する子供の数が減ったというこ
とではないでしょうか。おそらく日本とは相当な開きがあるはずです。
その差が今の国際棋戦の結果となって表れてきているのだと思いま
す」

 ◎なぜ日本では子供の間に碁が広まらないでしょう?

 「日本では子供の遊びの選択肢がとても多いからではないでしょう
か。私はかつて国際棋戦の日本開催時に大盤解説会を見たことが
ありますが、来ているお客さんはほとんどが中高年の方でした。
中国では逆に、ほとんどが子供です」

 ◎中国では子供たちに対し、どうやって碁をアピールしているので
すか?


 「国際棋戦で中国の選手が勝つようになり、スター棋士が誕生して
きました。それをマスコミがしっかりと宣伝したことで碁が社会的に認
知され、それを見た親たちが子供に碁を覚えさせ、プロにならせようと
考えるという流れですね」

 「親たちは子供に何か特長を持たせようとしています。その意味で
碁は、頭を良くするとともに勉強にも役立つという考えが浸透している
のです」

 ◎今や世界的なスーパースターとなった棋士や、十代から国際棋戦
活躍する新鋭はどうやって、ここまで強くなったのですか?
またなぜ、このように強い若手が次々と出てくるのでしょう?

 「中国棋院の中にナショナルチームというものがあります。成績が
悪いとすぐにチームから外されてしまうような、厳しい競争の中に置か
れています。となれば当然、この中から強い子供が出てくるわけです」

 「ナショナルチームは各地から発掘された優秀な子供たちがすべて
北京に集められています。そして一緒に勉強や訓練をしているので、
その内容も自然とレベルの高いものとなってきます」

 「強い棋士が誕生するためには才能、環境、努力の三つが必要で、
どれか一つが欠けてもいけません。その意味で今の日本には環境 −
 つまり競争体制が整っていないということなのでしょうか。才能と努力
に関しては、中国も韓国も変わらないでしょうから」

   (「週刊碁4/27号」より抜粋)

   ◇   ◇   ◇

中韓での「囲碁」は頭脳競技。野球やサッカー同様にスポーツと同じ
位置づけで、英才教育を進めてきたのでしょうね。
日本では長い間、「芸道の一種、大人の趣味」のような雰囲気があった
と思います。
このような意識の違いが、現在の日本勢苦戦の一因のように思います。

ただ中韓と同じような進め方がベストでしょうか? 国際棋戦の成績を
考えれば「YES」かも知れません。
しかし日本の伝統文化・棋道という側面からみると、「勝負最優先、ゲー
ム化傾向」という流れには異論もあります。

日本伝統の柔道や相撲などは国際化により、文化、精神性が損なわれ
てきた部分も否めないように思います。

そして「囲碁」は? 中韓と同じカラーというのはどうでしょうか。
日本の独自性・存在感を強調したいところです・・・。 



2009-04-22 第22回富士通杯/山下・河野8強

 世界の強豪24人が戦う第22回世界囲碁選手権・富士通杯は
4月11日に東京の日本棋院で開幕し、13日の2回戦を終えて、
山下敬吾棋聖、河野臨九段の2人がベスト8に勝ち残った。

 日本の出場棋士は張栩名人、羽根直樹本因坊、高尾紳路十段、
森山直棋九段、井山裕太八段を加え7人。2回戦から出場の山下を
除く、6人全員が1回戦を突破したが、2回戦は2勝5敗だった。

準々決勝は6月6日、ソウルで。山下は李昌鎬九段、河野は朴永訓
九段の韓国勢と対戦する。

   (朝日囲碁Webより抜粋)

  ◇  ◇  ◇

1回戦では6戦6勝と近来にない好成績でしたが、2回戦では2勝5敗
と残念な結果となりました。
それでも山下・河野の両者がベスト8に進出、準々決勝以降の活躍が
期待されます。

準々決勝進出者の国別は韓国:4人、中国2人、日本2人となっており、
韓国勢が優勢のようです。
また年齢は下記の通りですが、国際棋戦では20代が主流になってい
ますね。

・李 昌鎬 九段(33・韓)
・常  昊 九段(32・中)
・山下敬吾 九段(30・日)
・河野 臨 九段(28・日)
・李世ドル 九段(26・韓)
・朴 永訓 九段(24・韓)
・朴 文尭 五段(20・中)
・姜 東潤 九段(20・韓)

  ◇  ◇  ◇

国際棋戦における日本勢の沈滞がここ10年ほど続いています。
囲碁ファンからは「棋士の努力が足りない」、「棋院の対応がまずい」等々、
不満が聞こえてきます。
確かにそういった問題もあるでしょうが、深刻なのは囲碁人口の減少だと
思います。

団塊より上の世代ですと、男性の2割程度は囲碁を打ったことがあると
思われます。
職場や町内のどこからでも石音や駒音が聞こえてくるように、囲碁・将棋
は成人男性にとって最も身近な趣味でした。
プロ棋士や棋院の動向なども、一部の上級者を除いてはあまり関係はな
かったでしょう。

それが団塊世代以下の世代になると、すっかり様相は変わってしまいま
した。
ある程度のレベルなるには時間と労力を要する趣味は敬遠され、手軽で
即物的な楽しみ方が多くなったように思います。
日本人のライフスタイルの変化に、囲碁は追従できなかったということで
しょうか。

今後の囲碁人口拡大には子供と女性がキーポイントになりそうです。
こども達にとってはヒーローが、女性にとってはオシャレ感覚が必要で
しょうね。 



2009-04-20 第47期十段戦第4局/張勝ち五冠達成

「第47期十段戦五番勝負」の第4局が、4月16日、愛知県蒲郡市で
行われ、黒番の張栩四冠がライバルの高尾紳路十段に中押し勝ちし、
対戦成績を3勝1敗として初の十段位を獲得した。

 張新十段はこれで五冠となり、囲碁界で現行の国内7大タイトル戦に
なった昭和52年以来初の快挙。これで通算獲得タイトルが28となった。
張新十段は昨年、碁聖と名人を防衛し、天元と王座を奪取していた。

<張栩新十段の話>
 きょうの碁は終始苦しくて、運がよかった。シリーズ通してうまく打てて、
実力は出し切れたと思います。
 責任はさらに重くなるし、やはりもっと国際戦でも結果を残さなくてはい
けないと思います。

<高尾九段の話>
 難しい碁で、あまりいいところはなく、コウ材をなくすような手を打って
しまいました。

      (以上、産経新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇

 初の大記録について張五冠は「意識しないようにしていたが、3局目を
勝った後、少しだけ考えた」と振り返った。これで日本の棋界を制覇した
印象だが、「トップの中の一人であることは間違いないが、一番強いとは
思っていない」とあくまで控えめ。

 ただ、天元戦など1日制の4タイトルすべてを獲得したことに「持ち時間
が4時間、3時間と短い方が自分らしい碁を打てる。その4タイトルすべて
を獲得できたのは、自分らしい記録だと思う」と胸を張る。

 一方で「ただ、今はまだ獲得したばかり。1年を終えた時、五冠のまま
あれば本当にすごいと思う」と今後の防衛戦に向け気を引き締めた。
今後、
七冠全制覇の期待も高まるが、「体力的にも棋力的にも今の自分
では無理
でしょう」と笑った。

      (以上、中日新聞より抜粋)

    ◇  ◇  ◇

張栩・新十段は今回の奪取で国内7大タイトルのうち、棋聖(山下)、
本因坊(羽根)以外の五冠を保持することになりました。大変な記録
ですね。

現行の七大タイトルがそろったのは77年。これまでは4冠制覇が最多
で、加藤正夫名誉王座(79、87年の2度)、二十五世本因坊治勲
(83年)、小林光一九段(86年)、張(08年)の4人が達成。それ以前
には二十三世本因坊坂田栄寿の6冠制覇(61、64年の2度)という
記録があるそうです。

十段位を奪われ無冠になった高尾九段、残念でした。
本局では中盤まで優勢とのことでしたが、コウダテに構わずコウを解消
したため、大石が死んで投了となりました。何か誤算があったのでしょう
か。
十段位は失いましたが5月中旬から、羽根本因坊との本因坊戦七番
勝負が始まります。こちらの方に全力を注いでいくことでしょう。

将棋界では現在、羽生・四冠が7大タイトルの半数以上を占め、過去にも
大山、中原など長期にわたり一人の棋士にタイトルが集中する傾向がある
ようです。
囲碁界も今回、張栩・五冠の誕生で独占状態となりましたが、長期政権に
なるか、群雄割拠に戻るか、今後の覇権争いに注目しましょう。

本シリーズ第3局(4/9、木)と第4局(4/16、木)の間には、「世界囲碁
選手権・富士通杯」の1回戦(4/11、土)、2回戦(4/13、月)が行なわれ、
張・高尾の両者も出場しています。

1回戦は両者とも勝ちましたが、2回戦では張は李世ドル・九段に、高尾
は李昌鎬・九段と韓国の優勝候補二人に敗れてしまいました。
この過密日程では体力がものをいいそうですが、もう少し余裕のある日程
で対局してもらいたいと思いますね。 

    ◇  ◇  ◇

今回の対局地は愛知県蒲郡市の「旬景浪漫 銀波荘」。囲碁・将棋の
名勝負が何度も行なわれています。
蒲郡市は私の郷里より車で1時間ほどのところで、実家にいた頃は海水
浴や潮干狩りに出掛けたものです。

20代前半の頃、夏期休暇に勤務先の先輩と蒲郡沖にある三河大島
(無人島)へ海水浴に行ったことがあります。
船で島に渡り、そこから500mほど離れた小島までの往復を泳ぎまし
たが、浜辺の海水浴と異なり、海の深さや潮流を考えるとスリルがあり
ましたね。
また泳いでいる時に時々「ヌルッ」としたものが身体に触れましたが、
クラゲでしょうか。有害でなく助かりました。
真夏の太陽が降り注ぐ、青春の一頁を思い出します。 



2009-04-19 玉村町囲碁会/2009年4月週定例会

昨日(4/18)は町内囲碁会の週定例会
に参加してきました。参加者は20人弱
でしょうか。

大会ではないので適当に手空きの人を
見つけて対戦します。
昨日は私の常先で"O原さん"と対戦、
1敗1勝でした。

対局のテーブルは会議用なので碁会所などのテーブルより、やや高く
見づらい面があります。
あと普段はネット対局が多くパソコン画面の大きさに慣れているためか、
しばらくは感覚の調整に時間を要することになります。
それでも無機質なネット対局に比べて、何気ない会話やボヤキなど
「生碁」ならではの空気を感じます。
今後もネットと生碁をバランスよく対局できればと思っています。

   ◇  ◇

この会には小学生が2名来ています。一人は女子ですが、足が不自由
のようで母親に付き添われて来ています。
まだまだ初心者のレベルですが、"S田さん"がいつも丁寧に教えていま
す。
ハンディを負っていますが、囲碁が少しでも日々の暮らしにプラスになれ
ばと願って止みません。 



2009-04-17 三谷哲也五段、地元の小中学生を指導

 県内の少年少女囲碁大会で優勝者を輩出している伊勢崎子供囲碁
アカデミー(加悦正昭代表)の囲碁教室が4月11日、群馬県伊勢崎市
中央町の「伊勢崎ふくしプラザ」で開かれた。幼稚園から中学生までの
アカデミーメンバー33人が参加し、同市出身のプロ棋士、三谷哲也5段
の指導を受けた。

 アカデミーの子供たちは産経新聞社主催の「文部科学大臣杯小・中学
校囲碁大会」などで県内大会の上位を総なめにしているが、全国大会の
成績はいま一歩。「全国で通用する子供たちを育てたい」(加悦代表)と
毎年、大会前にプロ棋士を招き教室を開催している。

 館林第五小学校1年の青柳透真君は、「三谷プロのように強くなりた
い」と目を輝かせていた。

      (産経新聞より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

囲碁を楽しみにしている子供たちにとって、プロ棋士は雲の上の存在で
しょうね。
プロ棋士になるのは並大抵のことではありませんが、囲碁を通して人や
社会とのつながりを育んでもらえれば幸いと思っています。 

国際棋戦で苦戦している日本のプロ棋士を蔑む(さげすむ)ようなブログ
を見かけますが、次世代を担う青少年の夢を壊さないような配慮がほしい
と思います。 

    ◇   ◇   ◇

「碁ワールド」最新5月号の「ナチュラルスタイル」というコーナーに三谷
プロが登場しています。
最近はランニングに取り組んで、ハーフマラソンにも出場したそうです。
走ることだけでなく、日本棋院への約5キロの道のりも歩くことが多く、
山登りも好きとのこと。若手棋士とフットサルや野球の機会も多いスポー
ツマンです。
本誌の写真からもスポーツマンらしい、精悍で野性的な感じが伝わって
きます。

三谷プロは今期の新人王戦で先週(4/9)、謝依旻・女流二冠を破って
ベスト8に進出しました。次は関西の村川四段との対戦、優勝めざして
頑張ってほしいですね。

今週(4/15)、韓国で行なわれた「LG杯/世界棋王戦」の1回戦では、
韓国の強豪・睦鎭碩九段に敗れてしまいました。世界戦での活躍も期
待しましょう。



2009-04-15 第57回NHK杯/謝女流二冠、1回戦突破

今期NHK杯の開幕戦(4/5放送)は、山田規喜・九段(先番)と謝依旻・
女流本因坊/女流名人の対戦、結果は白番の謝さんが後半から力を
発揮して、中押し勝ちでした。
解説の結城九段(前期・NHK杯優勝)も、謝さんのヨミの確かさに感心
していました。
2回戦は溝上知親八段と中野泰宏九段の勝者と当たりますが、善戦を
期待しましょう。

謝さんはこのNHK杯出場3度目となりますが、いずれも4月第1週の
開幕戦となっています。視聴者にとって女流棋士は注目度が高く、
制作サイドの計らいでしょうか。

謝さんのNHK杯初登場は一昨年で、1回戦は同郷(台湾)の林子淵
七段を破り、2回戦で王立誠九段に敗退しました。また昨年の一回戦
は苑田勇一九段に残念ながら敗れています。

今期のNHK杯に出場する女流棋士は謝さんの他に、加藤啓子・
女流最強位、鈴木歩・四段、梅沢由香里・女流棋聖が登場します。
過去の戦歴からすると苦戦が予想されますが、華やかな戦いぶりを
見せてほしいと思います。

一方、謝さんに花を持たせた山田規喜・九段、残念でした。山田九段
は関西棋院の中堅棋士ですが、マスコミに登場する機会は少ないよう
です。
内容は前半で押し気味だと思いましたが、謝さんの若さと勢いに屈した
格好となりました。TV対局という重圧の影響もあったのでしょうか。

山田九段の師匠は本田邦久九段ですが、本田九段もこの次の週(4/12)
に放送された対局で、中部の小県真樹九段に終盤のポカで敗れていま
す。
師弟ともに敗退ということで、ホロ苦い花見酒となったようです。 



2009-04-13 第47期十段戦第3局/張勝ち5冠に王手

 「第47期十段戦五番勝負」の第3局が4月9日、長野県大町市の
「くろよんロイヤルホテル」で行われ、白番の張栩四冠が高尾十段に
中押し勝ちした。
これで対戦成績は張の2勝1敗。張は5つ目のタイトル、十段獲得に
あと1勝とした。第4局は16日、愛知県蒲郡市の「旬景浪漫銀波荘」
で打たれる。

 中盤、白は右辺と左辺で厚みを築いき、左上の折衝から戦場は中央
へ。「形勢は白がいいって顔してるね」と立会いの武宮九段。この後、
コウ争いがからむ難しい戦いが続いたが、最後は白が左方の黒の大石
を仕留めた。

<張四冠の話>
 少し打ちやすいとは思っていましたが決め損なって。最後も結構難し
かったが、大石を取れることが確認できたので…。

<高尾十段の話>
 自信ありませんでした。左上でうっかりして…。最後もチャンスはあった
かもしれませんけど、負けるべき碁でした。

      (産経新聞より抜粋)

  ◇  ◇  ◇

今週の「週刊碁/十段戦」のトップページ・タイトルは「張栩スパート」、
「高尾連覇危うし」。
2ページのタイトルは「相次ぐコウの大難戦」、「高尾の大石憤死」。

変化に次ぐ変化、難解なコウの連続、この難戦を制した張四冠は2勝1敗
で十段位に王手、五冠も視野に入ってきました。

一方、カド番に立たされた高尾十段、張四冠の変幻ペースに重厚な持ち味
を発揮できなかったようです。

注目の第4局、高尾十段の巻き返しに期待しましょう。

  ◇  ◇  ◇



今回の対局地は長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」。
「週刊碁/ウロ烏鷺戯評(鮎沢まこと)」で張栩四冠が白石を持った戯画に
「今回はクロヨンではなくシロヨンでした」とありました。
ユーモアとセンスの良さが伝わってきますね。

大町での十段戦対局は今年で連続16回目だそうです。関係者の苦労も
大変なものでしょうね。
大町市は囲碁によるまちづくり「アルプス囲碁村」を推進し、各種のイベント
を開催しているとのことです。
囲碁が町の活性化に役立つということであれば、本当に嬉しいことです。

20代の頃、北アルプスへの登山基地として大町に訪れたことがあります。
さすがに今の体力で北アルプス登山は苦しそうですが、仁科三湖(木崎、
中綱、青木)周辺にはサイクリング・コースもあるようです。
北アルプスの秀峰を眺めながらのサイクリング、ぜひ体験したいと思って
います。



2009-04-10 いつもの理髪店へ行く

私がいつも行く理髪店は自宅から100m
ほどの所にあり、1ヶ月〜1ヶ月半の間隔
で整髪してもらっています。

マスターと奥さんの二人で営業していま
すが、10年ほど前は若い理容師がいま
した。

低料金店舗の進出で従業員を抱えるのは
苦しくなったのでしょうね。

料金は標準コースで3,600円。低料金の店に行けば半額以下でもできるよう
ですが、雰囲気が変わるのがなんとなく鬱陶しいんですね。
あと新しい店を探すのが面倒というか、モノグサ気分もありますが・・・。 

最初に行った頃はマスターがいろいろと話しかけてきて、地域のことなど世間
話をしていました。
ところが途中から「フンフン」といい加減な受け答えになり、眠たそうな当方の
気持ちを察したのか今では話しかけてきません。
夢うつつ気分の小一時間は、なによりのリラックス・タイムです。

    ◇   ◇

理髪店の客の中には話し好きなタイプもいます。プロ野球や健康の話題など、
とり止めのない話が続きます。
マスターも相手をするためには、新聞やTVなどの情報チェックは欠かせません
ね。

会話するには結構エネルギーも必要だと思うのですが、話し好きな人にとって
は会話がストレス解消になるのかも知れません。

あと営業畑の人にとっては、世間話の組み立て方などは有用なスキルの一種
なんでしょうね。

私の親は職人タイプで家でも必要なこと意外は喋らない方でした。
幸か不幸か、私もその血を受け継いでいるようです。 



2009-04-08 第21期女流名人戦第3局/謝、勝ち初防衛

謝依旻女流名人に知念かおり四段が挑戦する「第21期女流名人戦」三番勝負
の最終第3局が4月1日、東京・千代田区の日本棋院で行われ、黒番の謝が
中押し勝ちし、対戦成績2勝1敗で女流名人を初防衛した。

最終局では序盤から白番の知念がリードする形で 進行したが中盤で形勢
不明に。終盤で白番が小さい手を打って振り出しに戻り、黒番の謝女流名人が
正確にしのぎ勝利を収めた。

<謝女流名人の話>
 いろいろ駄目な手もあったが、結果を残せて良かった。もっと勉強したい。

<知念四段の話>
 勝負内容は充実していた。いい報告ができればと思ったが、この経験を次に
生かしたい。

      (琉球新報より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

乱戦模様の女流名人戦、最後は謝さんの執念に幸運の女神が寄り添ったよう
です。
謝さんはこれで女流名人戦(三番勝負)と女流本因坊戦(五番勝負)を各2度、
合計4度の“番碁”を戦い、12局打って10勝2敗。
そのうち最小差の“半目勝ち”が5回と、その勝負強さは驚異的です。

一方、今期から始まった女流名人リーグ戦を勝ち抜き、挑戦者として登場した
知念さん。
本局では優勢に打ち進めながらも、終盤に誤算の一手で形勢を仕損じました。

19歳の謝さんと30代半ばの知念さんの世代対決。若手の勢いが円熟のママ
さん棋士を退けた結果となりました。
女流碁会もここしばらくは、謝二冠を中心に展開していきそうです。

    ◇   ◇   ◇

謝さんは台湾苗栗市出身、黄孟正九段門下。
知念さんは沖縄県宮古島市出身、時本壱九段門下。

二人の出身はは台湾と宮古島で本シリーズ、「南国対決」と
呼ばれたそうです。
フラダンスが似合いそうですね。(謝さんの趣味はヒップホップ
だそうですが・・・)

二人とも師匠は出身地と同郷で、弟子の成長・活躍に人並み以上に関わって
きたようです。
弟子(謝二冠、知念四段)の努力・才能もさることながら、師匠(黄九段、時本
九段)としての力量も大いに評価されますね。



2009-04-06 第56回NHK杯/結城九段が初優勝

 第56回NHK杯囲碁トーナメントの決勝戦が29日放映され、黒番の結城聡
九段が151手で武宮正樹九段に中押し勝ちし初優勝した。

 結城九段は陳嘉鋭九段、羽根直樹九段、河野臨天元、坂井秀至七段、
蘇耀国八段を破って決勝進出した。

 これまで結城九段は第18期新人王戦、第28期早碁選手権戦、第25期
鶴聖戦、第1回JALスーパー早碁、第14期竜星戦で優勝しており、今回が
6個目のタイトル。

 また、関西棋院勢のNHK杯優勝は、第32回の橋本昌二九段以来24年
ぶり8回目。

    (産経囲碁Webより抜粋)

   ◇  ◇  ◇

実利で先行する黒番・結城九段に厚味で対抗する白番・武宮九段。中盤、
白模様に突入した結城九段が適確にシノいで優勝の栄冠を勝ち得ました。
準優勝に甘んじた武宮九段、「勝負にこだわらず、打ちたい手を打つ、という
気持が後ずさりした」との弁でした。

優勝・準優勝者の両者は日中韓によるテレビアジア選手権に出場します。
武宮九段は最年長になるでしょうが、円熟の技を見せてほしいですね。

関西棋院勢のNHK杯優勝は24年ぶりとのことですが、本拠地の歓迎ぶりは
大変なようです。
24年前というと昭和60年(1985年)、この年のタイトル者は下記。

・棋聖:趙治勲
・名人:小林光一
・本因坊:武宮正樹
・十段:小林光一
・天元:小林光一
・王座:加藤正夫
・碁聖:大竹英雄

いずれも木谷門下の精鋭でした。
国際棋戦不調の日本勢ですが、もはや木谷スタイルの育成方法は時代に
マッチしなくなったのでしょうか。

   ◇  ◇  ◇

本ブログの棋戦情報は他のブログ情報に比べて、周回遅れの情報となって
います。
当方の怠慢もありますが、一応「週刊碁」などの記事を参考にした「週刊仕様」
ということでご容赦を。 

昨日(4/5)放送の第57回NHK杯1回戦第1局では、謝さんが勝ったようですね。
今年も謝旋風が吹き荒れそうです。



2009-04-05 日本棋院:県支部連合会総会2009

昨日(4/4)は県支部連合会の総会で、県内10支部より23名があつまり
ました。
新年度にあたり2支部が部員減少で解散との報告がありました。
会員の高齢化が大きな要因でしょうが、不況で経済的・心理的な不安も
影響しているのかも知れません。

先行き不透明な状況ですが例年通り各種の行事を行い、少しでも碁界
活性化に寄与できればと思っています。

集合写真

   ◇   ◇

そんな中で明るい話題もありました。伊勢崎市の小学校を中心にした子供
囲碁教室が活況を呈していることです。

来月(5/18)には万波佳奈プロを招き、子供囲碁指導の交流会・入門教室が
行われるとのこと。

「ヒカルの碁」の再放送も始まるようですが、ジュニアの囲碁人口拡大が期待
されます。



2009-04-03 「1勝1敗」と「1敗1勝」

普段は夕食を終えて一息したところで「ネット碁」を開始します。
利用サイトの持ち時間は標準20分ですので、2局以上は消化できます。
問題は初戦で黒星が多いことです。それでも2局目以降に粘って、何とか
5割に近い成績で推移しています。

以前、囲碁関係の情報で

「木谷門下の弟子(・・・だったと思う)が師匠に成績を聞かれ、『1勝1敗で
した(順序は●○)』と答えたところ、『それは1敗1勝だろう』と云われた」

というエピソードを目にしたことがあります。
師匠は「1勝1敗」と「1敗1勝」では、価値が違うということを云いたかった
のでしょう。
確かにトーナメント戦では初戦で負けたらそれで終わりですからね。

     ◇   ◇

ザル碁党の大会でも、初戦の勝敗は後の成績に影響します。
クジ運で初戦に苦手のタイプと当たったときは、ユーウツな気分になります。

初戦を勝つ秘策などあればよいのですが、しょせん無理なことです。
一手一手を、丁寧に打つことくらいでしょうか。
そのためには、相手より考慮時間はオーバーする程度でよいのかもしれま
せん。

ところが実戦ではいつのまにか相手より着手が速くなり、ミスで自滅する
パターンを繰り返しています。 



2009-04-02 年度替わり/2009

昨日(4/1)から新年度が始まりました。

勤務先の事業所グループでは、先月末(3/31)
に多くのベテラン社員が早期退職で去っていき
ました。

新入社員も入ってきましたが、去っていく人の
4〜5分の1程度でしょうか。差し引くと全体の
労働パワーは大幅にダウンすることになります。

今後の展開が心配ですが、景気後退が著しい局面でもあり難しいところです。

いままでも不況のたびに同世代の仲間が去っていきましたが、退社後はどんな
様子か気になるところです。

「悠々自適」組は半分くらいでしょうか。いままで培った技能やノウハウを埋もれ
させてしまうのは、国家の損失のように思います。

働く意欲のあるOB向けに適切な受け皿があればと思いますが、現役世代の
雇用も困難なご時世、難問ですね。

    ◇   ◇

勤務先の囲碁部も新年度の予算はゼロになったようです。企業の福利厚生費
も不況の波には自重せざるを得ないということでしょうか。
いままで日本の囲碁愛棋家の多くを支えてきた「職域」という母体の弱体化は、
目を覆うばかりで囲碁界のすう勢と比例しているようです。 

今後は「職域」に替わる別の「囲碁区域」を見出すことが、必要だと思います。
若い世代を対象にした「囲碁イベント」など新しい試みとして行われているよう
ですが、定着するといいと思いますね。


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