群馬囲碁年鑑 1985
群馬県文化年鑑・1985年版より


−−−− 目次 −−−−

1.囲碁の歴史
2.囲碁団体の設立/表彰
3.主なアマチュア棋戦
4.その他トピックス
5.囲碁人物プロフィール/郷土出身棋士
6.日本棋院、普及指導員/支部一覧

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1.囲碁の歴史

 囲碁の歴史は古く中国四千年の昔に考案され、日本には奈良朝以前に伝来し、以後千三
百有余年、われわれ日本人の中で打ちつづけられている。

 本県における囲碁の歴史は定かでないが、明治・大正時代すでに相当の打ち手がいたよ
うにうかがえる。1922(大正11)年の前橋囲碁鑑によると、横綱に横地恒太郎、大関に中村
平造、神山正雄、張出大関に福島金之介、葉住利蔵、大芝惣吉、関脇に関口志行、折原芳
五郎の名があがっている。

 昭和に入り大平洋戦争が終わるまで囲碁は娯楽と考えられ、ほとんどが個人的な遊びの
場で行われていた。また手引き書としての書籍などもほとんどなく棋力も現在からみる
と、かなり低かったようである。

 戦後、昭和25年頃から経済の回復に伴い人々の生活もようやく安定し、囲碁はスポー
ツ、文化の一環として、さらには人問の深い信頼関係を作り出すゲームとして普及、囲碁
クラブが各地に誕生するようになり、1951(昭和26)年には群馬囲碁連盟(会長、関
口志行)も結成された。

 昭和三十年代に入って各新間社も娯楽面に力を入れ、新聞社主催の囲碁大会や選手権戦
(アマ本因坊戦、アマ十傑戦など)が催されるようになり、また専門棋書や囲碁雑誌の発
刊、さらには囲碁教室、クラブ、研究サークルの設立などにより囲碁人口が一段と増加し
た。

 一方、日本棋院は各地に支部を設立、同時に「囲碁まつり」と銘うって、少年少女名人
戦・高校囲碁選手権戦・団体十傑戦・段級位認定大会など種々の催しを定期的に行い、ま
た学校のクラブ活動にとり入れるよう働きかけるなど、アマ囲碁界の普及発展に力を入れ
たため囲碁は県内各地域、職場、学校などに急速に普及していった。

 昭和54年には第一回世界アマ選手権戦が開催されるなど、今まで国内的であった囲碁も
国際的発展をみせ、室内ゲームとして世界で最も優秀かもしれない碁は、今後ますます隆
昌の道をたどると思われる。

○県内で行われたプロ棋士戦(昭和15年〜昭和29年)

日時 場所 棋戦 勝敗
昭和15年8月4日〜6日 伊香保天宗寺 呉・木谷十番碁第五局 呉白番中押勝
昭和24年9月20日〜21日 湯檜曽本家旅館 呉・高川(高段者)戦 呉先番中押勝
昭和27年4月1日〜3日 伊香保千明仁泉亭 呉・藤沢(庫)第二次十番碁第六局 呉先番中押勝
昭和28年9月1日〜2日 水上幅温泉奥利根館 呉・坂田六番碁第六局 坂田先番一目勝
昭和29年5月23日〜24日 水上温泉蒼海ホテル 呉・坂田十番碁第七局 呉白番中押勝

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2.囲碁団体の設立/表彰

○群馬囲碁センターの設立

 昭和46年、県内囲碁同好の志、四百余人の熱意により1260万円の建設資金が集め
られ囲碁ファンの永年の夢であった「群馬囲碁センター」が県都前橋に設立された。

 理事長に佐田一郎、副理事長には加藤正之助、増沢清文・城田貞治、そして理事には
入内島金一・猪熊猛之・松村泰克らが名を連ね、開設以来無休の同センターは毎日県下
の囲碁ファンでにぎわっている。

 概要、所在地=前橋市大手町三丁目2の10群馬県産業会館ビル五階、広さ=和室56
畳、常備碁盤=足付52面、板盤100面、会員200人、会費=年間一万円、月例碁会=
毎月第二日曜日。

○日本棋院支部・棋友会・碁友会の設立


 日本棋院では各地区の同好者の仲間づくりを進め、囲碁の普及発展を図るため、支部(会
員30人以上)、棋友会(有段者10人以上)、碁友会(初段を目指す人のサークル)の設立に
力を入れている。昭和60年2月現在の県下の支部・棋友会・碁友会は別表のとおり。

○日本棋院群馬県支部連合会の結成

 県下には前述の日本棋院支部・棋友会・碁友会があり、その連合体として昭和52年群馬
県支部連合会(会長、佐田一郎)が結成された。県囲碁界はこれらの組織を中心に連絡を
とりあい活発な動きをみせている。

○群馬囲碁同好会

 昭和53年、県内のアマ強豪らが集まって群馬囲碁同好会が発足した。
 この会は群馬囲碁センター副埋事長城田貞治の肝入りで誕生したもので、アマレベルの
向上や他県との交流に力を入れるなど、識見すぐれる城田の県囲碁界の発展、振興にかけ
る情熱とその努力は高く評価されている。
 同会は毎月第三日曜日に石井成幸(アマ十傑・全国大会優勝者)をトップに県内の強豪
があつまって研修会を行っており、県囲碁界の大きなけん引力となっている。

○普及功労賞及び普及活動賞

 日本棋院では永年囲碁普及に功績のあった
人の労をねぎらうため、普及功労賞等を設け
表彰している。

 普及功労賞受賞者第四回(昭和58年度)佐田一郎。明治35年6月9日生。佐田建設株式
会社会長。元参議院議員。五段、群馬県支部連合会会長、前橋支部支部長。昭和39年前橋
支部創設以来支部長として、また支部連合会発足後は会長として群馬県碁界の発展に多大
の功績があった。

○普及活動賞受賞者

受賞者 支部 受賞者 支部
第1回 昭和57年度 佐田一郎 群馬県支部連合会会長 鈴木作司 桐生支部幹事長
第2回 昭和58年度 小野喜与志 利根沼田支部長 吉原貞隆 前工支部長
第3回 昭和59年度 増山芳弘 館林中央支部長 猪熊猛之 前橋支部幹事


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3.主なアマチユア棋戦

アマ本因坊戦
〈毎日新聞社〉

アマ十傑戦
〈朝日新聞社〉

アマ選手権戦
(日本棋院)
優勝者 地区 優勝者 地区 優勝者 地区
昭30 金田与一 桐生        
昭31 田村孝雄 大間々        
昭32 金田与一 桐生        
昭33 高山博厚 前橋        
昭34 田村孝雄 大間々        
昭35 田村孝雄 大間々        
昭36 三宅通弘 安中 今井寿朗 高崎    
昭37 安田洋一 前橋 石井成幸 薮塚    
昭38 安田洋一 前橋 石井成幸 薮塚    
昭39 石原福夫 伊勢崎 安田洋一 前橋    
昭40 田上道家 前橋 安田洋一 前橋    
昭41 安田洋一 前橋 石井成幸 薮塚    
昭42 石井成幸 薮塚 石原福夫 伊勢崎    
昭43 田中靖久 安中 桑原辰雄 桐生    
昭44 田中靖久 安中 石原福夫 伊勢崎    
昭45 田中靖久 安中 石原福夫 伊勢崎    
昭46 田中靖久 安中 田中靖久 安中    
昭47 石原福夫 伊勢崎 安田洋一 前橋    
昭48 佐藤貞夫 草津 田中靖久 安中    
昭49 安田洋一 前橋 石井成幸 薮塚    
昭50 安田洋一 前橋 石井成幸 薮塚    
昭51 佐藤貞夫 草津 佐藤貞夫 草津    
昭52 山口昇 沼田 見城弘殷 沼田 田代伸郎 邑楽
昭53 山口昇 沼田 山口昇 沼田 石井成幸 薮塚
昭54 山口昇 沼田 山口昇 沼田 高山大徳 前橋
昭55 高山大徳 前橋 山口昇 沼田 山口昇 沼田
昭56 佐藤貞夫 草津 山口昇 沼田 山口昇 沼田
昭57 吉野延美 高崎 安田洋一 前橋 田代伸郎 邑楽
昭58 山口昇 沼田 山口昇 沼田 山口昇 沼田
昭59 長谷川義則 高崎 沢田親光 新町 高橋祐次 玉村


アマ十傑戦全国大会入賞者

順位 入賞者 年(回)
第1位 石井成幸 昭和41年(第6回大会)
第8位 田中靖久 昭和46年(第11回大会)


(4)団体十傑戦〈日本棋院〉

年(回) 出場チーム 出場者
55年(第1回) 欠場
56年(第2回) 利根沼田支部 山口昇 見城弘殷 佐藤禎道
57年(第3回) 桐生支部 石井成幸 大出一夫 本間健雄
58年(第4回) 桐生支部 石井成幸 大出一夫 丹羽明
59年(第5回) 桐生支部 石井成幸 大出一夫 藤生欣司


○関東甲信越静囲碁大会
 関東甲信越静囲碁連合会主催による一都十県の対抗戦(団体戦)は、昭和30年に横浜で
第一回大合が開かれて以来、毎年各県持ち回りで行われている。この大会はすでに三○回
を数える伝統ある大会で、各県アマ棋界の交流と親睦が図られている。

本県での大会開催状況

場所
第8回大会 昭和37年 高崎市
第15回大会 昭和44年4月 四万温泉山口館
第22回大会 昭和51年6月 上牧温泉上牧荘


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4.その他トピックス

○県下の主な囲碁大会

(1)県議会議員、県職員親善囲碁大会
 昭和52年11月27日、群馬県産業会館において石田芳夫九段を招待、県議、県職員約130
人が参加して開かれた。

(2)加藤天元を招き囲暮大会
 昭和56年9月20日、群馬建設会館において加藤正夫天元(九段)を招待、約200人が
参加して開かれた。

(3)日中友好親善対局
 昭和54年3月15日、群馬ロイヤルホテルで日中友好親善囲碁使節団と群馬県代表(群馬
囲碁同好会メンバ−)との親善対局が行われた。同使節団の一行一三人は12日から六日間、
東京・市ケ谷の日本棋院で開かれた第一回世界アマチュア囲碁選手権戦に出場するため来
日したもので、これを機会に各地で日中友好を深めようと同戦参加選手を除く五人(王汝
南、楊晋華、程暁流ら)が県日中友好協会と日本棋院県支部連合会の招きで訪れたもので
ある。

○石井成幸全国大会で優勝

 朝日新聞社主催第六回アマ囲碁十傑戦全国大会が昭和41年6月13日、東京新宿の厚生年
金会館で行われ、本県代表の石井成幸(薮塚本町)が原田・菊池の強豪を破り優勝した。

○群馬県チーム都道府県対抗戦で初優勝

 日本棋院主催第九回全日本都道府県囲碁対抗戦が昭和44年11月1日から三日間、大阪北
区の日本棋院関西総本部「大阪囲碁会館」で行われ、本県チーム(田中靖久、石原福夫、
高山博厚)は関東地区代表として出場し、決勝で愛知県チ−ムを破って初優勝した。

○日本棋院囲暮セミナー
 日本棋院主催による囲碁セミナ−が昭和49年から開かれ、毎年多くの囲暮フアンが参加
して盛大に行われている。本県での開催状況は次のとおり。

場所
第2回 昭 50年8月 水上
第5回 昭 53年8月 伊香保
第7回 昭 55年8月 草津
第10回 昭 58年8月 水上
第11回 昭 59年8月 草津


○上毛新聞特選碁

 上毛新聞社では囲碁ファンの要望にこたえ、昭和51年7月から囲碁欄を設け特選碁を
掲載し、現在にいたっている。

 この「特選碁」の特色は、対局者と観戦記者が地区別にセットされておリ、囲碁ファン、
とりわけ地域となじみが深く、読者の「手づくリ」というユニークな上毛方式は全国から
注目され、好評を呼んでいる。

 主な解説・観戦記者は石井成幸{裁塚本町)、栗原雄蔵(伊勢崎)、須藤斉(高崎)、高山博
厚(前僑)、本間健雄(桐生)、増山芳弘(館林)、山口昇(沼田)の各人。

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5.囲碁人物プロフィール/郷土出身棋士

○囲募人物プロフィル


  ■関口志行(1882〜1958)
 弁護士・俳人。多趣味の人としてあまりにも有名、特に囲碁を無類の友とした。三段。

  ■中村平造(1889〜1961)
 前橋市大手町(旧神明町)で囲暮クラプ(比刀根クラブ)を経営、後進の指導にあたり、
プロ棋士、アマタイトル保持者多数輩出。多年棋界に尽した功績で日本棋院から四段を贈
られた。

  ■横地恒大郎(1895〜1977))
 前橋市岩神町の生まれ、県囲碁界を開拓する。大正から昭和にかけての本県囲碁界の第
一人者。ベンネーム幻々子で上毛新聞の囲碁解説をする。群馬囲碁センターの設立に尽力。
48年県文化功労賞受賞。囲碁一筋に生きる。
六段。

  ■佐田一郎(1902年生まれ)
 実業家。日本棋院群馬県支部連合会長。県囲碁界の普及発展に尽す功績は大きい。五段。

  ■栗原俊夫(1909年生まれ)
 政治家。日中友好協会全国理事長。堂々とした対局態度と重厚な棋風の持ち主。四段。

  ■田村竜騎兵(1931生まれ)
  囲碁ジャーナリスト。大間々町出身。本名は孝雄。早大商卒。囲碁評論界の中心的存在。
 著書に「物語り囲碁史』『碁きちにささげる本』『現代アマ強豪列伝』『升田幸三伝・名人に香
 車を引いた男』などがある。六段。

○郷土出身のプロ棋士
  ■日本棋院六段 長原芳明(前橋市出身)。昭和14年12月5日生。27年前田陳爾九段に入門。
  34年入段。52年六段。42年訪欧、47年北米囲碁指導、52年オーストラリア・ニュージーラ
  ンド、56年ョーロッパ囲碁指導。

  ■日本棋院四段 筒井勝美(前橋市出身)。昭和5年2月18日生。15年木谷実九校仁入門。
  22年入段、54年四段。

  ■日本棋院準棋士初段 柴田寛二(前橋市出身)。昭和16年9月10日生。30年木谷実九段に
  入門。40年初段。

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6.日本棋院、普及指導員/支部一覧

○日本棋院普及指導員
高山博厚 日本棋院前橋支部(前橋)
和田匡史 日本棋院高工支部(松井田)

別表
○日本棋院支部、棋友会、碁友会(昭和60年2月4日現在)

支部名 支部長 連絡先
桐生 支部 山根波次 桐生市梅田町3の23の2
渋川 支部 北村英吾 渋川市坂下町2118
高崎 支部 井上安平 高崎市上並榎町233
館林 支部 荒井正太郎 館林市大字高根615
東京三洋 支部 倉橋明治 大泉町東京三洋電機内
利根沼田 支部 小野喜与志 沼田市坊新田町1101
前工 支部 吉原貞隆 前橋市岩神町2の23の22
前橋 支部 佐田一郎 前橋市大手町3の2の10
館林中央 支部 増山芳弘 館林市松原1の25の8
太田 支部 大島利蔵 太田市飯田町858
伊勢崎 支部 粟原雄蔵 伊勢崎市若葉町5の15
前橋西 支部 守山俊朝 前橋市石倉町3の10の5
高工 支部 赤坂好夫 高崎市江木町700
前橋営林局 支部 斉田勇 前橋市岩神町4の16
草津温泉 支部 石下武 草津町大字草津607の2
群馬境 支部 布施喜一郎 境町大宇境745の1
高崎西部 棋友会 忰田光一 高崎市藤塚町361の4
藤岡 棋友会 荻原俊 藤岡市藤岡12の4
万場 碁友会 新井正信 万場町大字万場90の6
嬬渓 碁友会 野寺鐐太郎 嬬恋村大前212の3

                       ◆◆ 高山博厚氏 記 ◆◆

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